2011年1月 のアーカイブ

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 1月27日のブログでも紹介させていただきましたが、ミュージシャンとしても俳優としても、幅広く活躍されている「つるの剛士」さんと、その後ろの大きな「鶴」と学生・職員・ティーチングアシスタントが共に写っている「おっ!何だ?どうして?」という、1枚目の写真。
 
 2枚目の写真をご覧いただくと、お解りになる方も多いでしょう。
 実は、つるの剛士さんの背後に写っていた、大きな「鶴」。実はこれは、東放学園専門学校 テレビ美術科の学生達による作品なのです。
 
 昨年の10月27日からスタートした、つるの剛士さんのライブコンサートツアー「ツるーリング2010」。このファイナルステージとして、年明けの本年1月8日、日本武道館で「ドリームジャンボ つるの祭り」が、華々しく開催されました。
 このコンサートの冒頭と最後の曲で、つるの剛士さんが愛用している「ポケバイ」と共に、この大きな「鶴」が登場。この鶴を、学生が製作したわけです。
 製作に使用する材料や工程、そしてデザインまでを学生が考えて作業がスタート。
 
 3枚目の写真は、ちょうど、翼にあたる部分の加工中。
 材料には、発泡スチロールを使用。削る際に出て、そしてあちらこちらは舞い散る「発泡スチロールの粉」に、学生は時に全身真っ白になりながら、頑張ったそうです。
 皆さんも経験あると思うのですけれど、発泡スチロールの細かい粒って、タチワルイですしね(苦笑)。リアルな鶴の複製を作るわけでもないですし、武道館のお客様の遠目でも解りやすい鶴に育てないといけないのですから、デザインも苦労したでしょう。

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 引き続き「テレビ照明実習1」のドラマ照明に関する実習授業です。
 1枚目の写真よく見ると、美術セットに向かって白い板のようなものが付いていますね。これは「カポック」という照明に関わる道具の1つ。およそタタミ一畳分の大きさの、発泡スチロールです。
 
 テレビカメラ(デジカメ等も含む)は、人間の眼の見え方に比較して、明るい物はさらに明るく、暗いものはさらに暗く見える性質があります。ということは、場合によっては、照明を直接当てると、明る過ぎたり影がキツくなったりして、我々が普段見ているような自然な光景にはならないのです。
 そこで、カポックに照明を当てて、その反射光を使って照らす、という方法が有効になるわけです。ある程度の光量は、カポックを透過して逃げていきますし、光っている面積が広いので、拡散される光の量も多くなるからですね。
 
 2枚目の写真は、学生による「照明シュート」中の様子。カポックの向きや、それに光を当てる灯体の向きなどを調整しています。
 
 それが終わった後は、カポックによってマイルドになった光が、どの程度の明るさをもたらしているか、の確認。
 色と同じように明るさも、人によって感じ方が違うので、明るさを数値化してくれる「照度計」という機器を使って、明るさの確認をします。
 3枚目の写真、中央に写る学生が手に持っている物が、照度計です。

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 何かの写真や動画を見た時、そこに直接的に時間を表現する物が無くても、「何となく朝っぽい」とか「何となく昼っぽい」と感じる事、ありますよね。
 たとえば「光」。朝9時頃の、屋内への陽の差し込み方と昼1時頃のそれとは違う。太陽の高度によって、たとえば、昼過ぎよりも朝の方が、部屋の奥まで陽が差し込みますね。
  
 前置きが長くなりましたが、照明クリエイティブ科1年生の実習授業「テレビ照明実習1」。
 太陽に相当する灯体(ライト)を窓の外に置いて、その位置、そして光の角度による見え方・感じ方の違いの説明を行っているところです。
 
 2枚目の写真、ちょうど今の季節の朝9時前くらいでしょうか。強くなった太陽光が部屋の中に入っている様子。正面の棚から右奥にあるキッチンの下方までが陽当りの範囲ですね。
 
 3枚目、この色(光源の色温度)からして解りやすく「夕方」。地平線近い太陽の光が、部屋の奥まで積極的に流れ込んでいます。空気の湿度が高い、まろやかな朝焼けとは違って、強い光でシャープ。 
 
