‘実習風景’ カテゴリーのアーカイブ

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 レンズには、「最至近距離(MOD:Minimum Object Distance)」というのがあってですね、これは要するに、通常の使用方法において、フォーカスが合う、レンズと被写体の距離。
 レンズの性能によって異なるのですが、本校のテレビスタジオで使用している「キャノン」社製の最新機種は、およそ60センチ。つまり、これ以上近づくと、フォーカスが合わなくなるわけです。
   
 しかし、先日お伝えした、バックフォーカスの調整に使うツマミを回すと、理論的には、ほぼ“0”センチまで近づいて撮影することができるのです。ただし、「ズーミング」は不可能ですけれどね。これを「マクロ撮影」と言います。
 
 そこで、「カメラワーク実習」では、そのバックフォーカスと共に、マクロ機能(使い方)の説明も。
 1枚目の写真、解りづらくて恐縮ですが、レンズの直近に花のモデルを置いての説明中の様子。
 2枚目の写真が、実際に撮影された花。テレビモニターの画面を撮影したものです。
 
 ちなみに、昨年度に導入したテレビカメラのレンズには、オプションで「電動マクロ機能」を搭載。
 あのツマミを操作せずとも、手もとで簡単操作が可能なのです。

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 はい・・・、ということで、答えは、③の、いわゆる「ひきボケ」の調整でした。
 ただしく表現すれば、「ひきボケ」にならないように調整すること、でしてね、通常、被写体にフォーカスを合わせると、レンズとの距離が変わらない限り、どこのズームのポジションでもボケは生じないのですが、「ひきボケ」となると、レンズをズームアウトさせるにつれて、しだいにボケが生じ、ワイド端(ドン引き:最広角)でボケが最大になってしまうのです。
 従って、そうならぬように、カメラ側に最も近いレンズを動かして、調整する、というもの。
 「バックフォーカス(フランジバック)の調整」と言います。
 
 2枚目の写真、大型レンズのバックフォーカス調整ネジ。3枚目の写真、ポータブルレンズの調整ネジ(リング)。 
 やはり共に、カメラ本体の近くにあるのが、お解りいただけると思います。
 
 学生全員が、2〜3回、繰り返し、バックフォーカス調整の練習。
 華麗な巧みなレンズ操作よりも前に、まずは、この基本動作の徹底が、求められるからなのです。

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 さて、前回の「へルタースケルター」の撮影、そしてカラフルな「ケーキ」に変わって、今回は、ググっと黒い、機材の様子でございます(笑)。
 
 1枚目の写真の、この体勢ご覧いただくと、映像技術系な卒業生の方だったら、すぐに「何の授業なのか」は、すぐにお解りいただくでしょう。放送技術科1年生の実習授業「カメラワーク実習」です。
 
 続いて、2枚目の写真。
 1枚目のスタジオカメラ(スタンダードカメラ)だけではなくて、ハンディカメラに対しても、やはり同じ事をするわけです。
 体勢というか操作方法は異なりますけれどね。

 さらに、それらの動作に必要なのが、この一見、不可思議な模様の台紙(チャート)です。3枚目の写真。
 
 ここで、もの凄く久しぶりのクイズと行きましょうか。
 <問題>
 さて、いったい、何をしているのでしょうか。
 
 ① 目もレンズも錯覚しないための調整 
 ② カメラの「ホワイトバランス」調整 
 ③ レンズのいわゆる「ひきボケ」の調整 
 ④ たまには、いつもちょっと違った体勢的な・・
 
 (答えは・・・)

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 さて、照明バトンへの吊り込み作業が終わると、すぐに、灯体の点灯チェックと「仮シュート」の作業へ。1枚目と2枚目の写真です。
 
 点灯チェックでは、差し込まれたコンセントや回路に、間違いがないかどうか、正常動作するかどうか・・・などの確認の他、後の作業で、下から「介錯棒(さお)」などで灯体の向きを変える調整を行うのですが、ある程度の硬さで、向きなどが変えられるようなネジの締め付けになっているかどうか、・・・。
 また、一般照明は、集光(拡散)の度合い(狭範囲か広範囲か)を調整できる機構を持っているのですが、その、光の広がり具合を整えたり、灯体の向きを、おおよその向きに整えたり・・・などなど。
 これらを、使用する全ての灯体に対して、行っていきます。
 
