‘照明クリエイティブ科’ カテゴリーのアーカイブ
肉眼のように、マイルドに
2012年1月12日 実習風景,照明クリエイティブ科
一通りの仕込みが終わると、次はドラマの照明作りに欠かせない道具や灯し方などの説明に。
長年に渡り、実際の現場で、照明技術などに従事してきたベテラン講師の先生が担当です。
たとえば、直射日光が当たるような環境や、手元明かりの環境では、目障りだと感じるくらい「陰」を意識しますが、そうではない環境では、普段生活していて、あまり陰を意識しないですよね。
これは、人間の眼が、ある程度明るい部分も、ある程度くらい部分も、どちらも「良い感じ」に、どちらもマイルドに見られるようになっているからです。
しかし、テレビカメラは、明るい部分はそのまま明るく、暗い部分は暗く再現しますから、陰も比較して目立つのです。
そこで、1枚目の写真。不自然な「意図しない陰」を避けるドラマ照明では、「カポック」という、一種の反射板を使って、光を流し込むことが多いのです。
光源からの強い光を、発泡スチロール状の板に、反射させ拡散させながら柔らかく・・・という仕組み。
光源やカポックなどの、微妙な角度によって、その先への光の届き方も変わりますからね。
それらのノウハウを、実践形式で勉強していくのです。
ドラマ照明を仕込む!
2012年1月11日 実習風景,照明クリエイティブ科
さて、様々な学科による「ドラマ的!」実習授業ですけれども、第一弾は、照明クリエイティブ科の様子から、お伝えしましょう。
まずは、何と言っても「仕込み」。
テレビスタジオの照明設備は、いろいろなジャンルの多彩な照明が創り出せるように、非常に汎用性が高いものになっているのですが、見方というか言い方を替えれば、特に仕込みをしない限り、「何用」にもなっていないのです。
そこで、ドラマの当日の撮影用に照明をスタンバイする、ということから始まるわけです。
1枚目の写真。普段から、照明バトンに吊るされている灯体(ライト)を移動したり、取り外したり、他の灯体を取り付けたりしながら、ドラマ用の仕込みを進めている様子。
照明バトンが完全に降ろせない所では、脚立を使って、灯体を持ち上げて吊るして・・・という作業。2枚目の写真です。
写真では一部になってしまっていますが、このような作業が、スタジオの方々で、同時に進められています。
作業は、電源回路・点灯チェックと進み、仕込みも終盤。3枚目の写真は、灯体の細かな向きや光の広がり具合などを調整する「照明シュート」の作業中の様子です。
本年5月頃から、断続的に紹介している「ドラマ制作」。
当ブログ、左側にあるカテゴリーで選択していただくと、抽出して閲覧できるようになっています。
どうぞ、ご利用ください。
ドライリハーサルに続き、カメラ番号を入れる技術打合せが行われると、それと前後して、いろいろな手直し。映像・音声や照明の各セクションが、本番収録に向けて、さらに吟味の準備を着々と進めます。
1枚目の写真は、テーブルの上の「物」の位置などを決めているところ。
実際のテレビドラマでも、何気なく置かれている、そのように表現されている物でも、意図的に、そのように置かれていることばかりでしてね、解りやすい光景の表現は欠かせないわけです。
カメラで撮影している映像を観ながら、「物」の位置を、細かく修正します。
出演者の方に対しては、本番開始直前に、メイクアップの充実を。
綺麗に見せる、というよりかは、「それらしく魅せる」というのが、真。
2枚目の写真です。
そして、いよいよ、撮影開始です。
1枚目の写真。
写真に写る人のほぼすべてが、同じような立ち方で、同じような台本の持ち方をして、整然と並んでいる様子がご覧になれると思います。もちろん、これは、撮影用にポーズを決めているのではありません。
それぞれのスタッフが、その目的を達成するための手段をとると、同じようなスタイルになる。必然的に、こうなるのです。
「ドラマ制作」スタジオ収録です。
ドライリハーサルが終わると、カメラ番号を入れることなどをする、技術打合せ。
スタジオでは、複数台のカメラを使用して、切り替えて収録していくことが多いわけです。台本には、この台詞のこの部分で、この演技のこの部分で、というふうに、切り替えるタイミングやカメラワークなどの「コンテ」が、あらかじめ書かれているのですが、「どのカメラがそのコンテのカットを担当するのか」これは書かれていません。
そこで、ドライリハーサルを終えて、芝居の動きなどが確認された後に、それぞれのカットを担当するカメラを決めていくのです。
2枚目の写真は、その技術打合せの様子。
「ドラマ制作」スタジオ収録の日。
小道具や装飾などの準備や配置が終わった後は、ドライリハーサルへと続きます。
カメラや収録に必要な機材を使わないで、関わるスタッフ全員が参加するリハーサル。演技をする出演者に、ディレクターが演技をつけたり確認したり。他の各スタッフも、芝居の動きを確認しながら、それぞれ、カメラワークを確認したり、照明や音声の具体的な方法を練ったり・・・。
