完成した作品が、なかなか紹介できなくて、イカントモシガタイ・キョウシュクシゴクでございます。
当ブログ、テレビ美術科抽出ページのこちらの中にある「細かく、そして、リアルに」の続く内容。
数多くの作品の中から、製作途中を頻繁に取り上げさせていただいた2つを中心に、紹介いたします。
上の左の写真、ほぼ全身を発泡スチロールの粉だらけにしながら、一生懸命、造形に取り組んでいた姿。
こちらの完成作品が、右の写真の「絵の具」。
チュープ本体の型ももちろん、巻いている紙のデザインというか造り込みも秀逸ですよね。
流れ出ている絵の具自体も、リアルです。
造形が終了した発泡スチロールに、パテ剤を塗込んでいる写真が左。
この完成品が、右の写真です。
こちらも、一見、本物と見間違う程の完成度。グラデーションの塗色もナチュラルですよね。
そして、何しろスゴいのは、缶の凹みの表現。これ、もちろん、削り出しで造作したもの。潰された缶、つまり「結果、そうなってしまった形」を再現するということは、難しいと思います。スゴく。
学生さん、みんな手先が器用で、観察力も高いのですね。
2回続けてお伝えした照明クリエイティブ科の学生による、照明の仕込み。実は、他の学科が集まる前に行われていたことなのです。
なぜかというと、その記事でも紹介しましたが、照明バトンを降ろしての、集中的な急ピッチな作業なので、人が大勢いる環境では、難しいからでしてね、その分、早く登校しているのです。
そして、その後に行われるのが、関わる全スタッフが集まっての、ブリーフィング。言わば、朝礼です。
2年次のすべての学科が参加しての「番組制作演習」です。
4枚の写真は、実施曜日違い・グループ違いの、それぞれの様子。
放送芸術科の学生が担当する、プロデューサー・ディレクターが朝の挨拶を行って、意志の統一を計ります。
現場での実際は、それぞれのスタッフが必要な時間に集まり出して作業を開始する、という流れなのですけれど、ここは学校。
学ぶ精神も、創る精神も、「一致団結」が必要。まずは、その気持ちが大事だからです。
学生が考えて、仕込んで・・・
2012年6月6日 実習風景,照明クリエイティブ科
前回に続いて、照明クリエイティブ科の学生による「番組制作演習」照明仕込みの様子です。
1枚目の写真。学生が見ているのは照明の仕込み図。
言わば、設計図や配置図に当たるものでして、最初に決められる照明のデザイン、これを実現するために、「この位置にはこの種類のライトを、ここには別の種類のライトをいくつ並べて・・・」というような照明プランが記載されているもの。
もちろん、その仕込み図も、学生が考えて描いています。
その仕込み図を確認しながら、急ピッチに作業を進行。
ライトを吊るす照明バトンには、標準的・汎用配置的なライトが付けられているので、これらを移設したり外したりしながら、必要なライトを取り付けていきます。
3枚目の写真。こちらの学生が持っている紙は「パラフィン紙」。光を広い範囲に拡散させるディフューザの1つです。
この紙をライトの前に付けると、強い光がマイルドに、広い範囲に行き届くわけです。
電球は非常に発熱しますからね、紙は紙ですけれど、耐熱性が高い、専用のパラフィン紙。
安全のためにヘルメットを被りながらの作業です。
まずは、集めます
2012年6月5日 実習風景,照明クリエイティブ科
さて、今日の1枚目の写真。
銀色の物体が丸い口を開けて、一見、ちょっぴりミステリアスな雰囲気(笑)。
まあ、実際はそんな事なくてですね、照明灯体の一種で「ミニパーライト」(パー=PAR:Parabolic Aluminized Reflector)。
電球の特性から、照射範囲が比較的狭角で、音楽ライブなどで、あの「光の筋」を出しているライトの1つです。
写真は共に、「番組制作演習」照明クリエイティブ科の学生による照明仕込みの様子。
毎週2日ずつ、グループ毎に実習を進めるスタイルですので、各グループの実習風景を取り混ぜながら、紹介していきます。
2枚目の写真。これは、ミニが付かない「パーライト」。
特に音楽番組は、照明による「光の演出」が欠かせませんからね、使用するライトの数も必然的に多くなるわけです。
そこで、本格的な仕込みに入る前に、まずは、使用するライトを集めて用意する、という作業からスタート。
その一方では、通常、天井近くに上げられている「照明バトン」を降ろして、こちらのスタンバイ。
分担して効率良く、作業を進めていきます。3枚目の写真。
5月11日以来、今年度4回目の紹介となる「ドラマ制作2012」。
前回の「プロットをブラッシュアップ」。票数の多い2編について、制作系スタッフとして携わる放送芸術科の学生を中心に、さらに意見を出し合っての吟味。
このような経過を通って、より膨らみを持った2編。
今回はまず、それらのプロット案を企画した2名の学生が、プレゼンテーション。この様子が1枚目と2枚目の写真。
プロットのコンセプトやポイントやを改めて伝えた後に、多数決。
さあ、果たして、どちらのプロット案が選ばれたのか、というと・・・
実は、どちらも完全な同数。
ということで、検討した結果、2つのプロットのコンセプトを融合して、新たなプロットを作成することに。
なぜならば、どちらのプロット案も、「夢」「希望」という点で、テーマが同じだったからです。
このような過程を経て、次第に、土台作りが、進んでいきます。
この日は、土曜日ということもあって、人は少なめで穏やかな様子。
写真左が改札口ですけれど
朝は人をかき分け、そして、夜は蛍光灯の明かりが際立ち
上に視線を向けない限り目立たず解らないのですが
天井には、明かり取りの白い小窓があって、改札前はひと際明るいのですね。