 細かい話をすれば、もちろん、季節や天候・部屋の向きなどによっても変わりますし、日本などの「中緯度にある国」とそうでない国や地域によっても変わりますけれど。

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 さて、写真はおよそ1年前のブログ。始めの頃からご覧になっている方には、やや懐かしいデザインでしょうか。
 1年前といえば、東放学園専門学校のテレビジョンBスタジオ・映像設備を中心とした大改装「フルデジタル フルHD化更新」工事の初日。それに合わせて、工事の様子と変貌の模様、そして最新の機器などを紹介するブログとして開設。
「変身!」が終了してからは、学校全体 学生の様々をお伝えするブログへと変身(笑)。こうして、本校の初めてのオフィシャルブログがスタートしたわけです。 

 早いもので当ブログは今日で、開始からまる1年。ご覧になる方も随分と増えて、当初の予想を越えるアクセス数になっているようです。
 日頃から、東放学園専門学校に興味を持っていただき、ありがとうございます。

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 写真を見て、驚かれる方も多いと思いますけれど、写真はミュージシャンでもあり俳優でもある、「つるの剛士」さん。バラエティーにドラマに舞台にコンサートに・・・と、いろいろな分野で幅広く活躍されている方ですよね。まあ、詳細な説明は必要ないでしょう。
 そして、つるの剛士さんの後ろには、翼を広げた大きな「鶴」、さらにその後ろには、東放学園専門学校の学生、職員とティーチングアシスタントが。

 さて、この楽しそうな集合記念写真、なぜ撮影されたのか? つるの剛士さんとの関係性は何なのか? 
 このお答えは、後日に!


 
 前回お伝えした「オープンキャンパス 体験入学」、ドラマ収録用の美術セットでの音楽番組。今回は、本番中の様子を、美術セットの背後から撮影した動画を。歌の部分が終わり、MCが登場するシーンです。
 それほど珍しいアングルではないですけれど、「本番中の撮影」としては、あまりないでしょうか。部屋の壁の裏側から、「見切らない」ように撮影。(見切れ:意図しない、撮影するつもりでない物が写ってしまうこと)
 
 ほぼ正面に見えるスタジオカメラに灯る赤い光は、「TALLYランプ」。そのカメラが選択されて、放送されたり収録されたりしている事を表示するランプです。
 その右側で、白い画用紙のような物を掲げていますが、これは「カンペ」。本番中、発することができない声の代わりに、カンペを使って出演者に指示のアナウンスをするためのものです。体験入学の参加者とスタッフの学生が、並んで出しています。
 

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 最近の2週間くらいの、このブログを見た人にとっては、既に見慣れているドラマ用の美術セットの写真。しかし、よく見ると、普通のドラマでは考えられない、マイクロフォンを持った2人。しかも、背景の壁には、カラフルな模様も・・・。
 そう、実は昨年の12月12日に行った「オープンキャンパス 体験入学」は、「ドラマセットで歌う」がテーマ。
 
 ドラマの収録スタジオでの音楽番組というか「歌」というと、私は「ザ・ベストテン」。久米宏さんと黒柳徹子さんの司会(他の方が司会の場合もあり)で、1989年まで放送していた、TBSの音楽番組を思い浮かべます。
 この番組は、現在の「COUNT DOWN TV」的ランキング番組で、かつ「生放送」だったので、ランクインした歌手がドラマの収録中であれば、そのスタジオから「中継方式」で、歌を披露していた事もあったわけです。あ〜、懐かしい!
 
