‘実習風景’ カテゴリーのアーカイブ
照明も照明以外も
2010年12月14日 実習風景,照明クリエイティブ科
引き続き、照明クリエイティブ科2年生の実習授業「舞台照明実習2」の紹介です。
沢山のライト(灯体)を吊り下げる照明バトンが上下する中、ステージの脇では、灯体に取り付ける「カラーフィルター」の準備をしている学生も。耐熱性のプラスティックで作られているフィルターを、やはり耐熱性の色差枠に差し込んでいる最中です。好きな色やその日の気分での色ではなく、もちろん、あらかじめプランニングされている色のフィルターを準備。
照明の「仕込み」が終わった後は、次は、ステージ上の美術セットの準備。これが2枚目の写真。
美術セットなどを吊り下げる「美術バトン」を降ろして、数人がかりで何かを取り付けていますね。何を付けているのかと言うと・・・。
3枚目の写真。これが完成した様子。これは「ジョーゼット(幕)」という大きな布の一種で、これに光を当てて使用します。写真のように、やわらかいヒダが沢山出るように縫われているのですね。ですから、これにあてる光の色や角度によって、様々な光や色の表現ができるわけです。
実際には、舞台美術・大道具系の専門の業者の方によって設置されることも多いのですが、この授業では、照明クリエイティブ科の学生がその作業を行います。照明以外にも多くのノウハウを学ぶことができる実習授業です。
舞台照明実習2
2010年12月13日 実習風景,照明クリエイティブ科
本校の照明クリエイティブ科で勉強する照明技術は、大きく分けて「テレビ照明」と「舞台照明の2つ。同じ照明でも、テレビカメラを通しての、テレビの画面上での照明の見せ方(見え方)と、たとえばコンサートホールおいての、人の肉眼での見せ方(見え方)とは、違う部分が多いのですね。
そこで今回紹介するのは、「舞台照明実習2」。都内にあるコンサートホールを借り切って行う、照明クリエイティブ科2年生の実習授業です。
大半は、そのホールに設備されている照明機器を使用させていただくのですが、装飾品や一部の機器は、学校からの持ち込み。まずはそれらを下ろす作業から。
その作業とオーバーラップするように、ステージ上では早速、あらかじめデザインしていたプラン通りに、照明バトンに照明器具を仕込んで行く作業が始まっています。授業を担当する講師の先生やチーフを担当する学生などが、指示をしながら声をかけ合いながら、作業は速いピッチで進んでいきます。
一方、一部の学生はステージ上に設置するディスプレイを製作中。これが3枚目の写真。
いずれの作業も、事前に同じ環境で練習を重ねていたかのよう。さすが2年生となると、手慣れたものですね。
放送技術科1年の実習授業「VE実習1」。何度か紹介させていただいていますが、VEとは「ビデオエンジニア」の略。
機材の名称や機能などの基本的な事項の説明から始まった授業も、機材の操作方法やカラー調整へと、内容はステップアップしています。
テレビ放送は、来年の7月に完全デジタル化となりますが、その手前の番組・作品製作のプロセスでは、一足早く、デジタル化が進んでいます。
「デジタル」に対しては「アナログ」。この関係は「新」「旧」。しかし、「新」を理解するためには、まずは「旧」からスタートする必要があるわけです。
VEには映像信号(たとえば、DVD機器とテレビを結ぶケーブルを通る信号)を管理したり整調したりする仕事が含まれるのですが、これには、手始めとして、アナログ信号の知識の理解が欠かせません。
2枚目の写真。これは、向かって右側に、デジタル信号を監視するテレビモニターと波形モニター(横軸を時間、縦軸を電圧とした、映像信号の関数グラフ表示器)が上下に、左側にアナログ信号の同様の機器が、ペアーで並んでいます。授業ではこの両方を使いながら、信号の説明をしていきます。
「ありてい」に言えば、つまり「温故知新」です。
レンズとカメラの特性も照明!
