2013年4月 のアーカイブ
上の写真が、当初のデザイン図。
ディレクターからのオーダーや、番組の構成・演出に即した形で、第一考として作られたものです。
そして、下の写真が、それを元に実際に建てられた美術セット。
単純に比較すると、実際の方が、ややシンプルな印象を受けなくもないですけれど
テイストはそのままに、作業にかかる時間やコスト、建て込みのスムーズさなどを勘案して
吟味され、多少、変更されている部分があるという結果。
ですから、「簡略化」というよりは「洗練化」というのが正しいでしょう。
机上の構想を具現化して実現させるために、欠かせない吟味です。
と言うことで、2012年度「番組制作演習」の様子。
下の9面マルチ写真。例によって、クリックすると、かなり拡大表示されるので
ぜひ!そのようにしてご覧いただきたいわけですけれど
この美術セットの製作と建て込みなどに関わっている、テレビ美術科の学生
3ヶ月弱の間に、20番組の20美術セットをデザインして、製作して建て込み。
しかも、テレビ美術科2年生の全員が関わるわけでなないですからね
言うまでもなく、というか、簡単に表現できないほど
高密度の作業進行によって達成される、作品の数々なのです。
自然にしたり、強調したり
2013年4月29日 実習風景,照明クリエイティブ科
前回の「音声」では、大切なテーマの1つとして「自然に聴かせる音」とお伝えしましたけれど
今回は「照明」。こちらは「自然に見せる明かり」が、大切なテーマの1つ。
もちろん、「光」が演出というか、デザインとして生かされる場合もあって
すべてがそうであるわけではないですが、トーク・情報などの一般的な番組の場合は
特に意味がない限り、まずはその場で肉眼で観ている見え方と同じようにテレビに写す、ということ。
上の2枚の写真は、自然に見せるための照明。
左は、美術セット全体を、均一に明るくするための灯体を操作している様子。
美術セットが建った後は、灯体が吊らされている照明バトンが降ろせないですからね
下から、長い棒「介錯棒(操作棒)」を使って、向きの微調整をします。
一方、出演者に最も近い位置から照らす灯体が、いわゆる「キャスターライト」。
原稿等を置くテーブルに置いて、下から顔などを照らす目的。
それに対して、演出的照明が、下の2枚の写真。
左は、青白い色を放つ灯体の向きを変えている様子で、どのように照らすのかが右の写真。
番組の最後に、クイズの優勝者を照らすためのもので、言わば、優勝者限定ライトですからね
強調するために当てる範囲を狭くして、四角形にしているのです。
シリーズでお伝えしている、2012年度「番組制作演習」。
なぜ?昨年の?・・・とお思いの方、多いだろうと推測しますけれど、理由は・・・
昨年一部しか紹介できなかったから(しみじみ)。
大変単純な理由で、誠に恐縮でございます。
さて今回は、放送音響科の学生の活躍、音声について。
番組制作には、実に沢山の技術・スタッフが関わって作業を進めているわけですが
その中でも「音声」は、一番身近というか想像に容易いとは思います。
けれどもしかし、大方の予想に反して、実際の作業は、非常にデリケートで緻密でして
テレビの向こう側の視聴者に対して、あらゆる音を自然に聴いていただく、奥の深さがあるのです。
それらの音を収めるためのマイクロフォンは、何種類かあってですね
まずは、右上の写真で「ピンマイク」。
手にマイクロフォンを持つことなく、視聴者にその存在を目立たせることなく、収音します。
次に、下の写真。右から左に向かって、長い棒のような物を操作しているのが
「マイクロフォンブームドリー」。その先に付いている物が「ガンマイク」。
比較的遠距離であっても、棒状のマイクの、その先にある音を収めやすい性能を持ちます。
また、写真左の出演者に対して、下から向けられている細長い棒も、同じガンマイク。
これらもやはり、マイクロフォンを手に持たずとも、音を収めるための物。
口に近くない、持たせない、あまり目立たせない、けれどもしかし、音はしっかりと収める。
この重要命題を達成する事、そしてその巧みなテクニック。
すなわちこれが、「奥深さ」となるのです。
「お伝えして、お願いする」ということ。
もちろん、いわゆる制作の役割として、それは他にも数えきれないほどあるわけですけれど
これが、その種の役割の根底にある、非常に大切な仕事の1つかと思うのです。
だからこそ、ディレクターになる前の、アシスタントディレクター・フロアーディレクターでは
その業務を、数多く負う。
ディレクターになって、企画を考えたり構成・内容や意図などを考えて