ごく簡単に説明すると、このような作業ですけれど、かなり奥が深い、大事なリハーサルになります。
1枚目の写真は、ドライリハーサル中の様子。大勢のスタッフが、台本を手にしながら。
扇風機の左に写るのは、ドラマ制作の総指揮、本学園の島﨑顧問。差し延べている手は、レンズのアングルを示しています。
特にディレクターやカメラマンは、常に同じ位置から、というわけではなくて、それぞれのカメラアングルや位置に移動しながら、見たり指示をだしたりしていきます。2枚目の写真。
3枚目の写真。右に写るのは、ディレクターの学生。島﨑顧問からアドバイスを受けながら、ドライリハーサルを進めていきます。
小道具と照明は、前日に。
2011年12月4日 ドラマ制作,実習風景,放送芸術科,照明クリエイティブ科
ロケーションに使用した機材などの清掃・片付けの一方、収録を翌日に控えたテレビスタジオでは、準備が着々と。
スタジオセットは、「一人暮らしの部屋」という設定。アパートの一室としてデザインされた美術セットが、建て込みされています。
1枚目の写真は、美術の「小道具」など、装飾品を準備している様子。その辺りにあるものを適当に、ではなくて、ドラマのストーリーや出演者のキャラクター設定を生かす、「演出の一部」として装飾されるものなのです。美術担当の制作スタッフ、放送芸術科の学生による作業です。
それが終わると、すぐに、照明の仕込み作業の開始。こちらは、照明クリエイティブ科の学生が担当。2枚目・3枚目の写真です。
照明の灯体を設置する照明バトンを、可能な限り降ろしての作業です。
美術セットの建て込みの前に行うほうが合理的かと思われがちですけれど、照明を当てる対象物の、実際の「物」がないと、返って非合理。出演者の、つまり「人」だけに照明を灯すわけではないからなんですよね。
さあ、お伝えしている「ドラマ制作」。
次回からは、スタジオ収録の様子です。
笑顔は「意気」の姿
2011年11月22日 実習風景,照明クリエイティブ科
今回の一連のシリーズ最後のご紹介。照明クリエイティブ科1年生の「テレビ照明実習」です。
この実習授業を担当するのは、テレビ照明の世界では超ベテランの講師の先生に、本校のスタッフが2名。
スタジオフロアーでは、講師の先生が中心に、学生へのアドバイス。共にそれをフォローするのが若いスタッフ。ライティングを制御する「照明調光卓」の操作とアドバイスを中心に、もう1名の担当スタッフ。それぞれが、きめ細かい役割分担で、実習授業に望んでいるのです。
学生に指示を出すだけではなく、自らも、ドンドンと脚立に昇って説明しているのは、ベテラン講師の先生。
1枚目の写真です。
2枚目の写真。
「テレビ照明」ですので、テレビモニターを通しての解説も、非常に大事になってきます。なぜならば、先般お伝えしている通り、人間の「見た目」と、テレビカメラを通しての「映像」には、明確な違いがあるからですね。
そして、その説明を、真剣に聞き入る学生達。3枚目の写真です。
「ほんのり」と伺える笑顔は、「意気揚々」の姿ですね。
基本でも奥が深いです
2011年11月21日 実習風景,照明クリエイティブ科
3方向からの照明・灯体によって、より自然な、より立体的な表現を可能にする、という「3点(三灯)照明」という技法があります。
ただしかし、じゃあ、人が5名並ぶ状態では15式の灯体が必要になるのか? それらの位置関係や体の向きが変わったらどうするのか? その背景のライティングはどうするのか?・・・と、基本的なライティングといっても、考えることも必要な工夫も沢山。奥が深いのですよね〜。
引き続き、照明クリエイティブ科1年生の「テレビ照明実習」です。
灯体と学生は、基本的に1対1の関係でしてね、それぞれが脚立を用意して、昇って、灯体を操作して、という実習作業。まさに、いろいろな事が同時に学べる授業なのです。
3枚目の写真は、3点照明の1つ、モデリング(バック)ライト。輪郭を強調する効果があって、たとえば、奥の背景から手前の人物を浮かび上がらせることなどができます。
影も配光もシンメトリック。灯体の「芯」が、中央の人物に向いているからなんですね。
まずは置き方から
2011年11月20日 実習風景,照明クリエイティブ科
11月14日の記事に続いて、照明クリエイティブ科1年生の「テレビ照明実習」の紹介です。
照明バトン(灯体等を吊り下げている装置)を降ろして、結線をして電源回路の設定をして点灯チェックなどを行って・・・という作業に続いて、これからは、脚立が登場。授業説明用の、基本的な明かり作りの開始です。
スタジオをスペース(面積)的にいくつかのブロックに分けて、学生も同様のグループに分かれての実習。それぞれが、その範囲内で作業を進めていくわけです。
まずは、脚立の置き方からの説明。1枚目の写真です。
