2012年3月 のアーカイブ


 そして、一連の動画紹介の最後は、ドラマ実習本番中の、サブコントロールルーム(副調整室)の様子。画面手前のテクニカルディレクターの、スイッチングワークの動画です。
 テクニカルディレクターは、本学園の島﨑顧問が担当。
 
 実習授業の課題となっている「1ブロック」の収録。これを、4台のテレビカメラを使用して、カット割りに沿って切り替えて完成させるのです。
 今回のカット割り数は、全部で25カット。けれどもしかし、右手でめくる台本、確かに芝居に合わせてめくってはいますけれど、ほとんど見ていない。これが凄い。とにかく凄い!と感じます。
 しかも、2時間も3時間もかけて、何度も繰り返しているわけではありませんからね。この本番は、カメラリハーサルが始まってから、およそ15分後ですよ。この間で、切り替えるカメラをほぼ記憶して、なおかつ、役者の動きも頭に入れるのですからね。
 こうして言葉で書いても、その凄さは、あまり伝わらないでしょう(苦笑)。
 ですから、ぜひ!何度もご覧いただければ、と思います。
 そして・・・
 この動画。いろいろな意味で、大変貴重な動画なのです。


 放送芸術科の「ドラマ実習」ですけれど、今回は、滅多に観られない、貴重な動画を2本ご覧いただきましょう。
 まず1本目は、ドラマ収録のカメラリハーサル中の様子。
 中心に写るのは、2カメと、それを担当する本学園顧問の島﨑カメラマンです。
この授業のメインである「制作系スタッフ」はもちろんのこと、他のスタッフも学生が担当するわけですが、ただしかし、すべてに渡って学生だけ、ではなく、このように要所で職員、とりわけ、島﨑顧問のような、かつては本物のドラマを数えきれないほど創ってきた、超ベテランテクニカルディレクターが「やって見せる」ことも、もの凄く勉強になるのです。
 洗練された華麗なカメラワークを、どうぞご覧ください。
 
 
 そして、実際に撮影している映像が写っている動画がこちら。
 4画面マルチ映像は、左上に1カメ・右上に2カメ・左下に3カメの映像。そして、右下が、実際に選択されている映像が写っています。
 特に2カメは、島﨑顧問の映像。映像が揺らいでいるのは、カメラを移動させている時。
 次の「画」を決めるまでの「機敏さ」を中心に、じっくりとご覧ください。
 
 ※違うリハーサルの動画ですが、上の動画を先に再生し、聞こえてくるカウントダウンの声を聴いて下の動画を再生すると、大体のタイミングが合います。

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 さて、ドライリハーサルが終わると、次はサブコントロールルームで「技打ち」。技術打合せです。
 まずは、スタッフ各々の自己紹介から。左上の写真です。
 本来であれば、この段階で、どのカットをスタジオ内の4台から5台前後のどのカメラが担当するか、を決める作業、つまり、カメラ番号を入れていく事をするわけですけれど、そこは学校の授業ですからね。勉強のために、ディレクターの学生が、カメラ番号をあらかじめ決めています。
 ですからここでは、実際のドライリハーサルで出演者の動きなどを確認し、必要に応じて番号を修正したり、サイズやアングルなどのカメラワークを修正したりします。
 
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 そして次は、本番に向けたカメラリハーサルを開始。
 各スタッフも出演者も、リハーサルを何度か繰り返して、完成度を上げていくわけです。
 その合間にも、やはり、フロアーディレクターを担当する学生が、すぐに出演者に歩み寄って、ディレクターからのお願いなどを伝達。
 ディレクターの意図を理解したフロアーディレクターの適格な指示が、スムーズな進行に寄与します。左上の写真。
 美術セットの壁の上からマイクロフォンを向けているのも、放送芸術科の学生。
 現場に出てからはほとんどしない役割を負う。大切な経験ですよね。
 
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 そしていよいよ、本番開始。
 演技などに合わせて、カメラを切り替える役割も負うTD(テクニカルディレクター)はやはり、この実習授業では特に一段と大切な役割ですからね、ここはしっかり、島﨑顧問や職員が担当するのです。
  
 右下以降の3枚は、本番中の芝居の様子。登場人物は3名。女性2人に男性1一人。
 さあ、果たしてこの人間関係や、それがもたらす結末はいかに!
 ストーリーは、ご想像にお任せしましょうか(笑)。
 