それを出演者に伝えて、演出する。
これらに、繋がっていくわけです。
ということで、2012年度「番組制作演習」。
アシスタントディレクターやディレクターを担当する学生の
「人に伝える」と言う光景の数々を、ご紹介いたします。
どの写真も、大切であり自分の仕事であると、しっかりと自分自身に取り込んで
真剣に伝えようとする姿です。
(写真をクリックすると、拡大表示されます)
さて、次の動画をご覧いただく前に、まずは静止画で数多くの紹介でしてね
何しろ、当該の課題制作だけで12番組・12グループが取り組んでいたわけです。
すべてをご覧いただくのは難しいですか、その中でも沢山を紹介です。
今回の写真は、「位置決め」。
出演者や各技術スタッフが確認する中
ディレクターを担当する学生が、要領よく進行していきます。
上の写真、中央やや左に立って、台本を持っているのがディレクター。
左上の写真は、出演者の代行(代役)を担当している、アシスタントディレクター。
細かい立ち位置などは、わざわざ出演者の方にお願いする必要ありませんからね。
そして、それらに細かい指示を出しているのが、ディレクター。右上の写真。
出演者の進行上の動きを容易にするため
また、カメラワークやライティング上などでは、欠かせないのでして
これを失敗すると、スムーズな制作が難しくなってしまうのです。
「位置決め」というと、その事自体は難しく感じないですけれど
もの凄く奥が深い、大変重要な作業の1つです。
位置決めなどが終わると、少々の各所・各役割の手直しがあって
カメラリハーサル開始となります。
それではここで、最近アップが滞っていた動画をご覧いただきましょう。
今回と次回で紹介する動画は、2012年度の「番組制作演習」の様子。
この授業をごく簡単に説明すると、東放学園専門学校の全学科の2年生が参加して
およそ3ヶ月に渡り、番組制作・模擬放送を行う実習授業です。
今回の動画は、そのカメラリハーサル直前の様子。
出演者に説明するフロアーディレクター、そして出演者にピンマイクを付けているフロアー音声
その背後で、細かく修正を行っている、照明や美術のスタッフなど。
もちろん、ここに写るのは、全員が学生です。
ちなみに、この慌ただしさは、まるで現場の本物と同様。
各スタッフが、真剣に、あるいは合理的に仕事をこなそうとすれば
こうなるのが、むしろ必然なわけですね。
「面白そう」なのは間違いない
2013年4月22日 学校の様々
ここ数日間、昨年度の、少し前の授業の様子を紹介していましたが
先週から、2013年度の授業、既に開講しているわけでございます。
そして、実習授業多めでお伝えしている中、今回は、「座学」。
いや、「ザ!学!」というイメージに近いでしょう。まあ、1/3はダジャレですけれど(笑)。
紹介する授業は、ある学科のある学年のある授業「◯◯◯◯論」。
今後を考慮して、ネタバレになると面白くないですからね、謹んで内緒にさせていただきますが
いくつかのグループに分かれて、何らかの紙を覗き込んでペンを持って
積極的に手を挙げる学生もいて、そして、笑いもあり、真剣な表情もあり。
実は、この内容のテーマは、学生へも特に告げられぬことなく進行するのですが
最後に、目的や意義・理由が、担当講師より享受。
それらを拝聴し「いや〜、・・・なるほど!」と、強く感じたしだいでございます。
放送芸術科の実習授業「スタジオ番組制作」の最終課題、音楽番組制作。
シリーズの最後は、カメラマンを担当した学生達の様子です。
お伝えしている通り、この実習は放送芸術科の授業。
この授業の今までの課題によっては
放送芸術科の学生自らが、カメラマンを担当するということもありましたけれど
さすがに音楽番組のカメラワークとなると、相応のテクニックが必要ですしね
ディレクターを担当する放送芸術科の学生が要求するカメラワークを
しっかりと実現してあげなければならない。
ということから、放送技術科の1年・2年の学生、そして
長年に渡り現場で活躍してきた、本校の倉谷顧問や担当職員などで
交代して、音楽番組全16作品のカメラマンを、担当しました。
写真をご覧いただければ、多言は無用でしょうね。
気持ちが表情に、そして姿勢に、にじみ出ているのです。
カメラリハーサルなどを終えた後は、いよいよ本番。
「終えた後」と書きましたけれど、各々の作業終了を待って・・・ではなくて
各グループ共に制限時間があってですね、時間になると始まる、つまりは「生放送」形式。
「ただやる」だけではなくて「効率良く進める」という力も、求められるわけです。
