うん、そうですね〜、最終形が二次元的ですしね、直接触ったり使ったりはしませんからね
このメディア・映像業界の仕事が「ものづくりである」ことが
漠然としていて抽象的な換喩として認識される・・・これも必然かと思うわけですが
ただ、たとえば、数回に渡り紹介している、美術の作業を観察していると
非常に具現性を帯びてくるのです。
テレビ番組製作には、実に沢山の役割やスタッフが携わっているのですが
それらがすべて「ものづくり・・・もの作り・もの創り」をしていて
役割によって、それぞれの手段、それに必要なツール、そして表現方法が異なるだけ。
つまり、携わるスタッフにとって、最も必要なマインドは、「ものづくりの精神」なのですよね。
立ち上がったパネルは、あらかじめデザインされている通りに
「青図(配置図に相当するもの)」を見ながら、適正に配置していきます。
実は、スタジオの床には、およそ30cm四方のタイルが敷かれていて
青図にもタイルの配置に沿うように格子状の線が引かれていますから
立てるパネルが、その線(パネル毎の境界線)に合っていれば
要するに、パネルに合わせて立てていけば良いわけですけれど
斜めに立てる場合や、いろいろな事情によっては
上の写真の様に、巻き尺を使って細かな寸法を出していく、という作業が伴います。
配置が終わった後は、パネルに細かい装飾や道具を取り付ける作業へ。
短時間で終わるように、各作業は分担して進められていくのです。
制作準備ということですとね
放送芸術科が担当する制作スタッフを中心に3週間前からスタートするわけですが
本番に向けた直接準備ということでは、最初にスタートするのは、美術セットの建て込み作業。
スタジオでのその作業は、本番前日の夕刻から、テレビ美術科が担当します。
まずは、美術セットの製作を行っている作業工房から、スタジオに各部材や道具などを搬入。
たとえば、背景に立てられるパネルは小分けの状態で搬入されるので、それらを連結させて・・・。
転倒を防ぐ、支えとなるパーツである「人形(人形立て)」を取り付けているのが、右下の写真です。
連結させて人形を付けて立てて、連結させて人形を付けて立てて・・・
という作業を繰り返して、使用する全てのパネルを手際良く立てていくわけです。
一方、右下の写真。
これは、出演者が前後2列に座る部分を、段違いにしようとしているところ。
前後が同じ高さだと、向かって奥に座る人の顔が写りにくくなりますからね
およそ30cm程度、美術・道具の1つである「平台」や「箱馬」を使って、高さを上げます。
それでですね、どうしてドラマの制作準備に「親子丼」なのか、というと
今回のストーリー、昔ながらの定食屋さんと、そこに登場する親子丼がポイントなのです。
完成している物を買ってきて、それで済ます手段もありますけれど
学校の実習授業ですしね、そこは本格的に行こう!というわけ。
出演者が口にする食べ物などを調理して用意する「消えもの」スタッフも実際にはいますしね。
左上の写真、調理をしている様子を観察するディレクターの学生。
そして右上の写真が、完成品! 美味しそうですね。
この日は、用意した材料をすべて使用するべく、何パターンかを作ってくれました。
プロデューサーを担当する学生も、しっかり試食です。
昔ながらの定食屋さんですから、親子丼もそういうふうなテイストに。
例えば、コンビニの親子丼などとは違う趣きになるわけですし
味も去ることながら、カメラで撮影した際の「見た目」も考慮する必要があります。
ロケーションハンティングや台本の製作・オーディション準備などなど・・・
着々と制作準備が進んでいる「ドラマ制作 2013」。
タマネギを包丁で切っている上の写真ですが、これももちろん、制作準備の一環なのです。
調理をしているのは、調理師免許を持っている、放送芸術科の学生。
お喋りもせず、真剣に手際良く進めていて、目つきも非常に真剣です。
そして、下の2枚の写真をご覧頂くとお解りになるかと思いますけれど
作っているのは、「親子丼」。
この段階の様子でも、既に美味しさ満載!と言った感じですよね〜。
今回はテキスト少なめにして「ドラマ制作」と「親子丼」を結びつけるものは何か?
完成した写真などと共に、これは次回にご説明いたしましょう。
上の写真。「これも実習授業です」というと、ちょっと信じ難い?でしょうか?