2010年12月10日 実習風景,照明クリエイティブ科
今回紹介するのは、ちょうど1ヶ月ぶりで、照明クリエイティブ科1年生の実習授業「テレビ照明実習1」。
暗い世界に、照明があてられている2人の学生。一体何のための照明仕込みかというと・・・。
レンズとテレビカメラにおける「被写界深度」と、それによる画面上の見え方の違いと、カメラの絞り(アイリス)と、照度とその見え方と、波形モニターの見え方と・・・、というふうに書ききれないほどの講義内容のための仕込みなんです。
すべてを詳しく取り上げられないので、ここでは被写界深度の簡単な説明を。
被写界深度とは、フォーカス(ピント)があっている様に見える範囲のこと。たとえば、《カメラからの距離違いの2つの被写体(手前と奥)において、手前の被写体にフォーカスを合わせた場合の、奥の被写体のボケ方の違い》です。深度なので「深い」「浅い」と表現するのですが、深い場合は、奥の被写体もあまりボケて見えない。浅い場合は、相対的にボケ具合が高まります。
写真中の2人の学生、2枚目の写真は、相対的に深い状態。3枚目の写真は、浅い状態。3枚目の写真の方が、後ろの学生の顔がボケて見えますね。加えて、背景のマゼンタ色(赤紫色)の色の鮮やかさも違って見えると思います。この違いも、間接的に被写界深度と関わってきます。
特に「被写界深度」は、カメラマンに対して直接関わる知識ですけれど、その被写界深度という概念自体に照明(照度)が大きく関わります。ですから、照明を担当するスタッフにも、欠かせない知識となるわけですね。
さて、「スタジオ番組制作」映画情報番組としては、最後の紹介。打合せを終えて、次はカメラリハーサルが始まります。
この「リハーサル」、いわゆる業界用語ではありますが、かなり一般的な言葉になって、意味を解らない人はほとんどいないでしょうか。本番とほぼ同じように進めていく、いわば練習。その進め方や内容は幾通りもありますけれど、どんな形でもリハーサルを行わない番組はないといって良いでしょう。
1枚目、ちょうと左手前に出演者がいるアングルの写真です。写真中央、出演者用のテレビモニターの横に居る彼が、フロアーディレクター。いつでもすぐに出演者に指示を出すために、この場所にいます。スタッフをも含めて、スタジオ全体を仕切る役割。
2枚目の写真、別のグループのフロアーディレクター。カメラリハーサルの合間に、すぐに出演者に近寄って、直接指示をしたり様々なフォローをしたりします。番組ジャンルによっては、フロアーディレクターの人数やその役割はまちまちですけれど、このように「出演者付き」のフロアーディレクターが存在しない番組は、ないといって良いでしょう。出演者のアテンドは、常に欠かせないことなのです。
いよいよ本番に突入。「指折り」といって、声を発せない時は、3枚目の写真のように、手や指で、時間やタイミングを指示します。
そして、本番中の出演者、「車谷絵里」さん。グループ学校の、専門学校東京アナウンス学院の卒業生でもあります。
このような、学校での実習授業は、実際の放送やメディアの現場とは違った大変さがあるでしょう。お世話になりました。ありがとうございました。
最後の写真は、本番中のサブコントロールルームの様子。手前から、TK(タイムキーパ)をアドバイスする職員、その奥はTKを担当する学生。そしてその奥には、ディレクターを担当する学生が座っています。TKは手に持つストップウォッチを確認しながら、ディレクターは、正面にあるテレビモニターを見ながらの仕事。いずれのスタッフも、番組をスムースに、そして、少しでも良い番組になるように、を目標としているわけです。
さて、少し間があいて、再び「スタジオ番組制作」の模様です。まあとにかく、実習系授業での、学生の活躍ぶりというものは、学科やそれぞれの授業に関係なく、定常的に見られることではあります。けれど、分担をして様々なスタッフの役割を経験するという点では、紹介したいと思うことが山ほどある授業の1つなのです。
今回の映画を紹介する情報番組のスタジオ美術セットは、3つ。1枚目の写真は、学生みずからが企画を考えるコーナーのセットのディスプレイを作り込んでいる最中です。アドバイスをしているのは、このブログで何度か紹介させていただいている、長年に渡り、テレビドラマのテクニカルディレクターを中心に経験してきた、本学園の島﨑顧問でございます。