そして、出演者を担当するのも、グループ違いではありますが、同じ学科の学生達。
美術も担当して、もちろん制作全般の勉強もして、出演者も経験。
ミクロでコアな「何かだけ」ではなくて、非常に多元的に、制作を体得していきます。
特に、前回紹介したフロアディレクターは、出演者に直接する仕事も担当しますからね
出演者という立場を経験すると、フロアディレクターに対して
「何かを望む」場面というものが、当然出現するのでして
この「望む」が、今後そして将来に役立つ気持ちに繋がります。
そして、下の2枚の写真。
この2人の衣装の一部は、ナント!!スタッフの学生による手造りなのだそうで。
こうなると、出演者の学生も、気合いが入るでしょうね。
美術・衣装・ディレクターなどなど
威力を発揮する方法や手段というのは、沢山あるわけですが
いずれも共通しているのは、「大切な経験」である、という事。
放送芸術科には、大別すると
ディレクター・作家・タイムキーパー・マネージャーを志す学生で構成されていて
日頃、勉強に経験に勤しんでいるわけです。
たとえば、ディレクターとマネージャーは、仕事の手段も関わり方という観点では、随分と違いますが
より良い演出を遂げること、そのために出て演ずる俳優やタレントの方々のマネージメントですから
目的は、ほぼ共通していて、すなわちそれは「より良い作品を創る事」にあるわけです。
この実習は、放送芸術科1年生が全員履修する授業としているのは、そのため。
志望違いの全員が、番組制作に必要な知識や手段を体得しよう、ということのです。
今回は、その中の「フロアディレクター・アシスタントディレクター」を担当する学生を。
左上の写真は、ディレクターとフロアディレクター、担当職員との打合せ中の様子。
番組内で使用する物の配置や見せ方など、より良く見せるための吟味です。
右上の写真は、技術打合せ中の様子。
ディレクターをフォローするように
同じく番組内で使用する「フリップ」を、カメラマンなどのスタッフに見せている様子です。
前回に続いて、「スタジオ番組制作 音楽番組」。
上の写真は、カメラリハーサル中の、サブコントロールルーム。
全20式のテレビモニターのうち、今回は使用するものしか映像が出ていませんけれど
全面に見えるのが、モニターウォール。
それに向かっているスタッフは、左下の写真。
手前から、TD(テクニカルディレクター)・ディレクター
その左には、TK(タイムキーパー)と、フォローする職員と、音声のミキサーを担当する職員です。
通常、サブコントロールルーム(サブ)で仕事に従事する、制作系のスタッフとは
数多くのスタッフの頂点に立つ、ディレクターのみであることがほとんど。
けれどもしかし、この授業は少々違いましてですね
解りづらい写真で恐縮ですけれど
出演者の名前や歌詞など、画面上の文字情報を送出するCG(TELOP)のスタッフ、左下の写真
そして、BGMや歌の部分の楽曲を送出するSE(サウンドエフェクト)のスタッフ、右下の写真
これらも、技術系ではない放送芸術科の学生が担当。
本来の志望職種ではない、様々なスタッフの仕事にチャレンジすることで
各スタッフの役割を理解して、視野を広げる事に繋がるのです。
あの〜、タイミングを逸したシリーズというわけではないのですけれど
まあ、それに準じた内容ということで(苦笑)。
「ドラマ」で終わっていた、放送芸術科1年生の「スタジオ番組制作」。
今年に入って1月には、最終課題の「音楽番組」に突入しました。
上の写真は、全16グループそれぞれの16作品の中の、あるグループの本番中の様子。
音楽番組と言っても、単純に歌手が歌うだけではなくて
司会者と出演者とのトークのコーナがあったり、バラエティー的なコーナーもあったり。
学生それぞれが、試行をこらして、番組内容を考えていきます。
そしてこの授業のハイレベルなところは
美術セットの細かな部分も放送芸術科の学生がデザインして、自ら、作っていくというところ。
まずは、それらの学生の活躍の模様を、ご覧いただきましょう。
少々説明させていただくと、上段中央と右の写真。
これは、歌手の立ち位置と、背景や美術セットとのバランスをとっている様子。
カメラ位置に立って、つまりはカメラ写りを気にしながら、調整していきます。
下段左の写真。これは、トークのコーナーで使用する紹介グッズのレイアウトを決めている様子。
これも、ただ並べるだけではなくて、カメラ写りとその縦横比を考慮しながら、綺麗にカッコ良くです。
そして完成した美術セットが、下段中央と右の写真。
16パターンの美術セットがありましたが、寒色系と暖色系のデザインを代表して、2つを紹介です。