しっかりと着実に、制作準備が進行している「ドラマ制作 2013」。
関わる全学科の学生が参加しての授業は、今のところ月に一度ですが
制作系のスタッフを担当する、放送芸術科を中心とした授業の集まりは、毎週実施でして
この日は、明くる日に控えた全学科集合での授業を前に
その場で発表するストーリーや、ロケーションを行う場所(ロケ地)など
「プレゼンテーションする内容を詰める」がテーマ。
特に焦っているというわけではないですけれど
映像・音声・照明の、各技術系スタッフに、内容全般をイメージしてもらうためには
大まかなストーリーはもちろんの事、撮影場所の候補だけでも伝える、ということは
非常に重要なのです。
そのためにも、プレゼンする内容に関して、話し合って吟味する事が欠かせないわけですね。
それを象徴とする、というか、それを代表としている姿が、左下の写真。
職員の間に座る学生2人。同じ様なスタイルで、いろいろと真剣に考えているのです。
(写真撮影:学生 AZUSA)
朝礼後の職員室では?
2013年7月1日 学校の様々
左上の写真。学生が何か「ヘラ」のような物を持っている様子ですが
一見して、どんな作業なのかは、イマイチ解りづらいでしょうかね。
そして、右上の写真。これをご覧いただくと、何かを削り取っているな、という感じ。
さて、いったい「何から何を削り取っているのか」というと
4月30日に紹介したような、美術セットを実現させるための「パネル」から
それに貼られていた「紙」を削ったり剥ぎ取ったりしているのです。
そして、なぜ?そんな事をしているのかというと
一度限りの使用で、パネルを廃棄してしまうのではなく、表面だけを変えて
パネル自体は、再利用しようという目的によるもの。
パネルに加工する木材の無駄を減らせますしね
つまりは、いわゆる「エコ」にも繋がります。
作業に勤しんでいるのは、テレビ美術科の学生です。
(原稿案 写真撮影:職員 石原)
いわゆる「梅雨入り宣言」的な発表があってから
少し間をおいて、本格的な梅雨らしい天候が続いていましたけれど
ようやく、小休止の素敵な一日。
乾燥した、透明度の高い空気に覆われて
地平線近くには、濃淡も明暗もメリハリが効いた夕陽。
空高い所には、ハケで掃いたような薄く白い雲が、暗闇へと傾く青空に彩りを添えて・・・。
見える光景はまるで、真夏を通り越して、秋のよう。
写真はそれぞれ、東放学園専門学校 本館6.7階からの様子。
特に、左下の写真はちょっとレアな、北北東の方向を。
実は、その写真の中央上方には
入学式を行った「中野サンプラザ」の白い建物も、見えています。
(クリックすると、拡大表示されます)
たとえば、トンネルを走行中
その中でカーブしていれば、出口の先の光を直接見る事はできませんよね。
また、リールに丸く巻かれたゴムホースの中を覗いても、それは同じ。
これは、光の直進性によるもの。
真っすぐにしか光が進まないので、カーブしていれば、その先には光が届かないわけです。
けれどもしかし、今回の上の写真。
何回もカーブを描くように巻かれた100メートルのケーブルですが
赤色の印のすぐ下には、青白い光が小さく見えていますよね。
これは、その部分に光源があるのではなくて、100メートル先のLEDライトの光。
カメラケーブルは、映像信号などをデジタル信号に変換し
そのデジタル信号を「光の点滅」に変換して、ケーブル内を伝送させる、という仕組み。
そして、光を通しているのが「光ファイバー」という、髪の毛1本の太さにも満たない、ガラス繊維でして
途中でカーブしていても、しっかりと光を届けてくれる特性を持つのです。
少し前の授業ですけれど、放送技術科1年生の実習、まず、カメラケーブルの仕組みを勉強。
その後は「8の字ケーブル巻き」の練習。
これは、数十メートルから数百メートルの長いケーブルを痛める事なく
配置したり運搬したり、カメラに接続された状態で使いやすくするための巻き方なのです。
素早く正しく巻く。これは、就職してすぐ、アシスタントの期間から、すぐに求められるものですからね
即戦力のために、しっかりとトレーニングです。
そして、この時間は、学校見学にいらした方も