土手のような所で、学生6名。しかも、そのうちの3名が座っていて
さらに、よく見ると、みんな笑っていて楽しそうな光景。
しかも、結構大笑いです(笑)。
さて、この楽しそうな写真は何か、というと
「ドラマ制作 2013」ロケーションハンティングの様子なのでございます。
教室内での、毎週打合せなどを中心に制作準備を進めてきた実習授業ですけれど
ここへ来て、機が熟したというか満を持して、というか
コツコツと、今まで積み上げてきたものが、結晶化するように
制作準備も佳境に入りつつあります。
脚本担当やディレクターを担当する学生を中心に
多摩川沿いのある場所で、完成間近の台本を手に
それに相応しい場所であるかどうか、また
その環境を利用して、どのような映像を構成していくか・・・などなどを調査。
もの造りのための、そしてその完成度をさらに上げるための
大切な過程の1つなのです。
先月終わりで、東放学園専門学校 2013年度 前期の授業終了。
まあ、極めて常套句的表現ですけれども、授業が始まると、あっという間に時間が流れて・・・。
いろいろな授業を担当させていただいている我々職員も
いろいろな授業で、一生懸命頑張って、いろいろな場で活躍している学生も
その想いは、たぶん、共通している事でしょうか。
そんな終了日、2年生は、卒業アルバムに掲載されるクラスの集合写真の撮影を。
「真面目に普通な姿」と「面白く楽しい姿」の2パターンのポーズですが
学生らしさや学校らしさの表現、という点では、どちらもそう変わらないと思うわけです。
いずれにしても、2年生にとっては、学生時代最後の夏休み。
そのタイミングの、そのターニングポイントでの、光景です。
やはり、とかく、その「動き」を伝えようとすると
文章だけでは限界もある、という事でして
前回お伝えしたトレーニングの様子を、動画でご紹介させていただきます。
放送技術科1年の、スタジオカメラを使用しての、実習授業。
「撮影する」という事に慣れる、「レンズの操作」に慣れる
しかも、可能な限り素早く、そして確実に!
見た目よりも、実際は難しい事は、あえて細かく言うまでもないでしょう。
「2」と表示されているカメラ。
学生が右手で操作しているのは、レンズの操作棒。
押し引きでズームイン・アウトの操作、銀色のお皿を回すことで、フォーカスの操作です。
上の写真。向かって正面側の方々に、アルファベットが書かれた紙。
高さも角度も散っているように掲げられているわけですが
それを、出来るだけ短時間で撮影する練習でして
勝手に名付けまして「Target and Attack!」。
それまでは、カメラ自体を動かすというトレーニングがメインで
手先腕先だけでなくて、体で力を与えて動かすという操作方法を学んできましたけれど
徐々に、撮影する練習が、それにプラスされていっている
放送技術科1年の、実習授業です。
ただ、目標のアルファベットにレンズを向ければ良い、のではなくて
素早くフレームに入れて、フォーカスを合わせて、適切なサイズにする・・・。
しかも、上に書いた通り、角度も高さも距離も違いますからね
当然の事ながら、サイズもフォーカスもその都度合わせる必要がありますから
簡単に見えるかも知れませんが、意外に難しいのです。
とにかく素早く! 少しでも速く一連の作業を終えなければならないのですしね。
学校を、そして本校を知っていただくためには
当ブログを含むWEBサイト・学校パンフレットを始めとして、いくつかの手段がありますけれど
やはり、「オープンキャンパス 体験入学」を代表とする
在学生の姿や表情や、そのまま「生」でご覧いただける
そして、在学生と話をできるチャンス沢山ある、イベントに参加していただく、これが一番。
「東放学園らしさ」「本校の良さ」は
そのようなコミュニケーションによって、最も効率的に感じられると思うからです。
けれどもしかし、そう簡便にイベントに参加できない
本校から遠方にお住まいの方もいらっしゃいますからね
手段に関わらず、しっかりとお伝えする努力はさせていただいていますが
その場で、観て感じていただくということに、勝るものはありません。
この夏休みもこの先も、「オープンキャンパス 体験入学」など何度か開催されますので
どうぞ、ご参加ください。お待ち申し上げております。
第二フェーズに入ったと言っても、単に1回だけ情報番組を制作するというわけではなくて
曜日やクラス、その中のグループ毎にに分かれての、合計8番組の制作。
「他のグループと、完全に同じ内容はダメ」という明確なルールはありませんが
各グループ共に競い合うように、試行錯誤し切磋琢磨しながら・・・と
ごく自然に、このようなスタンスになるわけです。
左上の写真も右上の写真も、それぞれが前回の紹介とは違うグループの様子でして
特に左上は、美術セットのパネルが5色に分かれて
それぞれに、学科の特徴を象徴とするようなイラストが、描かれています。
そして、下の2枚は、あるグループのディレクターを担当する学生。
真剣な表情も、たまに見られる笑顔も
本物のディレクターっぽい雰囲気が、じわりじわりと、伝わってきます。
上の写真、テレビ美術科の作業工房で、完成したばかりの番組タイトルでして
出演者の背景に掲げられるサインを、テレビ美術科の2年生が製作したものです。
ヒップホップアートなデザインが、陽気で印象的。
手が込んだデザインで、丁寧に作られていますけれど
もちろん、学生達による手造り。
そして、裏はどうなっているのか、というと、左下の写真。
実は、木製なのですけれど、1枚のベニヤ板だけではなくて、
補強と取り付けの簡便さを考慮して、タル木で枠組みされているわけです。
それをスタジオに持ち込んで、背景に取り付けている作業が、右上の写真。
これもやはり、ただ掲げるだけではなく
カメラ写りはもちろんの事、途中で外れてしまう事などがないようにと配慮。
番組では、もっぱら表だけが写るということになりますけれど、多くの工程をクリア。
ただ描く、ただ掲げる、ただ見せるだけではなく
それを達成するためには、いろいろなノウハウや努力が伴っているのです。
(原稿原案・写真:職員 石原)