2010年3月 のアーカイブ
この写真も、前回の記事同様、サブコントロールルーム内のヒトコマ。今回は、本番中の音声のスタッフの写真です。
普段の生活において、「自然に聴こえること」とは、人間の耳の「聞き分ける能力」によって達成されている、といっても過言ではありません。限界はありますけれど、周囲がうるさくても、会話が成立するのは、そのため。
しかし、耳の代わりになる「マイク」は、そうはいかない。周囲の「ウルサさ」も、音の「小ささ」も、そのまま、反映してしまいます。
けれど、皆さんは、家でテレビを見ていて、スピーカから出てくる音に、不満を持ったことは、ほとんどないはず。これは、音声のスタッフが、もの凄くデリケートな仕事をしているから、に、他なりません。自然に聴こえるように、音を調整することは、難しい。映像と違って、見えないですしね。
音量を調整するレバーに手を置いての、真剣な表情。この写真は、「やらせ」でも何でもなくて、ごく自然に撮影したもの。真剣な表情が、「必然」なのです。
(ブログ掲載の許可を得ての撮影ですが、写真の転用はしないでください)
セットも生まれ変わり
2010年3月31日 雑感
今日は、午前中に、導入設備・機器のチェック。担当の方の説明を受けながら、当初の計画通りに、すべての機器等が収まっているかどうかを確認しました。
午後は、今回新調した、実習授業用のドラマセットの「建て込み」作業。
上の写真が、セットの土台になる「平台」を、スタジオフロアに敷き始めたところ。下は、ほぼ完成した状態です。
設定が、独身男性が住む、マンションの一室。さあ、果たして、右奥の玄関脇の扉の向こうには、どんな部屋があるのでしょうか。
HDTVになると、当然ながら、映像の解像度が増し高精細になるわけですけれど、その分、目立つのが、セットの汚れや傷など。ちょうど、良いタイミングで、新しいセットに生まれ変わりました。
BKS-R1617A(VE)
2010年3月30日 HD機材設備
SONY社製
マルチディスプレイコントロールユニット
BKS-R1617A
(VE卓部分の3式)
すべての映像(信号)ソースが入力されている、インテグレーテッドルーティングスイッチャ(IXS-6700)のリモートコントロールパネル。特定の出力先に、任意のソースを割り当てる機能をもつ、ビデオスイッチャーの一種。ディスプレイ中の各ソース(名称)は、各々のパネル(各ID)毎に、個別に設定できる。
(写真上段より)
ID:19
<4画面マルチ内に、映像ソースを割り当てるためのパネル>
オレンジ色に点灯する4つのボタンで、4画面のどの位置かを選択し、次いで、右側に並ぶ、緑色に点灯するボタンで、ソースを選択する
ID:20
<テレビカメラへのリターン(RET)信号を選択するパネル>
<ビデオタイマー機器に、映像ソースを割り当てるためのパネル>
両機能を兼用している。3種類あるRET信号とビデオタイマーの中で、どれにするかをオレンジ色点灯の4つのボタンで選択。次いで、右側に並ぶ、緑色に点灯するボタンで、ソースを選択する
ID:21
<モニターウォール中の32インチ汎用テレビモニターに、映像ソースを割り当てるためのパネル>
モニターウォールの左右にあるテレビモニターのどちらかを、オレンジ色点灯の2つのボタンで選択。ついで、右側に並ぶ、緑色に点灯するボタンで、ソースを選択する
(Q10)この機器の凄い機能とは?
2010年3月30日 クイズ
10問目のクイズです。
写真中、上段の全体的に黒色の機器。今回は、VTR音声のモニタリングをするための、アストロデザイン社製オーディオモニターです。
VU計(音声のレベル(音量)を針の振れで表示する装置)が、見られると思います。昔は、家庭用のラジカセにも搭載されていたのですが、最近は、ほとんど見かけなくなりました。
さて、ここで問題。
このオーディオモニターには、凄い、というか、意外、というか、便利な機能が備わっています。
その機能とは、いったい何でしょうか。下の選択肢から、正しいものを選んでみましょう。
(A) 実は、ラジオ放送も受信できる機能がある。しかも、ちょっとレアなAMステレオチューナー付き
(B) 使っている人の「気持ち」が伝わり、ボリュームを自動調整してくれる、人工知能付き
(C) 実は、液晶表示のVU計。他に、VTRの映像など、いろいろな表示が可能な、ディスプレイ付き
(D) 収録ミスの音声も、どうにか何とかしてくれる、魔法の機能。気が利く収録機能付き
続いて、スタジオフロアにある、マルチモニター(4画面マルチ)の写真。
4つに分けられた「小窓」には、それぞれ、カメラマンが撮影している画面が入っています。
これは、「その瞬間で何を撮っているのか」が、とても解りやすく表現できるので、Bスタジオが開設されたおよそ10年前から設置していました。ただ、スタジオの一カ所に、テレビモニターを4式並べての使用。
それが、今回は、システムを完全にデジタル化することで、サブコントロールやスタジオフロアのどこでも、4画面マルチ表示が可能ですし、誰でも簡単に4画面の中身も簡単に入れ替えれようになり、また、HD化し、画面も大型化したことで、かなり高画質で表示できるようになりました。こういうわけで、今回の「フルデジタル化フルHDTV化更新工事」で、大きな恩恵を受けた1つでもあります。
(前後の記事の写真を含め、被写体になっている本人の許可を得て撮影していますが、写真を転用しないようお願いします)
さて、引き続き、27日28日に開催されて「Welcome東放」の写真。
かなり暗い部屋のように感じると思いますが、実際はもう少し明るいです。テレビモニターの明るさに合わせて撮影したので、相対的に暗く写ります。「人の眼」は、暗い所でも明るい所でも、比較的それなりに、しっかりと見えますが、デジカメだと、そうはいきません。暗いものはかなり暗く、明るいものはかなり明るくなるのですね。
この特性は、テレビカメラでも一緒。そのために、照明のスタッフが丁寧に照明を作り、VE(ビデオエンジニア)のスタッフが、丁寧に映像を調整します。故に、たとえば、テレビドラマの夜のシーンでも、夜らしく、それなりにしっかりと出演者が見られる、と、こういうわけです。
写真のモニターウォール、テレビモニターそれぞれがサイズアップし、各々との隙間も減りました。こうして見ると、かなり迫力ありますね。
テレビモニターのすべてが液晶ディスプレイ。一部を除くほとんどが、アストロデザイン社の製品。
この写真も、「Welcome東放」中のもの。カメラ3台、カメラマン3人を横から。もちろん、全員学生スタッフです。
右手で触っているのは、レンズのフォーカスダイヤル(フォーカスデマンド)。ダイヤル自体は、カメラ本体カメラマン側についていますが、レンズと有機的に繋がっていて、電動式で遠隔操作しているわけです。
このフォーカスダイヤルの位置も、特別注文で改造設置してもらったもの。通常は、フリクションヘッドから専用の棒を出して、取り付けることが多いのですが、学生が触る・操作することで、無用な凹凸やケーブルを減らし、怪我を防止したり機器破損を避けたりするための対策。
ちなみに、このような「カメラヘッド埋め込みタイプ」は、放送局導入のカメラに、多い仕様です。
「Welcome東放」二日目
2010年3月28日 実習風景
今週発行された、放送業界紙「映像新聞」に、今回の工事と、映像システムや機器設備などが、紹介されました。映像新聞のWEBサイトのトップページ「http://www.eizoshimbun.com/」にも、写真付きで、掲げられています。ぜひ、ご覧ください。