2012年1月 のアーカイブ
寒い日が続いていますね〜。
東放学園専門学校がある東京地方の場合、「寒い」は「乾燥」と結びつくわけでして、もう数日続くと、記録的な乾燥長続きの冬、ということになるようですね。
さて、そんな冬らしい冬が続く中、青空の下の校舎の屋上では、学生と機材が集合しての授業が。
写真は共に、放送技術科の、中継に関する実習の様子です。
テレビ中継に関する、様々な知識などの勉強をしたり、必要な機材の使用方法を学んだりする授業。最終的には「お天気コーナー」の中継製作を行います。
紹介しているこの日は、「トレーニング」。
「お天気コーナー」は、基本的には、学生自身の手だけで製作する実習ですから、本番と同じ環境を作り上げて、担当の講師の先生のアドバイスを受けながら、シミュレーションを行っているわけです。
2枚目と3枚目の写真は、今回の中継に関わる映像システムを構築している様子。
同じような機能を有する「テレビ中継車」は使用せず、つまりはその中身を、1から学生が作り上げていく、という作業にあたります。
「らしく見せる」ということ
2012年1月15日 実習風景,照明クリエイティブ科
さあ、1枚目の写真をご覧いただくと、どのような時間設定の照明デザインなのか、すぐにお解りいただけるでしょう。
照明クリエイティブ科1年生の、ドラマセット・ドラマ照明に関する実習授業の様子です。
オレンジ(アンバー)色の陽射しに、長い陰。夕焼けの光に、夕方の部屋。
画面に時計が写らずとも、台詞にそのような表現がなくても、この光景を観れば、おのずと夕方であることが解るというわけでしてね、普段、夕方の光、夕方の陰を、意識的に観ていなくても、感じてはいる。それと同じ様になっているからです。
照明は、ただ明るくするだけではなく、その「状況」を、ごく自然に伝える。言うまでもなく、非常に大切な役割を負っているのです。
2枚目の写真。
玄関らしいライティングが観察されると思いますが、灯す範囲が狭くなっていて、リアルですね。この部分は、天井もあって狭い場所で、照明を作りづらい環境ですが、これもやはり、しっかりと仕込んで、そのように見せているのです。
いったい、どのようにしているのか。これは、あえて、皆さんのご想像にお任せすることにしましょうか。
2012年も、クリーンアップです
2012年1月14日 学校の様々
「杉並・わがまち クリーンアップ大作戦」
例によって、紹介するのは久しぶりですけれども、活動としては、毎月2回のペースで
ずっと繰り返され続けられているものでして、もうすっかり、当たりまえのレギュラー作業。
本日、2012年第一回目の様子です。
毎回、回収されるゴミの量は、ほぼ同じ。
もちろん、ご近所にお住まいの方々や道路・街路を管理されている方々も、清掃されていますからね。
捨てられる量は、実際にはさらに多いものと推察されます。
タバコの吸い殻も一つずつ、植え込みの中に入ってしまっている空き缶なども救出しながら・・・。
道路側も、安全に配慮しながら、奇麗にします。
分別をしたり、それぞれのゴミをまとめたりした後は、終了の記念集合写真。
今回は、ベテランの職員が多めの回。
卒業生の方がご存知な、懐かしい顔も、見られるでしょうか。
「夜の暗さ」を照明で
2012年1月13日 実習風景,照明クリエイティブ科
普段、目にしている光。まあこれは、必然的な情景なので、特に意識して観ることは少ないのですが、ただ、それを忠実に再現しようとすると、これがナカナカ難しい。奥が深いのですね。
しかも、前回もお伝えしたように、人の見た目と、テレビカメラを通しての見え方は違いますから、「リアルな表現」を達成するには、デリケートな作り込みが必要になる、というわけです。
カポックを使って、柔らかい照明について勉強した後は、「夜の光景」。
灯体にブルー系の色温度変換フィルターを取り付けている様子。1枚目の写真です。
これはちょうど、ドラマセット外側のベランダの方向からの灯体でして、つまり屋外からの夜の光という設定。
2枚目の写真をご覧いただくと解ると思いますが、「月明かり」ですね。
コンパクトデジカメの画像ですから、少し明るめになっていますが、テレビカメラで撮影すると、自然な仕上がり。
そして、ソファに、光を薄く載せると、さらに違う雰囲気に。生活感が強まって、また一段とリアルですよね。
肉眼のように、マイルドに
2012年1月12日 実習風景,照明クリエイティブ科
一通りの仕込みが終わると、次はドラマの照明作りに欠かせない道具や灯し方などの説明に。
長年に渡り、実際の現場で、照明技術などに従事してきたベテラン講師の先生が担当です。
たとえば、直射日光が当たるような環境や、手元明かりの環境では、目障りだと感じるくらい「陰」を意識しますが、そうではない環境では、普段生活していて、あまり陰を意識しないですよね。
これは、人間の眼が、ある程度明るい部分も、ある程度くらい部分も、どちらも「良い感じ」に、どちらもマイルドに見られるようになっているからです。
しかし、テレビカメラは、明るい部分はそのまま明るく、暗い部分は暗く再現しますから、陰も比較して目立つのです。
そこで、1枚目の写真。不自然な「意図しない陰」を避けるドラマ照明では、「カポック」という、一種の反射板を使って、光を流し込むことが多いのです。
光源からの強い光を、発泡スチロール状の板に、反射させ拡散させながら柔らかく・・・という仕組み。
光源やカポックなどの、微妙な角度によって、その先への光の届き方も変わりますからね。
それらのノウハウを、実践形式で勉強していくのです。
ドラマ照明を仕込む!