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 もう本当に、凄く久しぶりになってしまいました。
 どれくらいか・・・というと、今年の1月8日・1月9日以来。
 放送芸術科を中心とした、スタジオ番組制作の「ドラマ実習」でございます。
 どうして、こんなに間が空いたのか、というとですね・・・・・いや、こんな事書いている場合ではない(苦笑)。
 どんどん、参りたいと思います。
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 この実習授業、ドラマ創りと通して、基本的には「制作」の仕事を経験したり学んだりするのですが、これ以外にも携われる事には携わる、ということでして、美術や小道具などの、装飾系の作業もこなします。
 左上の写真は、装飾前の美術セットの様子。
 部屋であることは解りますが、生活感がないですよね。これに、学生が持ち寄った装飾品を配置していきます。
 
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 カメラに大きく、あるいは何回も写る所だけではなくて、キッチン周りにも装飾を。左上の写真。
 それぞれが明瞭に写るわけではありませんけれど、「らしさ」を際立たせるには、必要な要素ですよね。
 そして、完成の状態が右上の写真です。
 
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 装飾の作業が終わると、いよいよ出演者が入り各々の紹介があり、ドライリハーサル。
 もちろん出演者も、放送芸術科の学生が担当。「出る側の気持ち」も経験するのです。
 演出(ディレクター)を担当する学生に、この授業のドラマ実習を担当する、ベテランTDの島﨑顧問がアドバイスをしながら、進めていきます。
 右上の写真、冷蔵庫の右の学生は、フロアディレクター。
 ドライリハーサルの合間に、すぐに出演者に近づいて話をしたり、演技で動かした小道具などを直しに行ったり・・・。
 これらを円滑に行うために、直近でスタンバイしているのです。
 

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島﨑顧問と、ディレクターを担当する学生。
「初めて」であることも「解らないことが沢山」であることも当たりまえ。学生ですからね。
その不安や緊張を少しでもマイルドにするべく
丁寧に指導が行われていくのです。

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 本校の「オープンキャンパス 体験入学」の場合、それは「もの造り」を体験することにほぼ等しいわけです。
 たとえば、「映像」とか「番組」というと、そのイメージはやや薄れますが、これらを「作品」と置き換えると、ピン!とくるでしょうか。
 そして、その次に体験する、つまり、体をもって頭をもって心をもって知ることは、学校の雰囲気・学生の気持ち。
 もの造りを通して、醍醐味を感じ、環境を知り、人を観る。
 そうすることで、参加者のみなさん一人一人が、1年後2年後の、この場での自分の活躍をイメージすることができる。すると「面白そうな学校だ」「入学してみたいな」と思うことができる。
 こういう「オープンキャンパス 体験入学」なのです。
 
 1枚目の写真は、放送技術科の体験コース、編集スタジオでの映像編集体験の様子。
 参加者の方1名につき、本校の在学生が1人。ペアーになって作業を進めていきますからね、解らなくても安心。丁寧にお教えいたします、はい。
 この日は、ややスペシャルな日でしたので、映像編集の後には、「Ustream」の特別講座と実演のコーナーも。
 ライブ動画配信の仕組みや、使用する機材の説明の後は、実際に世界中に向けて、番組を配信したのですよ。
 
 新年度は4月から、東放学園専門学校「オープンキャンパス 体験入学」が始まります。
 どうぞ遠慮なく、ドンドンお越し下さい!

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「スタジオ」という言葉を辞書で調べてみると・・・
1.画家・彫刻家などの仕事場
2.映画の撮影所・・・と続いて、4番目にようやく「ラジオ・テレビの放送室」と出てくるのですよね。
 我々は「スタジオ」というと、マッサキに思い浮かべるのはテレビスタジオですけれど、やはりこれは、歴史というか、世に登場した順番に起因しているのだろうな、と想像されるわけです。
 しかも、テレビより先に「ラジオ」と書かれていますし、「演奏所」と訳す事も多い。
 これだけを見ても、「映像より音声が先だった」と言うことを象徴としているのです。
 
 そして、「テレビ」だけで考えた場合、今でこそ、中継やENG(取材用カメラ)の環境がありますが、テレビの根本はスタジオ。
 なぜならば、当初は、容易に、外に持ち出せる大きさではなかったからです。
 