そして実は、使用する3台のカメラのうち、2台は放送芸術科の学生が担当。将来カメラマン志望の学生はほとんどいない学科ですが、経験し、そして知る。言わずもがな、とても大切なことですね。写真の学生、前日にもテレビカメラの操作方法を学びに来た、非常に熱心な学生です。
3枚目の写真。スタジオでは、今まで紹介して来た様々な事が行われているのですが、ほぼ同時並行で、出演者との打合せも。今回の情報番組のすべての司会をお願いしているのが、「車谷絵里(くるまたに えり)」さん。様々な演劇舞台で活躍されているプロの出演者です。
やや緊張気味の学生。担当職員がフォローを受けながら、丁寧に打合せを進めていきます。
スタンバイや出演者打合せが終わった後は、主要スタッフが集合しての「技術打ち合わせ」。ここでもしっかりと、名前と役割の自己紹介。「自分」「役割」「責任感」のアピールとなる、大事な場です。
今日は、放送技術科1年生の実習授業「ビデオ制作」の作品プレビュー会がありました。今回の作品は、10月の始めに準備を開始。7人前後のグループごとに、学生みずからが企画を考え企画書を作り、必要に応じて撮影許可などを申請し、撮影をして編集をして・・・というふうに進めて来たもの。初めてのことで、いろいろと苦労もあったかと思いますが、それこそ切磋琢磨しながら努力してきたわけです。
ということで、そのプレビュー会の写真を取り上げ、学生全員が「いち視聴者」となってテレビモニターを見つめる姿を紹介しようと思ったのですけれど、それよりかは実際に作業をしている姿の方が・・・、ということで、完成前の編集作業の様子を、ご覧いただきましょう。
写真はどれも、ノンリニア編集室の1つである「Avidルーム」。編集担当の学生や、ディレクター担当の学生、手助けをする学生などが、集合しています。プロの実際の現場では、番組や作品のジャンルにもよりますけれど、もう少しセグメンテーションが明確で、そしてもう少しシンプルというかクールというか、そんな雰囲気で進められますが、ここは「学校」。携わったみんなで、大勢で意見を出し合いながら良いものを作る。もうこれは率直に言って、大事なことです。
3枚目の写真で解りますが、「ノンリニア編集」というのは、PC(パソコン)編集のこと。つまり、キーボードとマウスによるオペレート。数年前まではVHSテープを使用して編集したグループもありましたけれど、時代は進む。まさに「隔世の感」です。
これを閲覧している高校生の皆さん、そもそも「VHS」って知ってますか??
引き続き「スタジオ番組制作」ですが、学生によるデザインは、番組のセットだけではなくて、「提供バック」の商品のレイアウトも及びます。
実はこの番組課題、ある企業がスポンサーになっている、という設定。企業名は書かずとも、一目瞭然ですね。もちろん学校とその企業は提供関係にはありませんが、まあ、課題上の1つの設定、というわけです。
「提供バック」とは、スポンサー会社およびブランドを紹介するコメントとスーパーインポーズ(画面内の合成文字)の背景の絵のこと。商品をディスプレイして、それも一緒に見てもらおうというもの。学生は、そのディスプレイをデザインしてレイアウトする、ということが、課題に含まれているのです。
そこで1枚目の写真。出演者背景の美術セットと同様、これもやはり重んじられるのは「カメラ写り」。撮影しているカメラの映像を見ながら、細かく丁寧にディスプレイを決めていきます。
2枚目の写真、これはあるグループの完成ディスプレイ。クリスマスが近い、ということで、全体的にクリスマステイストですね。商品に含まれている「赤」と似合っています。
3枚目の写真。もちろん、これらのデザインは、学生が「1」から考えています。いろいろなアイデアがあるのですが、このグループは、クッキーと、それを作るための道具の配置がポイント。しかもこのクッキー、学生の手作りでしてね、終わった後味見させていただきましたけれど、美味しかったです。買うのではなくて作る、この意気込みは凄い!