 話はちょっと逸れますけれど、「ザ・ベストテン」というと、歌手や歌唱を可能な限り「生」で伝えるために、ドラマ収録スタジオからの中継の他、コンサートライブの会場や移動中の電車内やそのホームからの中継での歌唱など、もの凄くパワフルであり、携わったスタッフの方々の苦労が伺える番組だったのです。

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 前回紹介したパッチの作業が終わると、設定した通りに、あるいは配線した通りに灯るかどうかをチェック。
 設定も配線も正しい・・・と色々確認をして、それでも点灯しない場合、それは「球切れ」している可能性が高いのです。そこで「球の交換」を。もちろん、学生自らが行います。
 この灯体は、棒状(ダブルエンド型)のハロゲン電球を使用していて、2つ1組。学生の手の奥に1つの電球が見えて、手前側の1つを交換している、というのが1枚目の写真。電球に手の油脂が付着すると、その部分が過剰加熱して破裂する場合があるので、比較的綺麗な軍手を使用しての交換です。
 
 準備が整うと、次は、授業を担当する講師の先生から、それぞの灯体や「当て方」に関しての詳細な説明がスタート。
 ただ、2枚目の写真のポイントは、脚立の足につけられている「軍手」。
 出演者が素足で上がるかも知れない、そして大切な美術セットの床を、汚したり傷をつけたりしないようにするための対策です。

(写真をクリックすると、拡大表示します)

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 前回よりお伝えしている、「ドラマの照明」実習は、照明クリエイティブ科1年生の「テレビ照明実習1」という授業です。
 
 たとえば、明るくしたり暗くしたり、というような各場面毎の各灯体の調光操作は、サブコントロールルームにある「照明調光卓」で。レバーが沢山並んでいて、この操作で明るさが変わるという仕組みです。
 それで、「それぞれのレバーに、どこの灯体の操作をさせるか」を割り当てる作業が「パッチ」。右手でテンキーのような物を操作している学生が見えますが、この学生が、2枚目の写真右上のディスプレイを見ながら、パッチの作業をしているわけです。
 
 家の電灯スイッチがそうであるように、1つで家中のすべてが明るくなるわけでもないですし、たとえば昼間の屋内、場所によって明るさも変わりますしね。ですから、この割当作業も、互いに離れた場所にある灯体を、1本のレバーにまとめたり、あるいは、近くにある灯体同士でも、あえて1つずつ分けたり、と、いろいろとノウハウが伴う作業です。

 その作業が終わると、3枚目の写真。どのフェーダーにその灯体を割り付けたのか、を書き込んでいるところ。たとえば「玄関」「ベランダ」や「壁当て」というふうに。

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「ドラマ」をテーマとした、各学科の実習授業を紹介していますが、放送芸術科での様子は一休みして、今回は、照明クリエイティブ科での様子を。
 
 本校のテレビスタジオの場合、「汎用パターン」的な、どの学科の授業でも過不足がないような、全体を均一に明るくする照明の基本パターンがあります。まずは、その基本を解除する作業。不必要な灯体(ライト)を撤去したり、ドラマセット用の灯体を取り付けたりして、準備を進行。
 通常、天井まで上がっている「照明バトン」(灯体を吊り下げる、専用のパイプ)を下げての作業です。
 
 既にドラマ用の美術セットが置かれている部分は、照明バトンは下まで降りません。従って、脚立を使っての作業。ヘルメットを被り、お互いに声をかけながら、安全に効率良く作業を進めていきます。

「寒さ」の表現は?

2011年1月21日 雑感

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「今年の冬は寒い」 テレビのニュースを見ていると、最近は頻繁に目にする話題ですよね。
 そこで今回は、その流れに相反するように・・・ということもなく、やはり寒いがテーマ(苦笑)。

 この「寒い」という現象を、直接的な「映像」として表現することは、なかなか難しいですよね。そもそも「寒い」とは感覚的なものだから、なのですけれど。だったら温度計の数字を見せれば良いのか、というと、これもそう簡単にはいきません。

 マイナス0.5℃でもマイナス2℃でも、それは比べれば後者の方が寒いのですが、それだけでは解りづらい。そこで、我々は、過去の経験と照らし合わせて、それぞれの寒さをトレースするわけです。「吐く息の白さの濃さは?」とか「頬(ほお)の痛さは?」というふうに。
 温度計の数字自体がそれを表現しているのではなく、「自分の経験」が感じ方の手助けをしている。だから、マイナス0.5℃もマイナス2℃も、それぞれの温度の経験がなければ、リアルに認識できないのです。
 
