2010年9月 のアーカイブ

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 久しぶりの4マルチ画面。引き続き、「スタジオ番組制作」の模様です。
 右上は、スタジオフロアで「インカム(インターカム)」の使用法を教わっているところ。言わば「携帯電話機」のようなもので、頭につけたり首に掛けたりするヘッドセットで、サブコントロールルームのスタッフや他のスタッフなどと、会話をするための大切な装置なんですね。
 右下は、ストップウォッチの使用法を説明してしる画面。これを使用するのは、サブコントロールルーム内の「TK(タイムキーパ)」で、時間の管理をするスタッフ。説明するものが小さいので、SONY製の「まめカム」で撮影し、大きなテレビモニターに映像を出して説明しているわけです。

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 「スタジオ番組制作」の模様、その2。テレビスタジオのサブコントロールルームの様子です。
 主に制作系(ディレクター・作家・マネージャーなど)を目指している学生に、サブコントロールルーム内での各技術スタッフは、どのような仕事をしているかを、担当の職員が説明。
 
「眼高手低」という言葉があります。具体的な手段や方策を伴わなくとも「実」を見極める観察眼や知識は持っている、という意味。学生にとって、大事な要素の1つかと思います。
 たとえ、やらずとも出来なくとも、まずは知識だけでも目的だけでも理解する。大勢で1つのものを作るという上で、必要なスタンスなんですよね。

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 さあ、いよいよ、後期の授業がスタート。
 久しぶりに大勢の学生と会いましたけれど、皆さん、元気そうでなによりです。
 特に1年生の後期は、さらに実習系の授業が増えて、いわゆる業界への階段を、ドンドン進んで行く感じで、頼もしい限り。

 主に制作系志望の学生が集まる「放送芸術科」1年生では、「スタジオ番組制作」という実習授業が始まりました。
 まずは、スタジオでの制作的仕事の基礎から、情報系番組からドラマや音楽番組までを学生自身が作っていく、という授業。スタジオワークのノウハウを経験していきます。
 

明日から後期

2010年9月26日 雑感

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 いきなり、この写真の場所はどこか、というと、東放学園専門学校本館2階のロビー。
 本校舎となってから、教室であったり職員室の一部であったり、その時の環境に合わせるように姿を変えてきた所。
 今では、「オートマチック スーパーデリス ampm」も出店。学生が集い、話し合ったり食事をしたりするラウンジとなっています。
 
 この2ヶ月の間、可能な限り、大勢の学生、そしてその実習風景を紹介してきましたが、これら以外にも「制作ゼミ 音楽」「制作ゼミ 情報」「演劇照明実習」「美術番組現場実習」などなど、多くの実習系授業が実施されました。
 
 様々な学科の学生達が、いろいろな場所で活躍していた中、比較的ひっそりとしていたこの場所も、明日からは再び、沢山の学生が集まる憩いの場となります。
 

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 同じように見える写真で恐縮ですが、これは昨日行われた、東放学園キャリアサポートセンター主催のセミナー「3D立体映像とエンターテインメントビジネス」の模様です。
 次世代というよりかは、目前というか、むしろ新しい表現方法として取り入れ始めている「3D」の原理や撮影・編集方法、そして今後の可能性が、テーマ。

 対象は、本校の卒業生・技術プロダクションなどの放送・メディア業界の一線で活躍されている方々、それに在学生と教職員。あらかじめ会場に用意していた椅子だけでは足りなくなるほどの参加者でした。写真では見づらいのですが、主に前の方を陣取って座っているのが、放送技術科や照明クリエイティブ科などの学生達。

 講師は、(株)ビジュアルコミュニケーションズ代表取締役 小山様を始めとして、パナソニック(株)・パナソニック映像(株)の方々。

 実際のコンテンツ3つを鑑賞させてもらったり、一体型二眼式のHD3Dカメラレコーダー「AG-3DA1」のデモンストレーションのコーナーがあったりと、充実した、そして勉強になったセミナーでした。

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 今回の映像協力の現場は、なんと「六本木ヒルズ」の49階。アカデミーヒルズ内のホールです。
 写真は49階からの撮影。もっとも上にある「スカイデッキ」が海抜270メートルだそうですから、おそらく230メートルはあるでしょうか。写真中央の東京タワーを横に見る高さ。奥にはお台場や東京湾が広がっています。
 