4枚目、やはり脇にあるテレビモニターの映像を見ながら、学生がディスプレイをしている最中の写真。このグループは、番組内容である「映画」とコーヒーをワンパッケージ。なかなか斬新ですね。ちなみに私は、家でコーヒー飲みながら映画鑑賞、よくやります(笑)。
5枚目の写真。これはまた別のグループのディスプレイ。こちらは「秋」がテーマ。紅葉した楓とリンゴと栗と柿。コーヒーミルもありますね。溢れているコーヒー豆、もちろん本物です。
本当は16グループすべてのディスプレイを紹介したいところなのですが・・・。どれもそれぞれ良く作られていました。
さて再び、放送芸術科1年の「スタジオ番組制作」。
クラスを1/4ずつに分けての制作していますので、学科全体で16番組。今回は、そのグループごとの美術セットをいくつか紹介。
美術セット、基本的な配置は決まっているのですが、出演者の背景などは、その班の美術を担当する学生が、デザインし場合によっては造作し、設置していきます。
1枚目の写真。出演者のテーブルの背後にパネルを立てて、そこに映画のフイルムを模したボードを貼っているところ。番組のテーマは映画の紹介なので、それに合わせたデザインにしているわけです。
2枚目の写真、このグループはパネルではなく「トラス」という骨格構造のセットを配置。それに、映画に関わるデコレーションを施していく作業。映写機にかけるフイルムリールと、「カチンコ」をモチーフにしたものが付けられていますね。
3枚目の写真は、カメラの背後から。一見似ていますが、上とは違うグループです。特に背景に頻繁に写る「物」の配置は、カメラを通しての映像を見ながら決めていくことが大事。第一義的には、テレビ写りや芝居のために配置していく必要があるからです。美術の学生やカメラマンが見ながら、位置などの指示をしていきます。
4枚目の写真。これは、トラスを利用して、デザインしたボードを貼付けている様子。ちょうど、サインボードの位置を決めている最中ですが、それを貼るベースのボード、小さな星形の模様が入っていますが、これは、その形に切り抜いたものが沢山貼られているのです。手が込んでいますね。凄いと思います。
昨日紹介した放送芸術科1年生の実習授業「スタジオ番組制作」。
今回の「情報番組」は、100名を越える履修学生が、日替わりで少数のグループに分かれて、合計16番組の制作を担当していきます。可能な限り、沢山の学生、沢山の番組風景を紹介したいと考えていますので、グループや制作日の境界を越えて、アットランダムにあるいはまとめて紹介させていただきます。
番組制作といっても授業は授業。まずは集合時間に出席確認をします。これが1枚目の写真。「遅刻」に関してはどんなシチュエーションでも許容されることではないですよね。特に番組制作では、各人それぞれ役割分担しているわけですから、それは駄目。学生も、それは十分に理解しているようで、写真のグループも遅刻者はなし、でした。
2枚目の写真。出席確認の後は、すぐに「製作」に取りかかります。まずは事前にデザインした出演者の背景の美術セット。役割を越えて、協力し合い、準備し合います。
「良いものを作ろう」という意志は、その時点で持ちうる、知識や技術を上回ります。
9月の終わり頃から何度か紹介している、放送芸術科1年生の実習授業「スタジオ番組制作」。ストップウォッチやインターカムの使い方から始まったこの授業も、いよいよ本格的な番組制作へと進んできました。
その1回目のテーマは「情報番組」。映画や、それに関わる情報などを紹介する内容で、「生放送」の設定。集合時間から1時間30分後の放送開始、という時間の制約が設けられています。まあ、ケースバイケースではあるものの、実際に放送されている生放送番組でも、1時間30分間での様々なスタンバイというのは、タイトな方ですからね。学生も大変でしょう。しかし、生放送かどうかに関わらず、常に時間との戦いみたいなところはあるわけですから、この制約から学ぶ大切なことも、多い筈。