 役割分担の同時並行で、床に直接置いたり、スタンドに載せたりする灯体用の、電源確保の作業も。
 ステージの脇には、フロアーコンセント(フロアーポケット)が、何カ所か設備されているので、そこに専用の電源ケーブルを差していくわけです。
 ただし、家のコンセントとは違って、照明調光卓による制御が絡んでいるので、やはりこれも、あらかじめ決めていた「仕込み図」通りに。3枚目の写真です。

 そして4枚目の写真。
 特に、床に置く灯体の電源ケーブルは、途中で抜き差しする必要があるので、回路側(調光卓側)と灯体側の関係性を示す番号などを記入。
 これを一致させておかないと、消えていて欲しい灯体が、コウコウと灯ってしまったり、色が変わってしまったり、と、アベコベになってしまうのですよね。

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 前回は、2月3日に紹介しました、照明クリエイティブ科2年生の実習授業「舞台照明実習」の様子。実習場所は、府中にある大型ホールです。
 
 使用する灯体を、確認しながら各所から集めた後は、「照明バトン」に吊り込んでいく作業。
 「ハンガー(吊り下げる道具)」を取り付ける、長いパイプ状の物と、電源を供給するコンセントがあって・・・という照明バトン。
 これらを、立って作業できる高さまで、上から降ろして、あらかじめデザインしていた「仕込み図」通りに、次々と吊り込みをしていきます。
 
 もうとにかく、方々で一斉に、大勢の学生が作業に取りかかるので、撮影するのも大変。動きも速くてブレブレの写真ばかりで、こうして掲載できるのは、30枚撮影して1.2枚あるかどうか、というところ。
 「あっ、あの学生を撮影しよう」と近づいてカメラを構えるタイミングになると、作業が終わり、次の場所へと移動する。撮影に失敗して、次の他の学生を撮ろうと思ってレンズを向けると、やはり作業が終わって・・・の繰り返しなのでございます(苦笑)。
 撮影者の愚痴ではなくて、それだけ、ペースが速い、ということ。
 
 まあしかし、速さを強調していますが、照明バトンを上に戻してからでは、間違いの修正は困難ですし、落下防止チェーンの取り付けは「必ず!!」。作業の確実性、そして「安全第一」は、徹底されている上での速さなのです。

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 スタジオの、やや薄暗い環境から、いきなり外の、光に満ちた世界へと移動。
 これもやはり、「ドラマ制作」の様子でして、昼休憩を挟んで、後半の一発目は、芝生の中のベンチで、手に持つCDの撮影からスタート。
 
 1枚目の写真は、日焼け防止のパラソルを持ったスタッフに、外光を利用しながら整えて綺麗な明かりを作る照明のスタッフ、フロアディレクターに音声さんに、カメラアシスタントにカメラマン・・・という光景です。
 
 サブコントロールルームやスタジオフロアーから、映像や音声のケーブルを引き回すのではなくて、校舎1階に、外線端末(差し口)が設備されているので、簡単スピーディーな作業。まあ、こういう学校ですからね、便利な環境になっています(テマエミソ)。 
 
 ・・・で、こっそり明かしてしまいますが、制服を着て座る女性は、実は本役の出演者ではなくて、代役の学生。
 手許しか写りませんからね、解りませんよね(笑)。2枚目の写真です。
 
 短時間で外での撮影を終えた後は、後半の撮影ブロックのドライリハーサルから開始です。


 
 随分と久しぶりの動画は、「ドラマ制作」のあるシーンの、ある1カットの様子。
 ドラマのスタジオ収録では、3台から4台前後のテレビカメラを使用して、それらを切り替えながら、1つのブロックをそのまままとめて撮影していく、ということが多いのですが、演技やカメラアングルなどの都合で、「別撮り」を行うことも、非常に頻繁にあります。
 
 今回紹介している動画の部分は、ご覧の通り、ハンディカメラをセットの上に置いて、出演者の近くの回り込んだ位置からのアングル。
 この距離では、他のカメラの画面に、ハンディカメラが入ってしまうので、このカットだけを別撮りする、・・・というわけです。
 
