2010年3月 のアーカイブ


 
ビデオトロン社製
Vbus-70B
内蔵ボード
  
  
以下、ボードの紹介です。  
  
  
  
  
1-1 SD-HD アップコンバータボード SHC-70HD 
7CAMのCCUから出力されるSD SDI(※1)信号を、HD SDI信号に変換する機器

1-2 SD-HD アップコンバータボード SHC-70HD 
8CAMのCCUから出力されるSD SDI信号を、HD SDI信号に変換する機器

1-3 SD-HD アップコンバータボード SHC-70E-AE 
各種信号(アナログ信号含む)を、HD SDI信号に変換し調整する機器

1-4 フレームシンクロナイザボード FS-70B
主にサブコントロール外からの信号(※2)を、サブコントロールルーム内の「同期信号(基準信号)」でゲンロック(※3)し、調整等をする機器
 
1-5 HD/SD-NTSC ダウンコンバータボード HSC-70B-DG
HD SDI信号やSD SDI信号を、NTSC(アナログ信号)に変換しゲンロック(※3)。また、その信号を、増幅分配する機器。RET-1用(※4)。
  
  
※1 SD:スタンダードディフィニション(走査線525本の放送方式)のSDI:シリアルデジタルインタフェイス(デジタル信号の1つ)
※2 一般に、テレビ局でいう「中継信号」。中継先から伝送される信号等
※3 3/17の記事を参照
※4 RETは、次回のクイズで紹介

Vbus-70B

2010年3月22日 HD機材設備,雑感

ビデオトロン社製
70形筐体 10モジュール
Vbus-70B
 
 
 たとえば家電製品というと、一般的に、1つの目的で1つの固まり、というか、1つの外見を持ちますよね。洗濯機とか冷蔵庫とか掃除機とか、まあ細かくは、その中にいろいろな機構が備わっているわけですけれど、概ね、1つの目的を達成するための、機器となります。
 しかし、放送機器は、そうでもない。恐らく、昔ほど、機器の内容や仕組みが大掛かりで、大きいものだったので、家電に近い、つまり、大きな1つの固まりだったのですが、技術の進歩と共に、小型化を繰り返したのですね。その結果、たとえば、信号の「質や形」を変える程度だったら、ボード(ICやダイオードや抵抗などのパーツが並ぶ基板)1枚で、できるようになったのです。
 そうして、外見として認識できる機器「箱」は、ボードのケースとして存在することが増え、しかも、目的違いのボードの収納箱という意味合いが、さらに強まった、というわけです。
 
 話が長くなりましたけれど、今回紹介する機器も、その1つ。近い目的を持つ、同じメーカのボードではありますが、それぞれ違う機能を有するものの集合体です。
 写真の3つのユニットは、それぞれに、ビデオトロン社製の、「70シリーズ」のボードを10枚内蔵できる、メインフレーム(ケース)です。


 写真は、先日のシミュレーション実習中の、サブコントロールルーム。
 CRT(カソウド レイ チューブ:いわゆるブラウン管)のテレビモニターから液晶ディスプレイになって、300ミリ程度、モニターウォールが、後退しました。そのため、同じ位置からは、より、多数のモニターが見やすくなった、つまり、広く全体を見渡せるようになったわけです。

 この「広く見渡す」「全体を見る」という行為、また、その能力は、番組作りには、欠かせないこと。それがテーマだとしても、過言ではないでしょうね。アイデアとかテクニックより、さらに大事なことかもしれません。

IXS-6700

2010年3月21日 HD機材設備

SONY社製
インテグレーテッド ルーティングシステム
IXS-6700
   
   
当システム・フレーム内に、以下の機器等が内蔵

マトリックスボード
IKS-6030M

16 HD/SD デジタルビデオインプットボード 
IKS-V6010M

                          17 HD/SD デジタルビデオアウトプットボード
                          IKS-V6060M

                          HD/SD ビデオルーター プロセッサーボード
                          IKS-V6050M

  
 一見、1つ前の記事で紹介した「MVS-6000」と似ていますが、高さが違いますね。今までにも紹介していますが、サブコントロールルームやスタジオフロアからの、各映像系信号は、基本的にすべてこの箱に集まってきます。もっぱら、外部機器からの指示により、「入力されているこの信号を、どこに出力するか」というような作業を行っている機器。MVS-6000にも、この箱から信号が伝送されます。
 ちなみに、本校仕様の信号入力数は64、信号出力数は102。今後の音声システムのデジタル化や、映像の3D化を意識したスペックの製品を選択しました。
 