 このイベントは、グループ校の専門学校東京アナウンス学院が主催する「星誕オーディション」。いわゆる出演側の人材を創出する学校で、最近では、柳原 可奈子さんが卒業生。その他にも沢山の卒業生が、芸能人・有名人としてメディアで活躍しています。
 このオーディションでは、タレント事務所の方々を招いて、その道を志す学生を見てもらおうという、大切なチャンスの場。本校の放送技術科では、ステージの背後にあるお客様用の大型ディスプレイに、テレビカメラを通した学生達を、1人ずつご覧いただくための、映像送出を担当しました。

 ホール内の一角に、映像ベースを仮設。基本的に、このベースのシステムを考え、構築するのは「ビデオエンジニア」の学生が担当していますが、他のカメラマン志望の学生なども、一緒に手伝っています。その知識は、参加する学生の大勢が持っている、ということ。(写真2枚目)
 
 開場して間もない様子。いわゆるタレント事務所あるいは関連する業界の方々が続々と。広い会場に並べられた沢山の椅子を満たすほどの、かなり大勢のお客様がいらっしゃいました。
 会場内のカメラは、合計4台。
 最後部の中央(写真左)には、出演者の学生を正面から撮影するための、高さ違いのカメラを2台設置。全身と顔のアップに近いサイズを同時に撮影。(写真3枚目)
 
 会場での撤収が完了してから搬出までの休憩時間。ずっと閉めていたブラインドを開けて、スタッフの学生達が夜景の観察と写真撮影。
 滅多に見られない風景、ということもありますが、映像系のスタッフを志す放送技術科の学生としては、目に入る沢山のいろいろな事に対して、興味を持って観察する、ということは、大事。(写真4枚目)
  
 
 
 そして、その光景。
 右に縦方向に見えているのは、「六本木通り」とその上の「首都高速渋谷線」。
 
 太陽に照らされていると、平板に無機質に見える風景。
 大きな光源がなくなり、「いとなみ」のための1つ1つの光が見えてくると、人や生活を包容する「いきいき」とした街並みが、そこに広がります。
 
 

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 コンサートが行われるライブホール「STUDIO Dee」は、地下2階。レコーディングルームは、地上2階。
 いわゆるホットラインにあたる「クリアーカム」を使用して、出演者用のモニターミキサーやお客様用のハウスミキサーと共に、回線チェックを進めていきます。
  
 
 先生は観察したり、「ここぞ」という時にアドバイスをしたり手助けをしてあげたりする係。
 学生が手際良く作業を担当。幅2メートルを超える大きなミキシングコンソールを使いこなす姿は、カッコ良いですね。

 
 
 
 一方、ステージの照明は、東放学園専門学校照明クリエイティブ科の学生が担当。
 放送技術科の「映像チーム」は、ほとんどの場合、学校で所有している機材を持ち込んで、それを駆使して映像作品を作り上げていくわけですが、特に照明を操作する照明卓は、各会場で設備されている機材を使用する場合も。
 少しだけ学習すると、すぐに使えるようになるのは、きっと、日頃の経験や学習によるものなのでしょう。
 
 照明卓とオペレーターを背後から。
 照明卓の上に置いているものは、歌詞と照明シーンが書かれたノート。
 あらかじめ曲を聞いて、この歌詞の部分はこの照明、この小節このメロディの時はこの照明、というふうに、照明をデザイン。そのノートを見ながら、曲を聞きながら、色や明るさを変えていく、という仕事です。
 
 
 最後は、出演していただいたアーティストと、関わった学生全員で集合写真。
 学生達、良い経験、良い想い出になるでしょう。
 

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 前回紹介した、東放学園音響専門学校 音響技術科PAコースの卒業制作を映像収録する「イベントゼミ」。
 リハーサル中のカメラマンを、背後から撮影したものです。
 耳にヘッドフォンのようなものを付けていますが、これはインカムの一種で「クリアーカムシステム」のヘッドセット。通常のインカムの電話並みの音質を向上し、たとえば、テクニカルディレクターなどからの指示を聞こえやすくなるように、設計されているものなんです。ライブコンサートのように、客向けに大きな音を出している環境では、必需品。
 
 2枚前の写真。学生が収録システムを組み上げた、仮設の映像・音声収録ベース。
 左奥には、前回、動画で紹介したテクニカルディレクター、手前には収録VTR機器を管理するVTRの担当者などが、作業をしています。そして、写真右手前には、収録音声用のポータブルミキサーも。
 今回の、VTRテープへの収録音声は、録音担当の学生が作り上げた音を貰って、そのまま記録しています。
 