朝の通学ラッシュ時には、改札をでる学生達で、行列ができるほどの駅構内。
そして、改札口を出て、切符の自動券売機付近を。
写真左側には、数年前までカレーショップがあって
学校へ向かうには、その間の小道を進みました。
さらに、もっと前には、写真左方の広場自体がなく
ファストフード店があったり、小さな商店があったりと
今とは、かなり違う駅前だったのです。
東放学園専門学校に通う、大半の学生が使用する鉄道「京王電鉄」。
卒業して、何年かが経過すると
楽しい学生生活や学校での想い出と共に、この、京王電鉄での通学、
そして、学校舎への道の、風景の記憶も、よみがえるでしょうね。
授業の後、友達との会合の後・・・などなど
その時のライフスタイルと同義に、学校周囲の風景も
想い刻まれるものではないかと、想像されるわけです。
と、いうことで・・・
満を持して?(笑)のシリーズ「明大前駅からの校舎」その1のスタートです。
京王線新宿駅への上りホームを下車したところ。新宿方面を観たアングル。
このアングルの、この辺りの様子の記憶は、ほとんどないでしょうね。
学校へ向かう道筋の、ほんの一瞬の過程でしかないからです。
電車が通り過ぎた後のホーム。
「朝の眩しさ」を感じる、そんなひととき、そんな風景。
今日これからの時間というものを、最も凝縮して感じるところ。
抽象が具現化するきっかけの光景が、ここに広がっているのです。
在りし日の、校舎内ロビー。
陽が傾き、降りていくひとときの、放課後。学生達が集まって、何かをしている様子。
2枚目の写真をご覧いただくと、まあアレですね、
知っている人には解り、知っていない人には解らないという
ごく当たりまえな表現しかできないのが恐縮ですけれど
「手八」と読んでいる、手に持つ「8の字巻き」の練習風景です。
カメラマンも音声マンも、共にアシスタントの時期には、この「手八」は必須の作業。
まずはこれができないと、この先に進めない、と言っても、過言ではありません。
なぜ、「8の字巻き」にする必要があるのかは、文章だけでは簡単に説明できないので、割愛しますけれど
ケーブルの内部構造や、巻く事によって生じる「ねじれ」、ケーブルのクセ・・・
などの影響が主な理由なのです。
写真はそれぞれ、先生がお手本を見せて、速く確実に巻く方法を伝授。
そして、学生が練習をするという様子です。
特筆すべきは、放課後であり授業中ではない、ということ。
つまり、学生が自主的に集まって、自主的に練習しているわけです。
あくまでも、自分のため!ではありますけれど、
素直に、偉いな! やるな! とも思います。
ということで、本番前日にテレビ美術科が建て込んだ美術・大道具。
実際にどのように使用されたのかを、「いきなり!」の本番中動画でご覧いただきましょう。
番組制作演習の本番、CM中の転換の様子です。
15秒の短時間で、歌のコーナーからトークのコーナーへ。出演者やスタッフ、それに、もちろんテレビカメラなどの、一斉移動。
言うまでもなく、学生の動作、とても機敏。他の細かい説明は、不必要ですよね。
さて、話題は再び「番組制作演習」本番前日の、テレビ美術科学生による美術セット建て込みの様子に戻ります。
あの「SFテイスト」のトークショーコーナー用の建て込みの一方では、歌のコーナー用の美術セットの建て込みも。
こちらは緑色と茶色のデザイン。SFとは趣きが違うテイストですね。
当然の事ながら、番組によって美術セットのデザインは変わりますからね、その建て込みの方法も変わる。そうなると、個々の細かな作業も変わるわけです。
その比較的細かな作業や加工にも、いろいろなノウハウというか、合理的な手段というものが関わりますからね、その都度、授業を担当している講師の先生が、アドバイスをしながら、そして一緒に手伝いながらの作業。
この一つ一つの積み重ねが、欠かせない経験になって、とても勉強になるのです。
3枚目の写真。これが今回、建て込みに勤しんでいる美術セットの「青図」。
主に、スタジオフロアーに対する美術セットの配置を示したものでしてね、これを見ながら、作業を進めていきます。
「番組制作演習 テレビ美術科編」は一旦お休みして、今回は、この授業。
1枚目の写真。場所は、実習授業中のテレビスタジオですけれど、テレビカメラや美術セットなどの見えず、代わりに、赤色の丸い物が見えますよね。これらの赤色の物体は何か、というと・・・
「カメラケーブル」なのでございます。
一つの固まりが100メートルの長さになっていて、これを「八の字」形象に巻く練習。
将来、立派な一人前のカメラマンになるためには、まずは「アシスタント」業務。
ただ、アシスタントと言っても、この仕事の範囲はかなり広いわけですけれど、それらの沢山の業務の中の1つに、カメラケーブル巻きが含まれるのです。
言い方を替えれば、この「八の字巻き」を確実に速く巻くということが、差し当たり求められる必須の技術、ということ。
写真の授業は、放送技術科の1年次の実習授業。
テレビカメラの操作に関する実習がメインテーマの授業ですけれど、カメラケーブルの構造や取扱いについて、一通りの説明を受けた後は、ケーブル巻きの練習。
立派なテレビカメラマンになるためには、絶対的に欠かせない要素の1つなのです。
床材の一通りの仕込みが終わると、パネルの搬入。1枚目の写真。
スタジオフロアーの一角に設けられる、トークショーの美術セット(背景)として、使用される物です。
一見、宇宙・銀河の様相で、SF(サイエンスフィクション)チック。もちろん、今回の番組本番のために、テレビ美術科の学生が製作したもの。
これは、「塗装」というより「絵画」と言った方が良いでしょうね。デザインというより、アート。力作です!!