良い機会なので、少しだけ一緒に練習していただきました。
ちょっとレアなアングルから
2013年6月25日 実習風景,照明クリエイティブ科
そして、シリーズ?の最後は、6月20日に紹介したあの写真。
レーザービームによる、サークル状の光の写真。
その中に写るのは、授業に参加した学生達。
傍観的に、レーザー光を目にすることはあっても
手には届かない、ちょっと遠くの出来事的な観察眼で終わる、という事が大半かと思いますけれど
この特別授業の最後は、そのレーザーの、幻想的な世界に入って見てみようという時間。
左上の写真、学生の背後からの写真。
目に直接光が入らないように、光源に対して後ろ向きに入って・・・という安全をクリアした上で
スマートフォンを出して、撮影している学生の姿です。
右上の写真は、その立ち位置に入って、光源側の撮影。
視覚的には筋であっても、原理的には「点」。
さらには、光そのものは、「光子」という、素粒子の集合体のようなもの。
人の眼には、それらに連続性が伴うわけですね。
最後の下の写真は、「カラーレーザープロジェクター」の出力部分。
写真では、2枚のミラーが見えていて
何となく、動作原理の一部を、垣間見られたと思ったしだいです。
ランダム株式会社の皆様、誠にありがとうございました。
感慨深い、活躍の姿!
2013年6月24日 実習風景,照明クリエイティブ科
前回お伝えした「レーザーグラフィックスショー」。
これは、主にレーザー光の「照射先ファンタジー!」(勝手に造語・・笑)でしたが
上の大きな写真、こちらは、到達するまでの「途中ファンタジー!」(勝手に造語)でございます(笑)。
極めて私見を申し上げますと、いずれも「ずっと観ていたいなファンタジー!」(またでた)。
そして、このショーのオペレート、どなたが担当されているのか、というと
本校の照明クリエイティブ科を卒業し、本校の照明クリエイティブ科のティーチングアシスタントを担当し
昨年、ランダム株式会社に見事!就職を果たした方。左下の写真です。
卒業生である、という事ももちろんですが、多少大げさに表現すれば
職員という同じ立場で苦楽を共にした仲間ですからね
その後の、活躍している姿が観られる事は、大変嬉しく感慨深いものなのです。
日頃、太陽光線も含めて、光の筋を見るということはほとんどないのですけれど
高輝度で直進性が強いレーザー光に、意図的に煙りを当てると
照射物以前の言わば「中途の光」が、こうして見られるわけです。
観察される「模様」は、煙の粒子の「粗密」によるもの。
レーザーグラフィックスの世界
2013年6月22日 実習風景,照明クリエイティブ科
「ランダム株式会社」の方々です
2013年6月21日 実習風景,照明クリエイティブ科
今日の1枚目「星」。
星しか見えませんからね、その映像を投射しているようにも感じますが
これも、レーザー光で描いているもの。
このレーザーの元は「1本の光の筋」。要するに「一筆書き」に近い描画方法なのですよね。
もの凄く高速で描いているので、その様には見えませんけれど。
実はこの「星」、お見えになったプロのスタッフの方が、この場で即興的に作ったもの。
MacBookProに向かって、まずは星の図形を描いて
その輪郭上に任意の座標点を決めて・・・というふうに。
ごく簡単に言えば、その輪郭上をレーザービームが進むように、プログラムするということですけれど
言わずもがな、実際はこの説明より複雑で、奥が深いのです。
そして、今回の特別授業を担当してくださったのが
コンサートライブや各種イベントなどで、数多くのレーザービームライトショーを制作演出している
ランダム株式会社の方々。右下の写真の、右のお二人です。
まずは、その危険性を知る
2013年6月20日 実習風景,照明クリエイティブ科
薄暗いスタジオに、直線的で寒色系な光の筋。
幅を持った光の筋の先には、その到達点で光り輝くように、丸い光・・・
その幻想が、人が居てそこが空間であるという現実を教えてくれる・・・。
・・・とまあ、前置きはこれくらいにして、今回は照明クリエイティブ科の学生が参加する