 3枚目の写真。その収録音声を作り上げている場所である、「レコーディングルーム」。こちらも、学生主体で作業が進められています。
 その学生達が向かっているのが、音声のレコーディングするための、大きなミキシングコンソール。通称「ミキサー」。ツマミやボタンは、数えきれないほど沢山って、それらを駆使して、「良い音」を作り上げています。
 この担当は、東放学園音響専門学校、音響技術科の学生。
 


 
 今回は、久しぶりの動画のご紹介です。
 東放学園専門学校のグループ校、東放学園音響専門学校では、音響技術科PAコースの実習授業「卒業制作」が行われました。場所は、同じくグループ校の東放学園映画専門学校の地下にある「STUDIO Dee」というライブホール。何だか学校名いっぱいですけれど(笑)。
 
 詳細は次回にさせていただくとして、要するにこの動画は何か、というと、コンサートライブの模様を収録している「映像ベース」のスイッチャー付近を撮影したもの。
 映像(カメラ)の切替えを担当しているのは、もちろん、本校の放送技術科の学生。楽曲に合わせて、アドリブ(即興)で映像を切り替えていきます。撮影しているカメラは5台。単独で収録される1台を除いて4つの映像を切り替えて、後に編集作業を経て作品にする、というもの。
 「どのようなセオリーで切替えていくか」という説明は、ここでは書ききれないので、割愛させていただきますが、音楽にノラないと適切な切替えができない、ということは、言うまでもありません。

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 さて、久しぶりに「オープンキャンパス 体験入学」の模様を。テレビスタジオでの体験、クレーンカメラを操っているのは参加者の方。

 クレーンカメラというと、スタジオでの一般的なカメラである「スタンダードカメラ」に比べれば難しいですし、操作範囲も大きいのですが、そこは、2人の在学生がついて、しっかりとフォロー。危なくありませんし、ちゃんとクレーンカメラマン、体験できます。
 高価だから触らせない、という発想は持たない学校。可能な限り触れて練習してもらう、というのが学校の大事なスタンスの1つ。
 それは、体験参加者の方に対しても同様、というわけです。

 ちなみに、久しぶりなのは、「体験入学」ではなくて、ここでの紹介が、です(苦笑)。
 これからも、「オープンキャンパス 体験入学」は実施されます。ぜひ、お越し下さい。

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 先日の9/12の投稿でお伝えした通り、東放学園専門学校放送技術科では、実習授業「コンサート中継実習」で、映像・音声を収録。収録音声用にミキサーを持ち込み、ミキシングを担当していますが、今回のコンサート制作では、他に「モニターミキサー」と「ハウスミキサー」を持ち込み、東放学園音響専門学校 音響技術科の学生が、ミキシングをしています。

 まずは、「モニターミキサー」。
 ステージ上の演奏者には、それぞれに前や後ろに設置されたスピーカーから、自分が歌ったり演奏している音や、他の演奏者からの音を出している。

 そこからの音の大きさやパランスを調整するのが、モニターミキサー。
 演奏者と頻繁にコンタクトをとるために、ステージサイド(ステージ上の脇)に設置。常に演奏者に向いてミキシングを行っている。
 
 ミキシングコンソールの写真。モニタースピーカーからの音は、演奏者の「演奏のしやすさ」を直接左右する。
 この機器、この手だけでなく、信頼関係も必要。物理的にも精神的にも、出演者に近い関係である。
 
 
 
 次は、「ハウスミキサー」。PAミキサーとも言う。
 こちらは、ステージの左右両サイドから客席に向かって設置されているスピーカーからの音をミキシング。つまりは、お客様に演奏者からの音を届ける、という仕事。
 だから、ステージの脇や裏ではなく、客席の中にそのままのすべてが置かれる。
 
 
 ステージ上のおよそ20本のマイクロフォンの音は、デジタル信号そして光の点滅に換えられて、ハウスミキサーに伝送。細く小さいディジットな信号は、このミキシングコンソールとスピーカーで、太く厚みもある、大きな音の振動に変えられる。
 
 
 
 
 
 ミキシングコンソール上の「フェーダーレバー」を操作する、学生の「手」。
 この手や指が、演奏者とお客様との間の「空気」を振るわし、動かす。

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 そして、いよいよ本番開始。

 調光卓とオペレーターを担当する学生の様子。
 割当てられている「フェーダーレバー」を操作して、色や明るさを変える。
 メロディーやその小節をきっかけに、照明に変化を与える。だから、まず「曲を覚える」ということも重要。
 