 ですから、当ブログも、どうしても、テレビスタジオでの光景が多め。実際には、多大な実習環境の1つでしかないのですけれどね。
 
 ・・・ということで、久しぶりに長い前置きとなって、そろそろ本文を終了するわけですが(苦笑)、写真は先日行われた「東放学園専門学校 オープンキャンパス 体験入学」放送技術科の様子。
 いろいろな機材を使用しての、参加者の方の真剣な表情を、まずはご覧いただきましょう。

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 シュートの作業が終わって、次はリハーサルへ。
 1枚目の写真。ステージの上に立って、メンバー同士で打合せをしているのは、実は、この実習授業に取り組んでいる照明クリエイティブ科の学生。
 そう、実は、照明を担当するスタッフとして「裏方」だけを担当するのではなく、出演者として「表舞台」にも登場するのです。
 まさに、脚光をあてる側、脚光を浴びる側、の両方を、経験するのです。
 スタッフとしてだけでも苦労はあるわけですし、出演者だけでも、それは同様。それを、同じ日に両方に対して打ち込むのですからね、凄いですよね。
 
 同じ環境下で、ほぼ同じ時間で、それらの両方を経験する、という事に、とても意味がある。それぞれの、お互いの「気持ち」が解るからです。
 ただ、照明だけをするのではない。そこに人や物の対象があって、そのために「照明」があるのですからね。しかも、就職してその環境に入れば、両方を身近に体験する、ということは滅多にできない。
 学生ならでは! なのです。
 
 合間を縫って、演目の1つである合唱の、伴奏を練習する学生を、手元明かりを当て続ける手伝いの学生。3枚目の写真です。
 見えていませんが、とても真剣に打ち込んでいることは、言うまでもありません。

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 シュートの作業。
 上の左右の写真を見比べていただくとお解りになるかと思いますけれど、左が「ビフォー」右が「アフター」。
 中央の2本の光の筋(ビーム)、近接していたものが右では離されて、バランス良くなりました。
 
 客席で見ているライティングディレクターからの指示だけではなくて、光がどこにどのように当たっているのか、を見る事で、それぞれが自主的にも行う事も。
 この「自主的な姿勢」こそが、大切なのですよね。

 それでは、シュートの様子をご覧いただきましょう。
 照明クリエイティブ科「舞台照明実習」です。
  
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 回路チェック・点灯チェックなどが終わると、次の作業は、「照明シュート」。
 ごく簡単に表現すれば、数多くある照明の灯体(ライト)の向きや、光の広がり具合を整えていく、という作業です。
 
 1枚目の写真。学生が手に持つ物は、当ブログでも、以前から紹介している「介錯棒(操作棒)」。
  
 このシュート作業、基本的には、客席からの、つまりお客様からの「見た目」を重視。
 テレビ収録が入る場合もありますけれど、まず、第一義的には、その場にいるお客様が、綺麗に素敵に観られるのかどうか、これがテーマ。
 ですから、それらの作業の指示を出すライティングディレクターは、客席の中から指示。2枚目の写真です。
 
 3枚目の写真は、その学生本人。
 言うまでもなく、ステージはかなり幅がありますしね、灯体の配置は3次元的ですから、常に中央から指示を出すのではなく、必要に応じて、客先の中を移動して、細かく指示を出していくのです。
 
 シュートに使用する器具は、介錯棒だけではなく「ローリングタワー」と呼ばれている機器も使用。4枚目の写真です。
 ステージの脇から撮影したものですが、下と上に見えている人の大きさを観ると、おおよその高さは推測できるでしょうか。
 ヘルメットを着用し、安全帯をしっかりと取り付けた、安全に配慮した作業ですが、さすがに上に昇るのは、授業を担当する、現場で活躍するプロのスタッフです。

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 今日は、まずは、電話で話をしているように見える写真から。
 しかし、このように両端が丸い、この形の受話器も、今となっては、結構ノスタルジーでしょうかね。
 手袋をはめて、真剣な表情で上を見ている様子。
 さて、見ている先には何があるのか、というと、2枚目の写真。
 
 実は、あるホールのステージ上でして、2月17日に続く、照明クリエイティブ科「舞台照明実習」です。
 
 灯体(ライト)と、電源を供給する回路と、照明調光卓とが、正確にリンクしているかどうかをチェックしているところ。
 照明調光卓が、ステージから離れた所にあるので、電話と同じような機能を持つ「インカム」を使って、連絡を取り合いながらの作業となるわけです。
 