「レーザーライトビームによる光の演出」がテーマの、特別授業です。
この特別授業で、一番最初に教わるのが、レーザー光が持つ危険性。
光の演出やそれがもたらすエンターテイメントが目的であっても、ここは学校で授業ですからね
まずは、危険性を知って注意点を勉強する。とても大切な事。
危険回避・安全徹底は、社会に出て仕事をする上で、最も重んじられることだからです。
そこで、講師を担当されたプロのスタッフの方が、それを解りやすく説明。
右上の写真は、短く切ったガムテープを、レーザー光の先に当てている様子。
そして、左下の写真。
撮影が上手くなくて、残念ながら見えないのですが、照射されている部分から煙が・・・。
その後に撮影したガムテープ。
部分的に融けている様子が、ご覧になれるでしょう。
これでも、事故に繋がらない程度の、低出力での照射でしょうからね
その威力を、思い知らされます。
繰り返しますが、決して、学生の恐怖心を煽っているのではないのですよ。
「そのものの特性」をしっかりと理解する事と、それが含み持つ危険性を理解する事とは
ほぼ同義だからです。
そして、テレビスタジオ内でのアシスタントディレクター「フロアーディレクター」。
その主立った仕事に対して、象徴する姿を想像すると、これらの様子になるでしょうか。
もちろん、本当の仕事は、前回もお伝えした通り他に沢山・・・というか
本番当日を迎えるまでの準備の仕事を含めると
その仕事の一部が、今回の写真のその姿である、と言うのが真でしょうね。
右上の写真の学生が、頭に付けているものが「インターカム(インカム)」。
サブコントロールにいるディレクターとコミュニケーションをとるための道具。
時間や様々な指示を知らせるのは、残り時間が書かれた「カンペ」と呼ばれる物と、手。
「もの作り」に欠かせない、大切な手段。
その手段を達成するためには、欠かせないのが
伝えようとする気持ち、良い作品にしようとする気持ちです。
(写真撮影:職員 伊辺)
上の写真。6月15日に紹介した中に、似たようなものがありますけれど
こちらは、立っているのが出演者ではなくて、アシスタントディレクターなどが扮する代役の学生。
首から下げている看板のような物は、出演者の名前が書かれた、大きな名札でして
数回繰り返されるリハーサルや位置決めなどのために
始めから終わりまで、すべてに関して、実際の出演者にお願いするわけにいかないですからね
こうして、出演者の代わりをしてくれるスタッフが、欠かせないのです。
カメラや照明などの技術スタッフにとっては、非常に助かります。
そして、カメラリハーサルなどの合間に、すぐに出演者の近くに進み
いろいろなお願い事や、動きや台詞に関する確認や説明などを行ったり
そのために、スタッフ同士で打合せをしている様子が、上や下の写真。
これも、アシスタントディレクターの大切な仕事。
こうして、前回紹介したサブコントロールのディレクターと出演者との、橋渡し役とも言えるでしょうね。
もちろん、指示待ちするのではなくて、アシスタントディレクター自身の判断も必要でして
これが、円滑に番組制作を進行させる「要」となるのです。
今回の4枚の写真。それぞれ「サブコントロールルーム(副調整室)」の様子。
ただ、サブコントロールルームという名称は、一種のテクニカルタームですからね
もちろん、当然機材は沢山並んでいますし、技術系のスタッフが多い場所ではありますけれど。
そうですね、もう少し解りやすく説明というか換喩するとですね
「指揮室」「統率室」「演出・進行室」「完成化室」「番組制作制御室」・・・
ちょっと、パッとしない感じですけれど、何となく見えてくるでしょうか。
いずれにしても、その中枢的存在が「ディレクター」。
本校では、放送芸術科の学生が、担当します。
「番組制作演習」カメラリハーサル中。
左上の写真では左に写る学生、右上の写真では左から2番目の学生・・・などがディレクター。
この日のため、その瞬間のために、各スタッフに指示などをしながら
準備を進めてきたディレクター。
リハーサルから本番にかけては、その当初からの思惑や目的、演出意図通りに進行するように
確認をしたり指示を出したりするのです。