‘特別注文機器’ カテゴリーのアーカイブ
この写真も、「Welcome東放」中のもの。カメラ3台、カメラマン3人を横から。もちろん、全員学生スタッフです。
右手で触っているのは、レンズのフォーカスダイヤル(フォーカスデマンド)。ダイヤル自体は、カメラ本体カメラマン側についていますが、レンズと有機的に繋がっていて、電動式で遠隔操作しているわけです。
このフォーカスダイヤルの位置も、特別注文で改造設置してもらったもの。通常は、フリクションヘッドから専用の棒を出して、取り付けることが多いのですが、学生が触る・操作することで、無用な凹凸やケーブルを減らし、怪我を防止したり機器破損を避けたりするための対策。
ちなみに、このような「カメラヘッド埋め込みタイプ」は、放送局導入のカメラに、多い仕様です。
9問目のクイズです。
写真のスイッチBOXは、スタジオカメラ(スタンダードカメラ)のある場所に取り付けられています。
今回、東放学園専門学校では、特別注文で、このスイッチBOXとある機能を、搭載してもらいました。
さあ、この物体は、いったい、何のためにあるのでしょう。
下の選択肢より、選んでみましょう。
(A) ズームレンズの「マクロ機能(近い被写体にフォーカスを合わせたり撮影画面全体をボカしたりする機能)」を、電動リモコン式で操作するためのもの
(B) 雨の日も撮影できるように、ズームレンズの最前部に搭載しているワイパーを、電動リモコン式で操作するためのもの
(C) 実は、文字自体を白く光らせることができる、テレビカメラの側面部の「電照式東放学園ロゴ」を電動リモコン式に操作するためのもの
(D) 学生カメラマンの、「今日のハリキリ度」を設定し、各所のテレビモニターに表示する機能のスイッチ
(写真中、スイッチBOXに表示されている文字の一部を、クイズ用に消しています。ごめんなさい)
写真は、今回3式導入したスタジオカメラ(スタンダードカメラ)HDC 1000Rの2番(2CAM)。
この1式だけは、レンズを操作方式を2種類、選択できるものとしました。
操作方式1つ目は、「押し引き(一軸二操作)」の方式。1/31の記事でも、クイズの答えとして紹介しましたが、テレビカメラ用ズームレンズが開発され普及してから、日本全体で採用された方式。カメラ操作側からカメラ本体を貫通し、レンズに入っている「ズーマー棒」で、ズームとフォーカスの操作をします。これが2つ目の方式。
左手で持つ「パン棒」にズームの操作スイッチ、カメラ右側面手前にあって、右手で持つ「フォーカスダイヤル」で、フォーカスの操作をします。
以前も紹介した通り、「サーボ(モーターによる電機的操作)」の方式が増えて、徐々に主流になりつつありますが、まだ、押し引き操作のレンズ両方式があるため、両者の方式を持つ、兼用レンズとしたわけです。
写真左下のパン棒に、ズームのシーソースイッチ、「東放学園ロゴの青いTマーク」の左の丸いものが、フォーカスダイヤル。そして、そのフォーカスダイヤルのやや左斜め上、水色と白色のシールが貼られている銀色の丸いものが、押し引きの操作棒。
当然、兼用レンズの方が、やや高価ですが、ここは学校。他の多種多様な機器と違い、テレビカメラに関しては、学生さんが、どちらかの方式しか「知らない」「触ったことない」というわけにはいきません。
制作卓の前面向かって奥になる、VE(ビデオエンジニア)のスタッフが座る部分には、今回、特別注文をした機器が入りました。
VEがテレビカメラや各信号を調整するための、マスターテレビモニター(SONY製BVM-L231)の、セレクターパネル。
家庭用テレビの、入力切り替えボタンに相当するものになります。もちろん、1つや2つではなくて、スタジオ・サブコントロールルーム内の、すべての映像信号を選択することができる、「VEセレクターパネル」という名称の機器。
そもそも、カタログには載っていない「特注機器」ですし、特に、左側の6ボタンは、VEが作業をしやすくするために、図面から起こして、特別に製作してもらったもの。おそらく、世界中で、東放学園専門学校Bスタジオ・サブコントロールルームにしかない、組み合わせの機器になるはずです。