前回に続き、東放学園専門学校「オープンキャンパス 体験入学」テレビ美術科「大道具を作ってみよう!」編。
ただ聞くだけ、ただ見るだけではなくて、製作を経験する実践的体験入学でございます。
ベニヤ(板)に対して、縦に垂木(たる木)を打ち付けた後は、垂木の余長をノコギリで切断。
日頃使っていて意識しないというか、押したり引いたりの往復運動になりますからね、あまり気にしないのですけれども、特に日本で使用されるノコギリは、引く動作によって切断。押しよりも引きの方が、力が与えやすいですから、合理的なメカニズムになっているです。
切断した余った垂木を使って、パネルに対して横に渡す添え木の打ち付け。この作業が終わると、薄いベニヤのパネルも、随分と安定的になります。
体験された皆さん、どことなく手慣れた感じ。そもそも、格好がサマになっていますよね。
少々の説明をするだけで、黙々としなやかに、作業が進んでいきます。
テレビやメディアなどの仕事全体が「もの創り」の仕事。この中で、美術や大道具の仕事というのは、その中で、さらに「もの造り」。
そして、パネル作り一つでも、チームワークによって、合理的にスムーズに製作が進むのです。
さて、今日の1枚目の写真。立っている人達がそれぞれが手に同じ物を持ち、それを眺め見ている様子。
持っている物はいったい何かというと、メジャーなんですよね。
メジャー自体はそれほど珍しくはないですけれど、手にしている物は、普通と少し違いましてね、メーターモジュールではなくて、実は尺貫法に基づくメジャー。
「オープンキャンパス 体験入学」テレビ美術科の様子です。
新旧で言えば、尺貫法が昔の長さの単位、メーターモジュールが現在の一般的な長さの単位。けれども、家屋の建築では現在も尺貫法が一般的ですし、テレビや舞台の美術セットやその設計も、尺貫法。
ということで、実習は、この説明からスタートです。
テレビ美術科の体験入学、この日は「大道具を作ってみよう!」がテーマ。美術セット製作・造作の基本となる「パネル」の製作実習。
これを、参加された方と在学生と先生とで、一緒に作ります。
使用する道具の説明後は、先に担当の先生による手本。その後に、全員での製作作業に進みます。
東放学園専門学校各学科のガイダンスやシミュレーションが終わって、いよいよ!本番日へ突入!。
2年次全学科が参加しての、本格的実習授業「番組制作演習」です。
改めて説明しますと、放送芸術科の学生が番組の企画や構成などの内容を考え、テレビ美術科が番組の美術セットをデザイン・造作をして、照明クリエイティブ科が出演者や美術セットを灯す照明をデザイン・プランを立て、放送技術科が番組の具体的な映像構成などを考え、放送音響科が番組中に流す効果音を考えたりマイクロフォンプランを構築して・・・、というふうに事前準備を進め、本番当日に望む!というもの。
このような各々の作業を進めて、本番当日を迎えるのです。
「切磋琢磨」という言葉が最も合致するであろう、この授業。
これらを通して、学べる事や得られる知識は、そのすべてをここには書けないくらいの量になるでしょうね。
今後、何回に分けてゆっくりと、この実習授業の紹介をさせていただきます。
ロケーション(撮影)というのは、屋外だけで行われるわけではないですよね。当然の事ながら、いろいろな物理的環境・照明的環境などで、撮影することになるのです。
ということで、いつもは教室で行っている授業ですけれど、今回は外に出て、屋上での実習授業。1年次の、チームワークや撮影の基本を学ぶ授業の紹介です。
この授業は、高価な高機能な機材を使用するのではなく、チームワークで一つの作品を創る、その周囲の知識や大切さを勉強する内容。
ごく基本的な取扱い方法を学んだ後は、「まずは撮ってみよう!」がテーマ。
番組・作品創りのために、あるいは自己表現のために、つまりそれらを達成するためには、使用する道具を、しっかりと使う技術を持つ事が大事。それらを何度も経験することで、過度に力むことなく、自然にしなやかに、使いこなせるようになっていくわけです。
特に3枚目の写真、真剣に撮影に取り組む、学生の表情。1年生ですから、入学して勉強を初めて1ヶ月と少しですけれど、既に、どことなくプロに近い雰囲気を感じます。
そして、何を撮っているか、というと、同じクラスの学生による、即興の「マジックショー」。
なぜマジックの道具を持っているのか、という疑問も少々ありますけれど(笑)、その手さばきは、立派なものだったのですよね〜。
放送音響科の「番組制作演習」シミュレーション。続いては、MA的・音響効果的な収音の実習です。
1枚目の写真、学生が持つグレーの物体は、専用のケースに収められたマイクロフォン。これと「ハンディレコーダー」とを結線しての録音中の様子。。このセットで、撮影場所の「ベースノイズ」と呼ばれている背景音を収録している様子です。
撮影した映像を編集して、必要な部分を抽出するのですが、同時に記録されている音をそのまま使用すると、繫いだタイミングで「音のブツ切れ」状態になって、聞きづらいですよね。
このため、ベースノイズを、比較的長時間に渡り、別に録音しておいて、音の編集作業にあたる「MA」作業時に、その音をバランス良くミックス。
こうすれば、臨場感が増す、より自然な音に近づけることができるのです。
このようなシミュレーションやガイダンスを通じて、自分の身の回りの個々の知識だけでなく、共に作業する他のスタッフの仕事や機材についても、理解していくのです。
