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ロケーションハンティング
2012年8月9日 ドラマ制作,実習風景,放送技術科,放送芸術科,照明クリエイティブ科
今日の1枚目の写真は、いきなりバスの車中から。しかも、路線バス。
中には、もちろん学生が乗車しています。
大勢で観光バスに乗車というのは、在学中に何回かあるとは思いますけれど、大勢で路線バスというのは、結構レアでしょうか(笑)。
一見、課外授業ふうですが、ただの課外授業ではなくて、4月から準備を進めている「ドラマ制作2012」のロケーションハンティングの模様です。
今回のロケーション予定地は、学校から路線バスで移動できる範囲にある、都内の某有名な公園。
到着した時の様子が2枚目の写真。今回は、学生のサポート役として、4名の担当職員・講師が同行です。
早速、ロケーションハンティング(ロケハン)開始。およそ50年前に整備が始まった広い公園。その中の撮影場所として想定される所を1つずつ観察。台本と照らし合わせながらの、確認作業です。
少ないなりの難しさ
2012年8月8日 実習風景,照明クリエイティブ科
さて、続いては、その現場での照明スタンバイの様子。
天井から吊り下げられている照明バトンに、沢山のライトを仕込んで照明を作り上げるテレビスタジオと大きく違って、こちらは、普通の教室ですからね。天井も高さも普通ですし、蛍光灯があるだけ。ですから、ライトも映像や音声の機材と同様に持ち込んで、照明の環境を「1」から作り上げていきます。
1枚目2枚目共に、照明クリエイティブ科の学生が操作しているのは、「パルサーキット」というスタンドライト。
これは、放送業界では、「超!有名」な機材でしてね、中継先や簡単なロケーションでは必需品です。
数多くのライトを使って照明を作り上げるのも簡単ではないですけれど、数少ないライトでの作業も、それらとはまた違った難しさがあるのです。
先日の8月1日と、8月2日に、中継先の映像・音声の仮設サブコントロールルームの様子、として紹介した内容に続く、今回。
「番組制作演習」中継先の現場の様子です。
比較的静かな仮設サブとは違って、こちらは、出演者もスタッフも沢山な状況でして、活気があって高密度。
1枚目の写真、左に座るのが出演者役の学生、そのすぐ右に居て、出演者に説明をしているのが、フロアディレクターの学生。
2枚目の写真は、フロアディレクターが、向かって右手前に居る出演者に、「カンペ」(コメントや指示を書いたスケッチブック)を掲げている様子。
可能な限り出演者に近づいて、指示やお願いをするのは、どのような現場でも必須の事。遠くだと見づらいし伝わりづらい、という当然な理由もありますけれど、番組製作に協力していただくという姿勢の表現でもあるわけです。
プロット(あらすじ)から台本に起こしたり、ロケーション先の候補を考えたり、シナリオハンティングをしたり・・・と、着々と準備を進めている「ドラマ制作2012」。
前期の授業期間中は、主に放送芸術科を中心に取り組んで来た実習授業も、今回お伝えする会合を境に、定常的な授業が終わったこれからは、参加するすべての学科に、収録に向けた準備が波及していくわけです。
ということで、この日のドラマ制作は、関わる全学科が集まっての、全体会議。
これからの具体的な準備やロケーションに向けた説明などが、本学園の倉谷顧問などから。1枚目の写真です。
次いで、この時点での台本が全員に配られ、それをまずは簡単に目を通す作業。これが2枚目の写真です。
「ゼロ」の状態からイメージが形作られ、少しずつ具現化されていく。特に台本はその象徴ですからね。
手にすると、ググッと気が引き締まる、そういう想いになりますよね。
ということで、前回の投稿3枚目の写真左に写っていた音声さんの様子です。
音声は、本校の放送音響科と、東放学園音響専門学校の音響技術科の学生が、スタジオ音声も中継先音声も担当していまして、それぞれの写真は放送音響科の学生。
こちらの機材・システムも、放送技術科の映像システムと同様、学生が作り上げているのです。
良い仕事や「聞きやすい音」を作り上げるには、それらの手段となる「環境・設備」が大事。もちろん、ある1つの環境下で、可能な限りその完成度を上げる、これは言わずもがな大切なスタンスではありますけれど、その1つ手前の良い環境を、可能な限り充実させるということも、もの創りには、欠かせない事なのですよね。
写真3枚目。音量を最終的に決める「フェーダーレバー」を持つ手。
普段、家でテレビを観て音を聴いていて、テレビのリモコンで最初に音量を設定すれば、後はずっとそのままでも、過不足なく聞きやすい音になっているわけですけれども、それを達成しているのは、常にフェーダーレバーを操作している手、そして「指」なのです。