 さらに、その照明調光卓はどこにあるのか、というと、3枚目の写真。
 手前側に、ステージ上で受話器を持つ学生、そのやや左奥に、蛍光灯に照らされている細長い部屋が見ていますね。
 ここが、「照明調光室」。ほとんどのホールでは、ステージや客席に対して、この位置にあるのですが、お客様が入る時間になると、暗くなり目立たなくなるので、気がつかないですよね。
 
 4枚目の写真が、その調光卓と、回路チェックに勤しんでいる学生。
 黒いツマミのような物が見えますけれど、このレバーを向かって左側に倒すと点灯する、という仕組みです。

光で演出する

2012年3月21日 学校の様々

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「光の演出性」と言う言葉、たまに耳にしますよね。
 1つの映像的描写でも、光の当て方、その色の使い方によっては違って見える、真反対の意味や情景に感じることさえある、ということ。
 まあ、このように言葉で表現すると、解りづらいですよね。
 そこで、上の左右2枚の写真を、見比べていただきましょう。
 
 美術セットの全景の写真。左は、スタジオ全体を均一に照らす、作業用の照明。
 それに対して、右が、演出的意図を含んだ、撮影用の照明。
 いづれも、この写真の撮影後に、色を変えたものではありませんが、かなり、違って見えますよね。
 個性豊かな、幻想的な美術セットが、強調されて、一段と「それらしく」観えています。
 これが照明の力なのですね。
  
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 2段目の右の写真。校舎の屋外を撮影したものですが、ここにも、撮影用の照明が。
 これは、校舎内のあるスペースのガラスに、外側から、照明を当てている様子。
 外からの光を、一層際立たせるための照明。
 ここにも、「らしさの表現」という照明的な「光の演出」が伴うのです。
 
 沢尻エリカさん主演の、この夏公開の映画「へルタースケルター」撮影中の様子です。

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「学業成果の発表の場」というと、うーん、そうですね、確かにその通りですけれど。
どちらかと言えば、「熱心さ・根気」あるいは「真剣さが表れている場」
・・・とした方が、似合っていると感じます。
 
東放学園専門学校 テレビ美術科
「卒業制作展」

 
3月25日(日曜日)まで、開催中です。 
ぜひ!! お越し下さい。

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 トータルで三日間に及んだロケーション、そして今回のスタジオでの撮影と続き、いよいよ、ドラマの収録も大詰め。
 上の写真左は、サブコントロールルームのスタッフ。手前から、ディレクター・タイムキーパー(記録)そして、奥には音声(ミキサー)と並びます。
「見守っています」という言葉、まるで常套句的に使う事も少なくないわけですけれど、特にディレクターの表情は、正真正銘の「見守り」でしょうね。ミキシングを担当する2人も含め、真剣さも緊張感も、非常に伝わってきます。
 
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 そしてこちらは、スタジオフロア。右の写真は、「マイクロフォンブームドリー」を操作するフロア音声の学生でして、左手で操るダイヤルの先には、ガンマイクが取り付けられています。
 暗くて解りづらい写真で恐縮なのですが、純粋にカッコ良い!と感じますね。何よりも、その真剣さの気持ちが、素敵なのです。
 

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こうして撮影は全て終わり。「クランクアップ」を迎えました。
最後は、関わった学生・職員なども含めて、集合写真の撮影。
楽しそうな表情も、沢山見えますけれど、
記念写真というよりかは、この作品に手向けた、責任感の表明。
「私たちが責任を持って、しっかりと作りました。よろしくお願いします」
と、言うことなのです。
けれどもしかし、素敵な写真ですよね〜。

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2月15日に続いて「ドラマ制作」スタジオ収録の様子。
 ちなみに、何度かお伝えさせていただいていますが、左下のカテゴリー「ドラマ」を選んでいただくと、関係する記事が、まとまりますので、どうぞ、ご利用ください。
 
 さて、撮影もラストスパートに突入。写真はそれぞれ、カメラリハーサル中のカメラマン。言うまでもありませんが、もちろん、すべて学生です。
 そして、その姿は、まるで写真撮影用に、表情を作ってポーズを決めて・・・ではなく、ごく自然でリアルな姿。「凛々しさ」が伝わってきます。
 真剣に取り組む気持ちが、表情や格好を、そうさせるのですね。
 
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