MVS-6000

2010年3月21日 HD機材設備

SONY社製
マルチフォーマット スイッチャープロセッサー
MVS-6000

 ボタンが沢山並んでいるスイッチャーコントロールパネル「CCP-8000」とペアになっているもの。ボタンを押す、つまり、映像(ソース)を切り替える指示を受けると、写真の「MVS-6000」が映像を切り替える、という関係です。この機器が、スイッチャー本体、となります。
 2/21の記事で、紹介しましたけれど、以前使用していたスイッチャーコントロールパネルより、ボタンの数は、およそ6倍に増えたのですが、スイッチャー本体は、むしろ小さくなりました。


 9問目のクイズです。
 写真のスイッチBOXは、スタジオカメラ(スタンダードカメラ)のある場所に取り付けられています。
 今回、東放学園専門学校では、特別注文で、このスイッチBOXとある機能を、搭載してもらいました。

 さあ、この物体は、いったい、何のためにあるのでしょう。
 下の選択肢より、選んでみましょう。

(A) ズームレンズの「マクロ機能(近い被写体にフォーカスを合わせたり撮影画面全体をボカしたりする機能)」を、電動リモコン式で操作するためのもの
(B) 雨の日も撮影できるように、ズームレンズの最前部に搭載しているワイパーを、電動リモコン式で操作するためのもの
(C) 実は、文字自体を白く光らせることができる、テレビカメラの側面部の「電照式東放学園ロゴ」を電動リモコン式に操作するためのもの
(D) 学生カメラマンの、「今日のハリキリ度」を設定し、各所のテレビモニターに表示する機能のスイッチ

 (写真中、スイッチBOXに表示されている文字の一部を、クイズ用に消しています。ごめんなさい)


 そしてこれが、スタジオカメラ(スタンダードカメラ)の、出演者やスタッフ用のTALLY・カメラ番号表示灯。最近のものは、ご覧のように、カメラ番号自体も、LEDで表示されるので、番号自体を簡単に変更できます。従って、1つ前の記事で紹介したように、灯すカメラも変更してあげる必要がある、というわけ。
 ちなみに、この出演者に見せるTALLYランプは、スイッチ操作により、灯さないようにも設定できます。特にテレビドラマの撮影時に、出演者に意識させないように、という配慮が可能なのですね。
(写真中の番号の周辺の縞は、デジカメのシャッタスピードの関係によるもの)

481U-WBF

2010年3月20日 HD機材設備


CANARE社製
TALLY(バンタム) ジャックパネル
481U-WBF
(写真中央の機器)

 TALLY(ランプ)とは、「その映像(ソース)を選択しています」ということを知らせるための、赤色(緑色の場合もあり)のランプのこと。たとえば、生放送であれば、そのカメラの映像が放送されている、ということになります。テレビカメラの上に灯るのを、見たことありますよね。出演者用・カメラマン用・サブコントロールルーム内のテレビモニター・・・と、灯る場所は以外に多い。そして、稀に、3式のテレビカメラの順番を変えたり、灯す機器を変えたりする必要がでてきます。
 そのためにあるのが、このTALLYジャックパネル。上下・各所の穴同士を、専用のケーブルで結線すると、通常の状態を変更することができます。
 たとえば、スイッチャーで「1CAM」を選択すると「2CAM」にTALLYランプが点く、というふうに。
 


 シミュレーション実習中のサブコントロールルーム。
 今日の番組制作の流れは順調。学生さんも、新しい機器に対して、抵抗がない様子でした。何らかのトラブル等に備えて、念のため、工事を担当された方に、同席していただきました。
 工事作業は、こちらから依頼した「手直し」等の作業が若干残っている他は、ほぼ、終了に近い状態となっています。