 演技の邪魔にならない位置から撮影した動画なので、石井七海さんの表情が見られなくて恐縮ですけれど、本番直前から、本番中の雰囲気をご覧いただいて、その「空気」を感じていただければ、幸いでございます。

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 1つのブロックの撮影が終わると、次のブロックの撮影。それが終わると、また新たなブロックの撮影・・・というふうに進めていく、ドラマの撮影。
 もちろん、経過時間による、一定の法則や決まりがあるわけではなくて、演技上、あるいはそれらの設定上、分けてやるべきところは分け、続けてまとめるべきところはまとめて撮影をしていくのです。
 前回、2月7日の内容に続く、「ドラマ制作」スタジオ収録の様子。
 
 リハーサル中は、1枚目の写真のように、担当する職員がアドバイスを。
 僅かな「サイズ」や「アングル」の違いなどで、「あがりの画(え)」は、随分と違ってきます。言うまでもありませんけれどね。
 ただ、時間は、余りあるほど沢山はないので、「さっさっさっ」と、合理的に修正。後で指示するだけでなく、その場ですぐに!が大事なのです。
 
 同じ光景は、音声を担当する学生へも。
 2枚目の写真、マイクロフォンブームドリーを操作する学生と、音声の担当職員。
 左手で握るダイヤルでマイクの向きを操作する、という方式なのですが、マイクが目的の方向に合っているのかどうかを、違う角度から見てあげて、アドバイス。
 これこそ、後で説明しても、あまり意味がありませんよね。

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「ドラマ制作」スタジオ本番中の、サブコントロールルーム(サブ)の様子です。
 
 当ブログでのサブの写真は、沢山の液晶モニターにそれぞれ映像が映し出されている、という光景が多かったと自覚していますけれど、今回は、暗くスマートな雰囲気。
 ドラマの場合は特に、「その映像・その演技・その瞬間」に集中しやすいように、受像は必要最低限のモニターのみにしています。1枚目の写真。
 
 2枚目の写真、手前にディレクター、次いでタイムキーパー(記録)のスタッフ。もちろん、学生です。
 ディレクターは「演出」を、タイムキーパーは、その結果とも言える、芝居や時間などの「記録」を収めていく、という仕事を担当。
 ごく簡単に言えば、同じ芝居(撮影ブロック)を2回以上撮影したり、隣り合ったシーンが日替わりの撮影になったりすることもあるのですが、これらの整合性をとる大事な役割を負うのがタイムキーパー。
 ですから、ディレクターとペアーになっての、大切な「二人三脚」的関係なのです。

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「目まぐるしく・・・なかなか撮れない・・・」というのは、写真を撮影する側の単純なる思いでしてね、スピーディーで、無駄のない、意気揚々とした場面である、こういうわけです。真に。
 
 僅か数分で灯体や機材を機材車から降ろし、次に、使用する灯体の設置準備に取りかかっている様子。1枚目と2枚目の写真です。
 
 照明の灯体というと、「黒っぽい」くらいのイメージで、たとえば客席の遠くから見ると、あまり違って見えない、というところがありますが、実際には、非常に沢山の種類(違い)があるのですよね。
 さらに、あらかじめデザインされているライティングプランによって、どの場所にどの灯体を使用するかが決まっていますからね。
 もう本当にドンドンテキパキと、作業を進めていくのです。
 
 そして3枚目の写真。
 ホールのステージは、立派で奇麗な木床が敷かれているのですが、この「床の染まる色」もデザインの中に入るわけでして、それらの色を奇麗に出すように、グレーのパンチカーペットを敷くのです。
 もちろん、この作業も学生自身で。
 手分けをしての、すべてが同時並行。一挙に手際良く・・・なのです。

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「相手を敬(うやま)う」「感謝の意を伝える」というような礼儀。これは、仕事をする上でも欠かせないですよね。この気持ちが土台にあり、その上に仕事がある、と言っても過言ではないでしょう。
 ですから、すべての作業を始める前、とにかく、一番最初に、まずは挨拶をし、それらの気持ちを伝える、ということをするのです。
 1月19日に続く紹介となる、照明クリエイティブ科2年生の実習授業「舞台照明実習」の様子。
 実習場所は、府中にある大型ホールです。
 