2012年1月11日 実習風景,照明クリエイティブ科
さて、様々な学科による「ドラマ的!」実習授業ですけれども、第一弾は、照明クリエイティブ科の様子から、お伝えしましょう。
まずは、何と言っても「仕込み」。
テレビスタジオの照明設備は、いろいろなジャンルの多彩な照明が創り出せるように、非常に汎用性が高いものになっているのですが、見方というか言い方を替えれば、特に仕込みをしない限り、「何用」にもなっていないのです。
そこで、ドラマの当日の撮影用に照明をスタンバイする、ということから始まるわけです。
1枚目の写真。普段から、照明バトンに吊るされている灯体(ライト)を移動したり、取り外したり、他の灯体を取り付けたりしながら、ドラマ用の仕込みを進めている様子。
照明バトンが完全に降ろせない所では、脚立を使って、灯体を持ち上げて吊るして・・・という作業。2枚目の写真です。
写真では一部になってしまっていますが、このような作業が、スタジオの方々で、同時に進められています。
作業は、電源回路・点灯チェックと進み、仕込みも終盤。3枚目の写真は、灯体の細かな向きや光の広がり具合などを調整する「照明シュート」の作業中の様子です。
ビニールテープで範囲を決めたり、箱馬(美術・建て込みなどで使用される道具の1つ)を置いて壁や家具などの代わりにしたり、という立ち稽古。これは実際もそのようにして行うのですけれども、それが終わった後は、いよいよ、ドラマ用美術セットの建て込み。
この作業は、ドラマの実習授業を受けている放送芸術科の学生と担当職員が、一緒になって協力し合いながら、進めていきます。
授業用にデザインされたものなので、1から細かく造り上げていくというよりかは、組み立てていくというイメージ。しかしこれも、ヤミクモに進めれば良いというわけではなくてですね、順序もあり方法も決まっていて、それらが正しくないと完成しません。
さて、今後、いろいろな学科の多くの学生が、この場で、ドラマの経験を積んでいくことになります。
年末には、最終回の平均視聴率が40.0パーセントを記録したテレビドラマがありましたね。
そして、その前の40パーセント越えのドラマは、2000年に放送された「Beautiful Life 〜ふたりでいた日々〜」。最終回の視聴率は41.3パーセント、全放送回の平均も32.3パーセント。近年では、歴史に残る大ヒット作品だったわけです。
その「Beautiful Life」以外も「GOOD LUCK!!」「オレンジデイズ」などの、数々のヒット作のTD(テクニカルディレクター)を担当した、本校の島﨑顧問が指導にあたっている授業の1つが、「スタジオ番組制作〜ドラマ〜」です。
1枚目と2枚目の写真は、「本読み」についての講義中のもの。
現場の実際では、出演者に台本が渡され、既に何度も読み込まれている状態ですが、他の出演者との読み合わせをして、出演者それぞれの思い入れやディレクターの演出が更に加えられ、台詞がさらに吟味されていく、というような過程。「本読み」という名前の印象以上に、大変奥が深いのです。
3枚目の写真は、実際の現場では、ドライリハーサルと融合して行われる事が多い「立ち稽古」説明の様子。
台詞に加えて「演技」が吟味され演出されていく、ディレクターの気持ちや意図が吹き込まれる過程の1つです。
削いだり細かな加工をしたりして「形」にしたら終わり、ではなくて、ここまでで全行程の半分程度でしょうかね。道のりはまだまだ続きまして、次は、塗装系の作業へと進んでいくのです。
それでですね、いきなり塗装をするのではなくて、まずは、サーフェイサーの役割をする「パテ」を塗布。
表面に沢山の気泡がある発泡スチロールの表面を、なめらかに均一化させ、塗料のノリを良くするためなのですね。
まずは、パテを表面に持って、水をつけた筆で薄く塗布していくという作業。厚盛りをしてしまうと、元の形から変わってしまいますし、薄過ぎると、後にサンドペーパーで磨くときに、地が出てしまいますしね。紹介の写真の見た目ほど、簡単ではなさそうです。
どのようにして全体に塗り広げるのか、と観ていると、なるほど〜、という手段。太めな針金を差して、それを持ちながらの作業。