 今日は、「シミュレーション」を実施。新しい機器設備・システムで、それぞれが正しく機能するかどうか、適切な仕様になっているかどうかなどをチェックするための、大切な作業です。
 初めてのスタジオ実習ということで、学生が正しく機材を使用できるかどうかや、使用方法などを学ぶという意味合いも、もちろん、あります。


 
 

SONY社製 X-Yコントロールパネル
BKS-R3220(RACK1)
(写真上下方向中央付近の機器)
 
 
 

インテグレーテッドルーティングスイッチャー「IXS-6700」の、リモートコントロール機能を持つ機器。ルーティングスイッチャー内の、各出力ポートに、入力信号を割り付ける。
スポーツ競技の「トーナメント表」のように、縦方向に、IXS-6700に入力される信号の名称、横方向に出力先(出口)名称を羅列して、割り当てる必要がある部分に、「●」をつける、というようなイメージ。ゆえに、「X-Y(関数グラフの横軸と縦軸)」という名称になっている。

ID:11
<主に、モニターウォール内各ピクチャーモニター割当用> 
割当先(出力ポート)をダイヤルとボタンで選択、次に割当ソースをダイヤルとボタンで選択する機能。
他に「PHANTOM」機能があり、複数の割当先と割当ソースを、集約して選択・制御することもできる。

HS-7044

2010年3月18日 HD機材設備


アストロデザイン社製
4画面分割装置(マルチチャンネルモニター) HS-7044

 3/7の記事で紹介した、4画面。この4画面(マルチ画面)を作るのが、この機器です。
 ごく簡単に言えば、この機器に4つの映像信号を入力すると、それぞれを1/4サイズに縮小して、表示してくれる、というわけです。
 実際には、上記以外にも、沢山のカスタマイズ機能があるので、LANケーブルを繋げたPCで、詳細設定をします。
 (文字表示部分には、出荷時からの保護シートが貼られているので、文字が濁って見えています)

FR-684

2010年3月18日 HD機材設備

HARRIS社(元LEITCH社)製 
VDAボードフレーム FR-684  (2式)
(写真2つ共同機種)

  VDAとは、ビデオディストリビューションアンプリファイアーの略。アンプリファイアーとは、つまり「アンプ」の正式名称です。
 アンプリファイアーとは、「増幅器」。ディストリビューションとは、「増幅する」という意味。ビデオとは、この場合、「映像信号」。
 文字通り、映像信号を増幅して分配する装置です。
 サブコントロールルームでは、同じ信号を、各所あちらこちらに送りらなければならないことが多く、映像信号の「クローン」のようなものを作る必要があります。そこで、この機器が威力を発揮します。
 この機器だけは、以前から使用していたものを、流用しました。
 
 

ゲンロックとは

2010年3月17日 雑感

 ゲンロックユニットの説明です。

「信号を送る」というように、「信号」と「送る」という言葉をセットにして使うことが多いですよね。
そう、信号はケーブルなどを使って、伝送されることにより、初めて目的を果たすのです。

 実際には、ベルトコンベアに信号という「箱」が乗り、それが連続的に送られる、というようなイメージ。ケーブル1本が、1つのベルトコンベア。だとすれば、沢山のベルトコンベアが並んでいる、ということになります。
 沢山のベルトコンベアから運ばれてくる箱を、効率良く正しく回収するためには、ベルトコンベアのスピードと、箱が運ばれてくる間隔(タイミング)を、合わせておく必要があります。つまり、スピードの法則とタイミングの法則が必要になる。この法則そのものが、「同期信号」です。
 そうなると、それぞれのベルトコンベアに箱を送り出す機器、すなわち、映像信号を作りだす機器(たとえばテレビカメラ)や、箱を回収する機器(たとえば映像を切り替えるスイッチャー)各々に、同じ同期信号を送らなければならないですよね。
 タイミングを合わせることを、「同期をとる」と言い、同期をとることを、「ゲンロック」と言います。
 つまり、ゲンロックユニットとは、同期信号を作る(発生)する機器。オーケストラで言えば、「指揮者」にあたる、大変重要な機器となります。