(撮影・原稿案:Tanabe)
東放学園専門学校2年次の、放送芸術科・放送技術科・放送音響科・照明クリエイティブ科・テレビ美術科が合同で行う本格的実習授業「番組制作演習」。
今週から1回目の本番が始まりました。
その様子は後日、しっかりとお伝えしますけれども、番組のフォーマットは、最初の数回はスタジオ部分と中継部分。しかし、今後ステップアップして、VTRの部分も加わります。
そのために、放送用機材を使用してのロケーションを行うわけですけれど、当然の事ながら、映像だけでなく音声も収録。
ということで、今回は、放送音響科の事前ガイダンスの様子です。
スタジオや中継の環境下での、音声やそのスタンバイなどの復習を終えた後は、ロケーション環境での音声収録のスタンバイ。
1年次に一通り勉強していますからね、このタイミングでは、実践形式の復習。
まずは、必要な機材を、確実にスピーディーにスタンバイするように、シミュレーションです。
1枚目の写真は、実際に使用するENG(取材用)カメラに、音声ケーブルを結線しているところ。
2枚目の写真は、ワイヤレスピンマイクのスタンバイ。小型のマイクロフォンを衣服に取り付ける、専用の「ピン」をスタンバイしたり、送・受信機に使う電池交換を素早く行うための練習中。
3枚目の写真は、インタビュー用マイクロフォンなどを繋げて、ポータブルミキサーの使用訓練を行っているところです。
(撮影・原稿案:Tanabe)
『© 国立天文台』http://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/
「国立天文台 天文情報センター」
いよいよ、近づいてきました、金環日食・部分日食。
来週、2012年5月21日の朝に、画像のグレーに塗られている範囲で観測できます。
太陽の大きさに対して、月の大きさはおよそ1/400。
また、地球から太陽までの距離は、月までの距離の400倍。
地球は太陽の周りを公転していますが、この速度は、およそ時速107000キロメートル。
この速度と神秘がもたらす、天体ショーを
専用のメガネなどを使って、どうぞご覧ください。
けれどもしかし、天気が怪しいんですよね〜。
機材の使い方を練習したり、撮影の技法を学んだり、それらに関わる知識を得たり・・・と、学校の中で学生として勉強する事は沢山あるわけですが、一方では、実際の現場でプロのスタッフがどのように番組・作品製作に携わっているのか、その苦楽は何なのか・・・という「生の話」というか経験談というか、そのような話を聞くことも、非常に大切なんですよね。
視聴者として、あるいは、客として見ているだけでは解らない「スタッフとしての醍醐味」が、そこに沢山あるからです。
写真は、いろいろなジャンルの番組製作で活躍されている方をお迎えしての、座学の授業でして、今回のゲスト講師の方は、テレビドラマの撮影技術を担当されている「須田 昌弘」さん。
最近では、TBSドラマの「JIN-仁-」「ランナウェイ」そして、今月初めに放送された「理由」などの、テクニカルディレクターやチームカメラマンを担当されている方でしてね、数多くのテレビドラマに携わっている方なので、「名前、見たことある」という人もいるでしょうね。
こうして話を聞けば、実際の現場の様子を少しでも想像できる。さらに、大勢の方の話を聞けば、いろいろな現場の様子を沢山想像できる。
これらを通して、その様子に自分の働いている姿をトレースして、自分の目標や将来像を明確化していくのです。
この時期になると、東放学園専門学校がある都心部でも
ちょっとした植え込みで、数多く見られる薄いピンク色の花。
黄色いタンポポと同じくらいメジャーなこの花は「ハルジオン(春紫苑)」。
入梅を目前にして、競って急いで咲いている様子。
何とも健気ですよね〜。
「健気」と言えば、上の2枚の写真。
共に、重たい物を、手で持ち歩いて、運搬している放送技術科とテレビ美術科の学生。
もちろん、撮影したのが両学科の学生というだけで、どの学科も、これらのスタンスは同じ。
経験も学ぶ事も必要ですしね、加えて、今のうちに体力を付けておく、ということも大事。
メディア・業界は、体力勝負。慣れておいた方が、今後のためになるわけです。
果たして、何のスタンバイをしているかというと
5学科共同の実習授業「番組制作演習」の前日準備。
明日からいよいよ!本格的な番組制作が始まります!
今回の1枚目の写真。
本校の教室ではなくて、学校法人東放学園グループ校の校舎である「新宿研究所」内の教室。
ということで、校舎を飛び出してご紹介するのは
先日開催された、韓国からの留学生のための「特別就職セミナー」でございます。
講師でお招きしたのは、東放学園音響専門学校を卒業され
同窓会組織の1つである「韓国TOHO会」の会長をされている「金 根鎬(キム グンホ)」さん。
韓国で、音響・映像機器の輸入販売やコンサルタントなどを業務とした
「サウンドストリーム社」を設立し、経営者として活躍されている方なのです。
とは言え、お話は経営に関する事というよりかは、就職するための心構え
持つべきモチベーション、社会に出てから活躍するための技・・・などなど。
大切な話に聞き入る表情は、大変真剣。
講演の終了後には、参加した学生と、金さんとの集合記念写真。
言わずもがな、留学生もやる気マンマン!