細かい部分を、手や指で直接塗っている様子が、3枚目の写真。
担当の職員が、お手伝いです。
包丁を使ったり、スチロールカッターで削ぎ落したり・・・と、比較的大まかな加工から、スタートしたテレビ美術科「造形制作実習」。
加工の作業は、その「形」や「大きさ」にする事から、「それらしくリアルに」する事へ、細かくデリケートにシフト。
1枚目の写真をご覧いただくと、その雰囲気は少なくとも伝わるでしょうか。
使っている道具は、発泡スチロールを、細かく加工したりカットしたりする専用のものでして、ハッコー社「マイペン」という製品。
「はんだごて」という工具は、ご存知の方も多いと思うのですが、あれと同じ様なデザイン。
加熱されている針金のようなものを、発泡スチロールにあてて、溶かしながら加工していくわけですね。2枚目の写真です。
子供の頃に、溶かして遊んだことがある人には(良い子はマネしちゃいけません)解るかと思うのですが、あっという間に、溶けてしまいますよね。こちらは、専用の道具なのですけれど、やはり同様に、長い時間あて過ぎると、悲しい結果になります。ですから、言うまでもなく、非常にデリケート。失敗は許されないのです。
そして、この学生は何のモデルの、どの部分の加工をしているかというと、3枚目の写真。
絵の具のチューブの、肩の部分に入っている、文字の部分なのですね。
見落としてしまいがちな部分ですけれども、より「リアル」に表現するには、欠かせない部分です。
さて、いよいよ本番直前。映画に関する情報番組を制作する、放送芸術科「スタジオ番組制作」です。
カメラリハーサルから本番は、メインは出演者。
特に、今回のような情報番組において、番組を円滑に進行する、ということは、出演者と共に、いかに一挙手一投足になれるか、が鍵となるのですね。
1枚目の写真は、事あるごとに、今回の司会を担当する車谷絵里さんに歩み寄って、コミュニケーションをとる、フロアーディレクターの学生。
ディレクターの意志に加えて、自分なりの判断などを、丁寧に適切に指示・お願いをする、そのような姿です。とにもかくにも、フロアーディレクターは、これが一番大事でしょうね。
そして、本番開始に向けてのカウントダウン。2枚目の写真です。
緊張した表情が伺い知れますけれど、何というのですかね、どこなく落ち着いているようにも見えるというか、サマになっているというか。
4月に入学して、短期間ですっかり「板に着いた」というふうに観察されますよね。
3枚目の写真。左から2番目の女性が、今回ディレクターを担当する学生。
その奥には、タイムキーパーを担当する学生と、それをフォローする職員です。サブコントロールルームの様子。
特にこのようなテイストの番組は、事前準備が制作のすべて、といっても間違いではないでしょう。ですから、本番中は、少々の指示を、ディレクター本人の、当初のイメージ通りに進んでいるかどうかの、確認作業に近いのです。
そして、写真4枚目は、終了後のミーティング。これで、一区切りですね。
出演者との打合せや、それに続く技術打合せなどが終わると、カメラリハーサルのスタンバイ。
この番組制作の実習、使用するカメラは3台なのですが、実は、そのうちの2台のカメラマンは、放送芸術科の学生なのです。
昨年の12月9日に紹介した「放送芸術科の学生 カメラを学ぶ」。あの内容は、このためでもあったわけです。
しかも、カメラ2台それぞれの分担は、「間に合い(非常に短い時間で次の画を決めること)」あり、大きな移動があり、ということでして、決して「ただ、パン棒を持っていれば良い」というカメラワークではありません。正しい位置に入り、適切なアングルを決めて、フォーカスをとって・・・と、かなりデリケート。
言うまでもなく、本気モードで取り組まないと、失敗してしまうのです。
ディレクター・タイムキーパーや、作家・マネージャーへと将来進んでいく学生達ですから、卒業すれば、スタジオカメラを担当することは、ほとんどない。ほとんどないからこそ、学校の「授業の場」での経験は、大変重要ですよね。
写真をご覧いただければ解ると思いますが、非常に真剣に、取り組んでいます。