 1枚目の写真は、まさにその様子でして、向かって左側にいらっしゃるホールの係りの方に、学生全員が向かい、「お世話になります。よろしくお願いします」をしているわけです。
 繰り返しますが、こちらの作業開始前にご挨拶申し上げることが、この順番が大事ですよね。
 
 その直後は、間髪入れずに、機材降ろしの作業を開始。
 ホールの機材の他に、学校からも相当量の機材を持ち込んでの実習なのです。2枚目の写真。
 
 学生の作業スピードが早く、やや薄暗いということもあって、ブレ気味の写真になり恐縮ですけれど、返って、その「スピード感」はお解りいただけるでしょうか。3枚目の写真です。

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 前回の続き、なのですけれども、いつの続きかというと、年明けの1月7日にご紹介した内容。
 テレビ美術科1年生の「造形制作実習」です。
 
 ちなみに、当ブログサイトの左側にある、「カテゴリー」で各学科を選んでいただくと、それぞれの内容が順次まとまって見られますので、ぜひご利用ください・・・と、たまにお伝えしておきましょう。
 
 緊張感が漂う、熱心に作業を進める様子をお伝えする事が多い、この授業ですけれど、実習授業ですからね、学生同士で談笑する時間も、あるのです。
 メリハリのある集中力を持続させるためにも、息抜きは必要ですよね。1枚目の写真です。
 
 パテで表面を滑らかに加工した後には、塗装のための寸法入れの作業。
 写真2枚目のように、定規やコンパス等を使いながら、モデルとなる「本物」に似せるように、デザインしていきます。
 
 そして、2枚目に写る学生のモデルが、このペットボトル。3枚目の写真です。
 難しいのは、モデルの実物と造作している物の大きさが違う、というところ。
 リアルさを表現するためには、実寸を確認したり計算したりして、長さや大きさを割り出す・・・。
 このような、緻密な作業が要求されるのです。

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 さて、いよいよ本番。
 1枚目の写真は、サブコントロールルーム内の、ミキシングコンソールの部分です。
 一見、職員ふうに見える人がいますけれど、この3名はすべて学生。事前に、しっかりとレクチャーを受けたり、練習したりしていますからね、本番は学生だけでチャレンジ。操作方法を学ぶだけではなく、「難しさ」も経験。
 これらを自覚することも大事ですよね。このタイミングから、いろいろな事がスタートする、と言っても過言ではない、と思うのです。
 
 2枚目の写真では、友達のミキシングを観察している学生の表情を。
 当然ながら、学生ですからね、完璧とまでは行かずとも、いろいろと試行錯誤を繰り返しながら少しでも「良い音」を目指す、このような動作を、じっくりと観察することも大切なのです。
 
 3枚目の写真。ミキシングコンソールの前にある、テレビモニターを見ている様子。
「音」と言えども、ただ闇雲に、ひたすら音だけを聴くのではないのですね。
 カメラを通しての、出演者の細かな表情や動き、つまりは「芝居」を、しっかりと把握しながらのミキシング。
 ここにも、「良い音」を収めるための貴重な情報が、沢山含まれているからです。

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 そして、ドラマの音声収録で、非常に頻繁に使用される、もう1つのマイクロフォンが「ガンマイク」。
 もう1つとは書きましたけれど、どちらかというと、こちらがメインなのです。
 
 ところで、この「ガンマイク」、細長い棒状の形をしているのですが、この棒の先の延長方向からの音を拾い、それ以外の方向の音を相対的に拾わない、という仕組みに設計されているマイクロフォンでしてね、つまり、方向が大事。
 方向が合っていれば、やや遠くに音源があっても拾いますが、ズレてしまうと拾わないのです。
 
 位置が移動できたり、角度が変えられたり、マイクロフォンの向きを調整できるなどの機構を備える「マイクロフォンブームドリー」という機器を使用して、音を収録していきます。
 
 1枚目の写真、奥から伸びる棒の先に、ぶら下がるように取り付けられているのが、マイクロフォンの本体。
 操作側が、2枚目の写真。左手でダイヤルを操作して、マイクロフォンの向きを変えます。