このような道具や装飾各々の製作は、日頃の定常的な授業時間外の、放課後などを利用しての作業。言わば、準備の準備でしてね、これが、8月までの授業期間中、毎週、そして、毎日のように、行われているのです。
そして、2枚目の写真。女性が独りでパネルを持ち運んでいる様子。学生ではなくて、テレビ美術科ティーチングアシスタントの職員。
ベニヤも、垂木も、それぞれ単体では軽いですけれど、それが合わさってのこの大きさだと、実は、以外に重たいのですよね。
「学生には負けていられない」という決心の下、頑張ってます!
パネルが並べられると、転倒しないように背後から添えるように支える「人形」を釘で打ち付け・・・
いくつかに分割されたパネルを、安定的に接合させるために、パネル同士を、添え木を当てて釘で連結。
3枚目も4枚目も、釘を打つ何気ない様子の写真ですけれど、非常にサマになっていて、格好良いです。
はい、この流れで引き続き、テレビ美術科の実習授業の様子を紹介しましょう。
授業は、東放学園専門学校2年次の全学科合同実習の「番組制作演習」です。
1回の本番のスタンバイに対して、その作業を開始するのは、テレビ美術科の学生。本番日前日の夕方からテレビスタジオに入ります。
なぜならば、本番当時は照明や音声、そして映像や制作部門の、総勢数十名の学生スタッフがスタジオに入るわけでしてね、その状況下では不可能な作業が、沢山あるからです。
1枚目の写真、真俯瞰(被写体に対して真上)からのアングルで、一見して解りづらいですけれど、スタジオフロアーに「床材」を敷いている様子。
この作業は、まさに、人が沢山居る状態では不可能ですよね。
敷くだけでなくて、床材同士をつや消しテープで固定して、ズレないようにする作業も。2枚目の写真。
重たいロール状の床材を持ち込み、少人数の精鋭集団で、手際良く進めていきます。
一方、スタジオフロアーの別の場所では、その床材の上に敷かれた「サンプレート」(硬質塩化ビニル板)に、記しを付けているところ。
あてているメジャーは、先日の「オープンキャンパス 体験入学」で紹介した、尺貫法によるメジャー。
少し見づらいですけれど、右に見える「10」という数字が、「10寸」で「1尺(およそ30.3センチ)を示す部分です。
「大道具を作ってみよう!」というテーマで、美術・大道具製作を行ったテレビ美術科の作業工房を飛び出して、次の場所はテレビスタジオに隣接した美術・大道具倉庫へ。
引き続き、「オープンキャンパス 体験入学」テレビ美術科の紹介です。
ここは、日頃の使用頻度が高く、汎用性が高い美術セットを収納したり、大道具の建て込みに使用する道具などが置かれているスペース。
担当の職員が、それぞれの道具の名称や、どのように使用されるのかなどを、配布する資料と共に説明している様子。1枚目の写真です。
特に、背後に見ている木製の道具2種類は、非常に使用頻度が高い物でしてね、これらを使用しない事はない、と言っても過言ではありません。
ちなみに、白色の丸い物体の奥が「平台」、その右に積上っている物が「箱馬」です。
そして、次の場所は、テレビスタジオのスタジオフロアーでの見学。
スタジオ環境の説明と共に、製作された美術や大道具などが、どのようにスタジオに配置され使用されているのか、などの説明を受けている写真が、2枚目と3枚目。
最後に、就職資料室にて、就職や進路に関する説明を。
何と言っても、就職するために、そして、現場で活躍するための専門学校ですからね。この話は欠かせないわけです。
以上、「オープンキャンパス 体験入学」テレビ美術科編でございます。
体験入学の内容は、日程によって異なりますので、ご確認の上、ぜひ!ご参加ください。