2010年3月 のアーカイブ


 写真は、デジカメで、単純に、スタジオの風景を撮影したもののように見えますが、実は、スタジオを撮影しているテレビカメラの映像が出ている、アストロデザイン社製の8インチ液晶テレビモニターを「再撮」したものなんです。よく見ると、モアレ(再撮するときに、出やすいもの。液晶ディスプレイの影響ではない)のような縞や、天井の蛍光灯が、写真の左上に反射しているのが、解ると思います。
 しかししかし、綺麗ですね。一見、再撮とは見えないほど。しかも、商品出荷時からの保護シートがついている状態ですし、ブログ用に解像度を下げている写真ですから、実際には、さらに綺麗なはず。
 家のHD液晶テレビも、かなり綺麗ですが、放送業務用の、いわゆるプロ機は、一段と細かく緻密な再現をしています。


 7問目のクイズです。
 写真の「物体」、ややグロテスクというか、面白いというか、何とも言えない形をしていますよね。
 似たような色の機器は、今までの記事で、何度か掲載していますが・・・。
 これが、今回のクイズ。

 さて、この「物体」は、いったい、何のための、何という名称の機器でしょうか?
 下の選択肢から、正しいものを選んでみましょう。
 
 (A) クレーンカメラに搭載し、カメラを上下左右天地方向に転向させる、ローリングヘッド
 (B) ペデスタルドリーとスタジオカメラの間に搭載し、カメラを上下左右に転向させる、フリクションヘッド
 (C) カメラケーブルを、自動的にコンパクト・綺麗に巻いてくれる、ケーブル自動巻き取り器
 (D) サブコントロールルームで、スタッフが座る、「超高級椅子」の下部。チェアーベース


 写真は、先日来、紹介させていただいているIXS-6700をコントロールする、SONY製X-Yコントロールパネル「BKS-R3220」をクローズアップしたもの。
 右側に「SUTA」と表示されていますが、これは、放送芸術科1年生の実習である「スタジオ番組制作」という授業名の略。この授業の設定になっていますよ、という意味の表示です。
 任意のボタンを1つ1回押すだけで、モニターウォールに並んでいるテレビモニターの映像や各機器の名称などの割当などが、一斉に瞬時に切り替わります。
 表記は、ローマ字のスペリングにしてもらっています。間違いではありません(苦笑)。
ちなみに、この他に、「BANS」や「SYOU」という設定もあります。前者は、東放学園専門学校2年生全学科の合同授業「番組制作実習」、後者は、照明クリエイティブ科の「テレビ照明実習」の意味。


写真は、スイッチャーのコントロールパネル「CCP-8000」の接写。
設定を終えると、途端に輝きだしたり名前が降られたりすると、ちょっと大げさですが、「命が吹き込まれた」ような感じ、しませんか?
2/15の写真と見比べてもらうと解りやすいのですが、テレビカメラの選択ボタンの両脇は、ボタンの表面を外して、専用のカバーをつけてもらいました。この機器を使って映像を切り替える「テクニカルディレクター(またはスイッチャー)」は、ボタンを見ながらではなく、前面にあるカメラの映像等が映し出されるテレビモニターを見ながら、ボタンを押します。従って、押し間違えないように、指(手)のホームポジションを決めやすいように、ボタンの無い部分を作る、というわけです。



    
 
 設定終了後は、サブコントロールルーム内の様々なテレビモニターに映像が表示され、

 
  

   
    

  
  
 セレクトパネルには、各ソースの名称が表示されました。

いろいろな仕事

2010年3月5日 工事


 モクモクと作業を進められている様子。
 左右に座っている人が、設定に従事されているメーカー担当者の方々。中央に座っている人が、今回のフルデジタルフルHDTV化更新工事の、映像・音声や付帯する機器設備全般のシステム設計を担当された方。
 3名の方々それぞれ、質問や確認などをし合いながら、順調にセットアップが進みます。
 今回、工事作業に立ち会っていて、改めて思うことは、「放送機器の更新工事」と一口に言っても、実際には「いろいろな仕事をされている方が大勢いるんだな」ということ。
 夕方には、予定どおり、作業が終わりました。


2枚目の写真は、「IXS-6700」の設定。
2/28の記事で紹介した機器。こちらは、ほぼすべてを、PCで設定していきます。担当の方が、設定している機器の出口から、どの機器に出力させるか、その信号の名称は、何にするか、などを指定。作業のスピードも速いので、近くで見させていただいても、何をしているのか、よく解りません(苦笑)。
 やはり、こちらも、授業名を付けたデフォルトの設定を作っていただいたので、ボタン1つ押すだけで、「そこらじゅう」の機器の名称などが、切り替わります。