1つ前の投稿になりますけれど、中継車に相当する映像システムを・・・と紹介しましたが、その完成型が1枚目の写真。「番組制作演習 中継先」の仮設サブコントロールルームの様子です。
写真には、すべてが見えていませんけれど、これらの機材などを、1つずつ運搬していたのです。
手前から、映像を切替えて選択するスイッチャー(テクニカルディレクター)、その奥にディレクターとタイムキーパーの制作系スタッフ。さらに奥に、ビデオエンジニアと並んでいます。
そして、そのビデオエンジニア(VE)の仕事の様子や使用する機材が2枚目の写真。この映像システムを構築するのも、このVEの仕事です。
左手の先にある機材、同じ物が上下に2つずつ並んでいるのですが、これがカメラコントロールユニット(CCU)。
名前の通り、カメラを制御する機器でしてね、これを使用して、カメラ同士の色合わせをしたり、明るさの調整をしたりします。
触れているのが、明るさ(アイリス)をコントロールするためのボリューム。
3枚目の写真。これが、仮設サブの全景でして、写真左には、音声のスタッフと使用する機材が並んでいるのです。
東放学園専門学校の、放送芸術科・放送技術科・放送音響科・照明クリエイティブ科・テレビ美術科、そして、東放学園音響専門学校の音響技術科の2年生による、大型実習授業「番組制作演習」。
前回は、テレビ美術科の本番前日スタンバイの様子をお伝えしましたが、今回は、放送技術科の前日スタンバイの様子を。
この授業は、スタジオで製作されるコーナーがメインではあるものの、「中継」の部分もあるのでして、少し離れた所にある別の校舎が、その中継先。
中継というと、「中継車」が使用されるのが一般的ではありますけれど、本校の授業は、その中継車に相当する映像システムを、「1からすべてを構築する」という方式。もちろん、構築するのは学生ですからね。こちらの方が、圧倒的に勉強になるからです。
ということで、使用する機材一式を、機材室から中継先まで、エレベーターも使用せず、1つ1つを手で運ぶ。この作業からスタートです。
写真は、梅雨明け前に撮影したものですが、すでに、暑くなっている時期。
学生は汗をかきながら、手分けして4往復から6往復して、機材を運んでいる様子です。
ワイシャツの学生は職員ではなくて、この日の日中に、就職活動に勤しんでいた学生。
ちなみに、後にこの学生、しっかりと、内定をいただいております。
パネルが立て終わると、使用する道具の設置や細かい装飾の作業へ。
写真1枚目は、ちょうど番組のタイトルになる看板を取り付けている様子。
単にデザインとして掲げられるものではなく、「カメラ写り」も十分に配慮するべき事でして、その両立が大切なのですよね。
デザイナーが、少し離れた場所、つまりカメラが置かれる場所に立って、場所や傾きが正位置になるように、指示している様子です。
出演者が座る席、そのボックスも、もちろんテレビ美術科の学生による製作。
それらが、作業工房からスタジオに運び入れられた時の様子が、2枚目の写真。
そして、そのボックスに、出演者のチーム名のサインが掲げられようとという時の写真が、3枚目。
横顔で多少見づらい写真ですけれど、学生の真剣さ、その表情は、十分に伝わるでしょうね。
パネルが建て終わると、次は、比較的細かな作業をそれぞれ分担して・・・。
1枚目の写真。
ちょっと解りづらいですけれど、床には、何色かのライン模様のような物が見えていますよね。その奥には、すでに手に持っている学生も見られますけれど、これは「目張り」と呼ばれている、色付きテープのような物。
前回・前々回と、パネルを連結させる・・・とお伝えしましたが、連結させただけだと、カメラ側から見て、その繋ぎ目には、境界線が残ったままでしてね、つまりは、何本もの縦線が見える、こういう状態になっているわけです。
これでは、少々見苦しいですからね、その境界線を目立たなくするために、上から同色のテープを貼って、それを隠すのです。
写真2枚目が「ビフォー」、写真3枚目が「アフター」。
見事に一様に、境界線が消えて、繋ぎ目が見えなくなっていますよね。
この目張り。パネルの塗色と同じ塗料で作られている特製のテープですから、もちろん、間近で見れば上から貼られていると解りますが、基本的なカメラポジションから撮影されれば、ほとんど見えない状態になるのです。
さて、床に寝かせた状態でのパネル同士の連結が終わると、いよいよ、そのパネルを立てる作業へ。
無駄のない「軽さ」なので、大きさ程重くはないのですが、それぞれが連結されていますからね。それがタワマないように破壊されないように、丁寧に持ち上げる必要があるわけでしてね、支え持ち上げる人の各々、受ける側の人のそれぞれの呼吸というか要領というか、それが合っている必要があるのです。
立ち上がると、早速、パネルを背面から支える「人形」と呼ばれている、言わば「つい立て」のような物を、すぐに接合。
手分けをして、支えながら手を貸しながら、手際良く作業を進めて行きます。