そしてさらに、この実習授業のスゴいところは、制作はもちろんのこと、その他の美術・技術などの様々な役割も、学生が分担して行うところ。
2枚目の写真は、出演者の背後の美術セットを、スタンバイしている最中です。もちろん、このデザインも学生自身によるもの。ややテマエミソ的ですけれど、勉強になる授業です。
この授業の模様は、今後、断続的に紹介していきます。
学科を問わず、実習系の授業が充実している東放学園専門学校。その実習の場は、校舎内だけには留まりません。
昨日の土曜日は、東京都中野区にある東京工科自動車大学校が主催する「第4回TTCクルマ文化講演会「GT-R」進化しつづけるための、新しいテクノロジー」が開催されました。車に詳しい方でしたら解ると思うのですが、「GT-R」とは、日産自動車製のスポーツカー。メーカーのWEBサイトでは「スーパーカー」と表現しているくらい、速い車です。
本校は、このイベントの記録ビデオの制作を担当。放送業務用の高価なVTRカメラと音声機器を持ち込んで、まずは、講演会の収録。放送音響科と放送技術科の学生・職員がスタッフ。素早く準備を済ませ、本番を迎えました。編集作業を意識しての撮影。カメラ2式のコンビネーションが大切です。
講演会の後は、「GT-R」の実車展示と説明。人だかりが出来ていて、2枚目の写真、車が見えていません(苦笑)。ここでも、2式のカメラと音声機器での収録。
このような環境だと、他のお客様に、機材を当てたり邪魔をしないようにしたりすることが重要。けれどもしかし、遠慮し過ぎていると、必要な映像素材を収めることもできない。そして当然「やり直し」も不可能ですから、技術の他に適切な判断能力も、問われるわけですね。
建て込み作業も終盤。空いていたスペーズに、窓枠を取り付ける作業。
アクリル板を入れるような手の込んだ作業は、まだ行いませんけれど、様々な部材の取り付け方法を学ぶ上では、大切な作業なんですよね。しっかりと固定さえできれば良いのではなく、見た目も気にしたり、簡単にバラしたり撤収できたりすることも、目的の一部。
そして、用途に応じて使い分けられる「釘」達。主に長さが違います。
4つに仕切られて長さ違いの釘が入る専用の箱。釘の長さに対応して、それぞれに数字が書かれていますが、右下の「1.5」は一寸五分という意味。日本古来の長さと重さに対する単位である「尺貫法」で示されています。「一寸」は、3.03センチメートル、「一分」はその1/10ですから、「一寸五分」は約4.5センチメートルとなります。
幅木(床と接する部分に付けられる部材)や目張り(パネル同士の隙間に貼られるテープ)を付けられて完成。
最後に、関わった学生が集まって、記念撮影。カメラマンは、テレビ美術科のティーチングアシスタントです。
ちなみに、今回紹介したのは、2グループあるうちの1つ。もう1グループは、1週間違いで同じ作業を行っています。
そのもう1つのグループの活躍ぶりは、今後紹介します。
引き続き、テレビ美術科「大道具操作基礎」、建て込みの様子です。
、複数のパネル同士を連結させる作業。まずは、先生が説明をしながらやって見せます。木を当てて、その上から釘を打って固定させていく作業。手際良く、あっと言う間に打ち込まれていく姿を見て、学生からは関心と驚きの声が。見られるものすべてが、ノウハウの固まりなんですね。
2枚目の写真。これが、今回の課題となる美術セットの「青図」といわれている製図。
現在のコピー機よりも前に使用されていた「青焼き機」。これで複写された図面に描かれているものは、黒色ではなく青色だったわけです。「青図」というのはその名残り。イメージしやすいように、「パース図」も描かれています。
パネル同士がしっかりと固定され、起こされ立てられた後は、パネル自体が倒れないような役目を果たす、「人形(人形立て)」を、パネルの裏側に釘を用いて取り付けられます。一見、単純な作業のように見えますが、ここでも、「金づち(業界用語では「なぐり」)」の入れ方など、細かなノウハウがあるのですね。効率良く安全に作業を進めるための、大事な知識です。