 昨日に引続き、SONY製「IXS-6700」「MVS-6000」「CCP-8000」のメーカーセットアップ。
 写真は、MVS-6000とCCP-8000をセットアップしている場面です。専用のメニューパネルを使用して、ボタンの割当てなど、様々な設定をしていきます。
 特に、今日は、各実習授業用の、デフォルトの設定が作成されました。ファイル名には、授業名を入れていただいたので、メニューパネルにそれが表示されます。可能な限り、我々スタッフが、簡単に操作できるようにしていただきました。

(Q6)の答え

2010年3月4日 クイズ


2/28のクイズ、正解は「光ファイバー」でした。
 今日の写真は、光カメラケーブルを切断し、中身を出した状態。光ファイバーは、青線と黄線の中を通っています。2枚目の写真は、対比用。手前はシャープペンの芯、奥はボールペンの先端です。
 先日の写真は、このファイバー線の被服をカッターで割き、中身を取り出した物。これ自体も、かなり細いですが、光が通る部分「コア」はさらに細い。当然のことながら、通るものは信号ではなく、光の点滅です。
 ちなみに、どの程度のデータ量を伝送しているかというと、なんと、1秒間に、約15億ビット。つまり、「0」あるいは「1」の数字が、合計15億個。これが光に変換され、わずか1秒で送られていくのです。

設定とは?

2010年3月4日 工事


 所々に置いてある白い紙は、建築でいうところの「設計図」である、「映像系統図」や「制御系統図」。見方が解る人であれば、誰が見ても、システム全体の詳細が理解できる、客観的な情報です。これと、学校側からの資料を照らし合わせながら、設定をしていきます。
 設定とは、たとえば、24個のボタンの何番目に、押すと「1CAM」に切り替わるボタンを割り付けるか、あるいは、表示を「1C」と表示させるのか「1CAM」と表示させるかなど・・・。そして、選択すると点灯する「R TALLY(赤色のランプ)」は、どの程度の明るさにするか、表示器は何色に点灯させるか、まで、話は及びます。まあ、実際には、ここに書ききれないほどの設定項目があるのですけれど。

SONYセットアップ

2010年3月4日 工事

 
 今日から2日間は、SONY製インテグレーテッド・ルーティング・スイッチャー・システム「IXS-6700」と、スイッチャープロセッサー「MVS-6000」コントロールパネル「CCP-8000」のメーカーセットアップ。朝から、メーカーの方が来校し、作業を進めています。
 上の3機種は、どれも、いわば、コンピューターというか、高性能PC。したがって、設定をするのに、WindowsPCも使用します。


 写真は、1つ前の音声関係の機器が入るラックの左。VTR関係の機器が並んでいる部分。
 VTRは、HDTV画質で再生・記録できる機種として、HDCAM XDCAMHD HDVの3フォーマット。SDTV画質で再生・記録できる機種として、デジタルベータカム(アナログベータカム再生含む)を1フォーマット、としました。
 いわゆる「過渡期」的な要素が多く、かなり考え吟味した部分。結果的に、放送現場での普及率・今後の多様性・実習授業での利便性を考えて、決定しました。

※フォーマット 映像音声記録方式の規格。たとえば、ブルーレイやDVD、そしてVHSなども、フォーマット。
 


  写真は、音声関連の機器が収納されたラック。1ヶ月前に、予定地として養生テープに書かれた機材名どおり、収納され電源が入りました。写真左側は、1つ前の記事で紹介した、オーディオパッチベイ(音声パッチ盤)など。
 写真右側はワイヤレスマイクの受信機と、ディレイ(音を遅らせる装置)といった機器が並びます。特にディレイは、映像と音声のタイミングを合わせるために必要な装置。合っていないと、たとえば、声が先に聞こえてきて、口の動きが遅れて見える、ということになってしまいます。

(原稿:本校の音声担当者)

そして、確認。。

2010年3月3日 工事


 この時期の「三寒四温」、激しいですね。昨日は、真冬でもあまりないほどの厳しい寒さ。今日は、麗らかな、春の暖かさです。
 さて、明日からの、機器メーカーによる設定の前に、回線チェック作業が続いています。
 写真は、ちょうど、音声パッチ盤を、チェックしている様子。チェックする端子部、つまり「穴」は、数百個あります。担当の方1人しか写っていませんけれど、この機器の反対側の見えない所に、もう1人、担当の方がいらっしゃいます。
 下の方、とか、狭い所、などと、工事作業の環境としてはあまり良いとはいえないですし・・・。体、壊したりしないのでしょうか。知識ばかりではなく、忍耐力も集中力も必要になる仕事ですね。