大勢が関わりますけれど、誰かからの指示を待つことなく、「声かけ」は必要最低限。主体的・自動的に、そして比較的静かに行われている様子。
2年生ともなると、もはや、慣れたものですよね〜。
そして、パネルがすべて建った状態が、3枚目の写真。
コントラストが効いている、エキゾチックなデザイン。ヨーロピアンテイストな雰囲気。
ディレクターからの要望のパンダさんが、アクセントです。
「情報番組」をテーマとする「番組制作演習」。
今回紹介するのは、テレビ美術科の活躍。
番組で使用する美術セットの建て込みは、前日の放課後でして、他の学科の大半の学生が下校した後に、頑張っているのです。
左上の写真は、学生が中心になってデザインした、美術の配置図にあたる「青図」。
白黒の格子状に見えるのは、美術セットの床材。これが実際に敷かれた状態が、上の右の写真です。
こちらの左上の写真は、テレビ美術科専用の作業工房で製作された、出演者の背景の部分になるパネルのそれぞれを、連結させているところ。
工房が少し離れた場所にあるので、1枚ずつの小分けの状態でスタジオに搬入され、組み立てられるわけです。
作業に従事する2年生は手際が良くて、ちょっと目を離すと、ドンドン作業が進みましてね、撮影するのが大変。とにかく、ハイペース。
右の写真のように、担当する職員は見ているだけでなく、手伝いながら教えています。
さて、運動会の学生の活躍!は、一休みさせていただいて、今回は実習でもなく、放送技術科1年生の座学の授業を。
5月15日の当ブログで紹介した授業の続編です。
この授業は、実際の現場で活躍されている方をお招きして、番組制作技術に関わる事や環境・設備について、またそれらに交えて、現場での様々な経験談をお話しいただく、という授業。
今回、ご担当いただいた方は、実は、数年前の本校の放送技術科の卒業生でしてね、つまり、その数年前は、授業を受ける側、話を聞く側の立場だったわけです。
どのような仕事に就いているかに関わらず、卒業生の活躍の話を聞くと嬉しいものですけれど、かつての学生が教える立場になっている姿を観ると、また違った嬉しさというか頼もしさを感じるのです。
聞いている学生の表情は、時に真剣で時に笑顔。
ゴルフコースや競技用プールに、画面上合成して描かれている線・文字や本物と見分けがつかないCG(コンピュータグラフィックス)との合成技術。そして、Twitterでの投稿を生放送の画面内に収める技術など・・・。
滅多に聞けない、貴重な話の数々でした。
特に、上の左の写真は、一見、出張課外授業っぽいですよね〜。
まあ確かに、その通り課外的ではありますけれど、いったい、何をしているのかというと、「ドラマ制作2012」のシナリオハンティングの様子。
このブログで頻繁に登場したり、半ば一般語と化している「ロケハン」:ロケーションハンティング。もの凄く簡単に表現すれば、ドラマの撮影など、屋外で番組収録を行う場合、撮影場所がどのような環境なのか、を丹念に事前調査するのが、ロケハン。
それに対して、シナリオハンティングは、ロケの候補地を選定したり、ドラマの台本が完成する前の、あるいは、台本そのものを描くのに必要な風景・環境などを、事前調査するのが主な目的なのです。
実際の風景を観察して、そこから湧き出るように絵コンテが描かれたり、芝居やストーリーが構築されたりする・・・非常に重要な作業。これが、ストーリー全体の、言わば「肉付き」に作用するからですね。
今回は、放送芸術科の学生と脚本を担当する学生、そして担当職員数名が同行。
ロケーションの候補地となっている、都内の公園2カ所を、じっくりと観察しました。
(写真撮影:ドラマ制作 記録担当の学生)
リンゴが黒色に見える理由
2012年7月13日 実習風景,照明クリエイティブ科
情報番組をテーマとする、第二シリーズに入っている「番組制作演習」の様子。
テレビスタジオの一角に、照明クリエイティブ科の学生と職員が集まって、いろいろな器具を使って作業をしている、写真1枚目。
これは、不用な光(照明)を当てず、必要な光だけを当てようとする作業。
そして、当てている対象は、これ。2枚目の写真。
ブルーな世界で、何だか解りませんけれど、3枚目の写真を見ると・・・
そう、リンゴなのです。
これは、照明クリエイティブ科を紹介する番組内容中の、照明や光の奥深さを説明する材料。
「何色に見えるのか」は「光源に含まれる何色の成分を反射させるか」によるものでしてね、写真のように青い世界の場合、その光源には赤色は含まれない、だから、赤色のリンゴが黒色にしか見えない、という説明。
2枚目の写真も「うっすら」と赤色を感じるかも知れませんが、測定器で計測すると、赤色の成分はゼロ!
リンゴの形と3枚目の写真の情報により、人の眼(脳)が、赤色をトレースしているのです。
勉強になり、そして一層、さらに勉強にもなる、という実習授業なのです。