他の国からの留学生も含めて、みんな頑張ってます。
・・・ということでですね、昨年度の紹介が終わったところで、今年度の「ドラマ制作」の様子。チャクチャクと進行中です。
この実習授業、いろいろなテーマ、というか、重きを置いていることの1つが「できるだけ大勢で、できるだけ学生主体で」ということ。
実際の現場では、一致団結のチームワークの環境の中、明確なセグメンテーションもあるわけですが、この実習は学校の授業ですからね、大勢で知恵を出し合い協力し合い、「学生が主体的に創る」ということも大事。こうした方が、いろいろと広くと勉強になるからです。
授業3回目の今回は、放送芸術科に加えて、放送音響科・放送技術科の学生から掲げられた「プロット(あらすじ)」の28案の中から、採用案を選ぶ、という作業。学生の多数決の中で、票数が多かった2つが決まりました。
3枚それぞれの写真は、その2つのプロットを作った学生を中心に、それぞれ2グループに分かれてディスカッションを行いながら、さらにアイデアを出し合い、プロットをブラッシュアップしていくという様子。
いろいろな意見の中で、日頃とは違った学生の一面も垣間見られたところもあって、頼もしい限り。
今後の進捗が楽しみです。
「Last carnival」!!
2012年5月10日 ドラマ制作,放送技術科,放送芸術科,放送音響科,照明クリエイティブ科
前回お伝えしたMA作業を経て、いよいよ、2011年度実習授業「ドラマ制作」の作品が完成。
その名も「Last carnival」。作品のタイトルを紹介するのは、実は今回が初めてですよね。
2011年度のドラマ制作の紹介、最終回は、完成披露会&打ち上げ会です。
上の左の写真は、ディレクターやアシスタントディレクター(ファースト)などを担当した学生達。一見、女子学生の楽しい語らいの様ですが、実際に観られるのは、やり遂げた後の意気揚々とした笑顔です。
まずは、完成作品の披露。左の写真です。
この会場に居合わせる全員が、作品製作に深く広く携わったわけですが、完成作品を観るのは、これが初めてという学生も大勢。
それぞれ、どんな想いで観たのでしょうかね。
披露会が終わると、出演者の方々への花束贈呈。お忙しい中、駆けつけていただきました。
皆さんの多大な協力があって、素敵な作品が完成しました。ここで改めてお名前を紹介させていだくと、
・・・写真手前から、岩田 麻衣子さん・野本 蓉子さん、そして、石井 七海さんでした。
本当にお世話になりました。ありがとうございました!
その後は、製作に関わり、打ち上げ会に参加した学生・職員全員から、一言ずつのコメント。
職員目線で恐縮ですけれど、入学してからの色々な授業、そして、この実習授業を経て、本当に成長したのだな、と感じられるコメントでした。
写真右は、ディレクターを担当した学生。笑顔の写真を掲載しましたが、感極まった涙も観られました。
お疲れさまでした。
写真左は、プロデューサーを担当した学生。
プロデューサーの大切な仕事の1つである、製作の土台となる環境作りを中心に頑張っていました。
お疲れさまでした。
そして、写真右は、今年度が最後の担当となった、学校法人東放学園の昨年度までの顧問でした、島﨑孝雄でございます。
学生はもちろんの事、多くの職員も、このドラマ制作を通じて勉強になりました。
内輪の手前どもの話で恐縮ですけれど、お世話になりました。ありがとうございました。
このところ、一見すると色の違いくらいに見えてしまう写真が多いですけれど、これは、部屋の広さや携わる人数が近いから、なのですけれどね。あーあとは、写真の撮り方がそうさせているかも知れませんね(苦笑)。恐縮です。
けれどもしかし、明確に違う作業なのでして、ドラマ制作の「オフライン編集」「オンライン編集」と続いて、今回は、「MA作業」です。
MAとは、Multi Audio(マルチオーディオ)の略称。もの凄く簡単に表現すれば、音声の編集作業。
必要に応じて後から加える背景音(状況音)とのバランスをとりながら役者の声を引き立たせたり、たとえばドアを開ける音などの効果音を加えたり、音楽を加えたり・・・。そのデリケートさから「整音」と表現する場合もあります。
我々の耳は、普段生活している中で、様々な音を無意識にバランス良く聴いている(聴くことができる)のですが、マクロフォンで収められる、そのもの自体の音だけでは、耳のようには都合良く聞こえません。ですから、スピーカーからの音を、「自然な音」「感じる音」にするには、緻密な作り込みが必要になるわけですね。
ということで、このMA作業は、放送音響科のMAや音響効果の学生が担当。
もちろん、映像とマッチした音声にする必要もあるので、当然のことながら、編集後の映像を見ながらの作業となるのです。