 2枚の写真は、都内の某所。斜面からの湧水が凍っている様子を撮影したもの。
 説明として「昨年はこんなには凍っていなかった」と言っても、それを知らない人にとっては、信憑性(しんぴょうせい)に欠けますね。昨年の同時期の写真や昨年の最大成長の姿を並べて、比較しやすいように表現しないと、見ている人は解らない。 
 つまり、この「比較」が、映像表現上、大切な要素の1つとなるわけです。
 
 で、話、長くなったのですけれど、今年の冬、寒いですよね〜(笑)。

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 ここ何回かお伝えしている放送芸術科1年の実習授業「スタジオ番組制作<ドラマ>」。
 それではここで、ドラマのストーリーと配役について、簡単に説明しておきましょう。
 
 登場人物は、サラリーマンを演じる「大輔」、大輔の恋人を演じる「恭子」と、大輔と親しい間柄の「美沙」、この男性1名と女性2名。
 具体的な間柄やキャラクター設定は、各グループ毎のディレクターの解釈によって、異なりますね。まあその、最近はね、そう簡単に割り切れない関係性もですね、あるかも知れませんしね〜(笑)。

 出演者は、各グループ毎に異なって、同じ放送芸術科の他のグループのメンバーに、出演を依頼する、という形。3枚の写真それぞれ、違うグループの出演者の方々、ということになります。

 簡単に言えばいわゆる「三角関係」。
風邪をひいて仕事を休んだ大輔。その大輔を気遣って買い物をして、大輔宅に訪れた、真面目で気立ての良い恭子。しかしそこには既に見知らぬ女性、やや軽めの性格で甘えん坊の美沙が・・・。
 
 キャラクターが真向対立する2人の女性との関係性を通して、悲惨な状況に追い込まれた大輔の心の葛藤、それぞれの「人間模様」を描いた、およそ3分のシナリオです。

 このストーリーを元に、各ディレクターが咀嚼(そしゃく)。それによって細かい演出を行っていく、という授業。ですから、それぞれの芝居も、その表現方法も、グループによって異なる、というわけです。

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 さて、ドライリハーサルが終わると、サブコントロールルームでは、「技術打合わせ」。ディレクターとTD(テクニカルディレクター)、そしてカメラマンを中心とした打合せです。1枚目の写真中央に写る男性が、このグループのディレクター。右にTDを担当する島﨑顧問。手前側にカメラマンが並んでいます。
 実際の現場では、ここで「どのカット(カメラワーク)をどのカメラが担当するか」ということを中心に進めていくものですが、学校での初めてのドラマ実習ということで、あらかじめディレクターが決めてきたカット割りを元に、それぞれのカットを確認したり修正したりしていく、という綿密な打合せ。TDを担当する職員が、適宜アドバイスをして内容を吟味していきます。
 
 その後は、スタンバイをして「カメラリハーサル」。ディレクターの意図したイメージを、実際の「形」に具体化させていく作業へと進みます。
 
 芝居が始まっておよそ30秒後の様子。3枚目の写真は、ドラマの美術セットに対して「上手(向かって右)」側から撮影している「3CAM」ごしから。
 ちょうど右上のテレビ画面(ビューファインダ)に、撮影している映像が見られますね。出演者の女性の1人が、部屋の様子を伺っている所です。
 (写真をクリックすると、拡大表示されます)

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 ドラマの紹介に戻って、テレビドラマの制作を学ぶ実習授業。引き続きドライリハーサルの様子を。
 
 1枚目の写真、中央に写っている学生が、このグループのディレクター。書くまでもないですけれど、真剣な表情。出演者それぞれの位置関係や動き、台詞と演技との関係、そして自分ならではの演出など、これ以外の事も含めて、見る事は沢山あるわけです。
 
 ドライリハーサルに関わるのは、ディレクターの他、カメラ・音声・照明・美術の各スタッフを始めとして、当然の事ながら関係するスタッフが大勢。現場の本物のドライリハーサルでも、おおよそ2枚目の写真に写る人数くらいにはなります。
 しかし、この授業のこの写真の場合は少し違う。後方でやや遠巻きに見ているのは、今後本番を迎えるグループの学生達なんです。つまりは「予習」。特にこの授業で、初めて目にすることばかりですから、予習はとても大事ですよね。