 
 ステージの模様をサイドから。
 このシーンでは、全体的に薄暗い中に、見せたいものだけを浮かび上がらせるという演出。
 左上から延びる光の筋は、ピンスポットのライトによるもの。
 「脚光を浴びる」という、言葉どおりの姿。
 
 
 
 その「脚光」を作りだしている、ピンスポットルーム。
 3式のスポットライトが設置されている。
 それぞれに、学生オペレーターがついている。
 このスタッフの高揚した気持ちが光となって、出演者に鋭く降りる。
 
 
 
 スポットライトを上から。
 写真手前側に、光源。先には収光のためのレンズ。
 その中央付近に、操作レバーを持つ手が見える。
 出演者への脚光は、この「手」にかかっている。
 
 
 
 
 続けて、スポットライトを右側から。
 光源の軸に顔を近づけての操作。こうして、より主体的に、スポットライトと一体化する。
 2000Wのライトは、電気ストーブ2台分以上の消費電力。ライト全体が、熱い。
 火傷を防止するためのタオルは、欠かせない。
 
 
 
 ステージのロングショット。
 出演者のそれぞれが、燃える光を放っているように見える。
 これらのすべては、偶然ではなく、あえて、狙って、人によって作りだされるもの。
 それが鋭く的を射るとき、出演者と観客、そしてスタッフが、演出という固まりになり、一体化する。
 
 
 

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 先日の映像編に続き、今回は照明編を。照明は、「照明クリエイティブ科」の2年生が担当しています。

 普通は上にあって舞台などを照らしている照明の灯体。その沢山を吊り下げている「照明バトン」は、すべて下に降ろすことが可能。
 あらかじめデザインされた照明プラン用に、必要な灯体を適切な場所に設置する作業。
 
 
 灯体の前に、様々な色を入れるための「フィルター」を取り付けたり、光の向きの大まかな角度を調整したりしている。
 さすが2年生、作業に慣れていてサクサクと進めていく。手際の良さは、見ていて気持ちが良い。
 
 
 
 配線や設定を終えた後、電源を投入し点灯させて、細かな角度などを調整。床の「どの位置に当てるか」で、適切かどうかを見る。
 照明バトンが降りた状態でのこの作業は、実際の上がった位置での照らされ方を想像することが必要。
 
 
 
 いよいよ、リハーサル開始。写真は、ステージサイドから。
 「煙っている」ように見えるのは、光の筋「ビーム」を出すために、意図的に噴出されている「スモーク」によるもの。
 
 
 
 
 そのスモークを作りだしている「スモークマシーン」。
 この煙は、もちろん、人体や機器に害を与えない、専用の液体から作られるもの。
 ここから出されるスモークが、空間に融合され隠れている光や色を、見える姿に取り出し、そして表現する。

 次回に続きます。
 

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 定常的授業期間外の9月。今までもお伝えしている通り、沢山の短期集中的実習授業があります。
 今回紹介するのは、本校の放送技術科・照明クリエイティブ科、そして東放学園音響専門学校 音響技術科の3学科合同で、コンサートライブを製作する実習授業。
 まずは、映像編、放送技術科2年生の「コンサート中継実習」です。
   
 1枚目の写真。編集マン志望で、すでに編集業務の会社から内定をいただいている学生。
 この授業では、収録後の編集作業を担当することになっているが、本番までの空き時間を利用して、カメラの練習。
 まるで今までに何回も経験しているよう。「サマ」になっている。
 
 2枚目の写真。本番前に、収録用の音声ミキサーの調整や設定を行っている、カメラマン志望の学生。
 一日2回本番の前半を収録ミキサーを、後半にカメラマンを担当する。
 上の写真の学生同様、本来の志望ではない、携わることの少ない事を経験。いずれにしても、他のスタッフの仕事や、そのスタッフの気持ちを知る、という上で、大切なことである。
 
 本番中の、仮設映像製作収録ベース。3枚目の写真。
 手前から、映像を切り替える「テクニカルディレクター」、カメラズームレンズのアイリス(絞り:透過光量を調整する羽)を調整する「ビデオエンジニア」。収録VTRの映像音声をチェックし続ける「VTRスタッフ」・・・と並ぶ。
 
 
 4枚目の写真、本番中のレールドリーカメラマンとアシスタント。
 移動しながらのカメラワークが多いこのカメラは、レールドリーを押し引きするアシスタントの技量に依存している。 
 意思疎通によって達成されるコンビプレイが、大変重要である。
 
 (次回は、照明クリエイティブ科による「照明編」、さらに、音響技術科による「音響編」と続きます。