たまに、椅子に乗って何らかの作業をしようとする時に、たまに椅子の置き方がダメで、無理な体勢でムリヤリ作業を余儀なくされること、ありますよね〜(苦笑)。椅子の高さくらいだとそれでも・・・ということですが、脚立を使っての数メートル上での作業ということになると、そうはいきません。危険ですし、作業効率も落ちますからね。
何事も「基礎」が肝心。オオチャクをしない、無理をしない。ルールに沿っての確実な作業が、全体の根底にあるのです。
スタジオ転換シミュレーション
2011年11月16日 テレビ美術科,学校の様々,実習風景,照明クリエイティブ科
東放学園専門学校 学園祭「電波祭」を翌日に控えた、テレビスタジオの様子。
いったい、何が行われているのか、というと、14時間生放送「TOHOチャンネル」中の番組の1つ「Music Park」のセットチェンジのシミュレーション。
テレビスタジオでの音楽系番組。その番組中の曲と曲の間には、ちょっとしたトークのコーナーがあるのですが、その短い時間で、美術セットと照明を転換させる必要があるわけですね。
テレビ美術科と照明クリエイティブ科の学生スタッフそれぞれが集まって、転換を成功させるための事前練習、シミュレーションを行っているのです。
他人任せではなくて・・・
2011年11月14日 実習風景,照明クリエイティブ科
これらのスタンバイが終わると、いよいよ、床面近くに降りていた照明バトンを、天井近くまで上げる作業へ。
3枚目の写真、ヘルメットをした学生が、手で触っているのが、「昇降操作盤」という装置。これで、照明バトンの昇降操作を行います。
操作係の学生。見ている方向は、もちろん、照明バトンとその周辺。上げる「高さ」も重要でデリケートですし、場合によっては、危険が伴う作業なので、慎重に。表情も真剣です。
そして、他の学生も、可能な限り、上昇中のバトンと周囲を注視します。4枚目の写真。
誰かに、あるいは一人に任せるのではなくて、可能な何人かで、確認しながら作業を進める、ということが大事なのですね。
それが効率化も安全作業にも、繋がるわけです。
コミュニケーション連携プレイ
2011年11月13日 実習風景,照明クリエイティブ科
サブコントロールルームでの、照明調光卓の設定も進み、スタジオフロアでは灯体(ライト)の「点灯チェック」が着々と。
灯体を設置(吊り込む)する照明バトンには、コンセントの差し口が沢山着いているのですけれど、それらに、調光卓のスイッチ(フェーダーレバー)による制御を割り付けていく、という作業を行うのです。つまり、このフェーダーを上げると、この差し口に差した灯体が光る、という設定。
従って、その設定が正しいかどうかを確認する必要があるわけですね。
コミュニケーションを積極的に取りながら、連携プレイで、作業を進めます。
この作業と共に、天井近くに上げてしまうと作業ができなくなる「光の広がり具合」の調整も。また、いずれは昇っていく事を見越して、簡単に角度なども決めていきます。
これが2枚目の写真。
照明を真剣に学ぶ笑顔
2011年11月12日 実習風景,照明クリエイティブ科
11月8日に紹介させていただいた、照明クリエイティブ科1年生の実習授業「テレビ照明実習」の続き、でございます。
1年生も後期に入り、テレビスタジオでの本格的な実習授業が始まっていまして、前回と同様、まずは「仕込み(スタンバイ作業)」の勉強中というか訓練中というか。
「仕込み」という、およそ単純なタイトルですけれど、実際の作業は非常に奥が深い。安全を確保しながらの効率の良い作業には、必要なノウハウが沢山あるのですね。「素敵な照明」をデザインして、それを達成する。これは、それらの先にあるもの、ということなのです。
1枚目の写真は、授業を担当する講師の先生による、まさに「手取り足取り」的アドバイス。
長年に渡り、照明の現場で活躍されてきた、超ベテランの先生です。
3枚目の写真。
これは、スタジオの上方に位置する「サブコントロールルーム」内の、照明調光卓付近の様子。
適切な位置に灯体(ライト)を仕込むだけでなく、明るさや色を変えるための調光卓の設定も、当然、必要な作業。
一番右側に写る、もう1人の担当職員も含めて、みんな一様に笑顔で楽しそうですね。
緊張しながら熱心に、かつ、楽しみながら学んでいく、という光景です。
東放学園専門学校 学園祭「電波祭」そして、2日間で14時間生放送!の「TOHOチャンネル」も
いよいよ、フィナーレ。
テレビスタジオでは、続々と学生が集まりつつあります。
そして、あっという間に、この状態。もう既に、これ以上中に入れない状況。
写真手前は、フィナーレを放送中のテレビモニターを観ている1年生。
大勢の学生の奥では、番組進行中。
学園祭実行委員長と、TOHOチャンネルのチーフが、インタビューされている様子。放送芸術科の学生です。
感動の場面です。
胴上げも始まりました。
スタジオに集まっている学生は、学園祭実行委員とTOHOチャンネルのスタッフ。
そして、学園祭に関わった学生たち。
つまり、学生であれば、誰もが、みんな、集合します。
あちらこちらで集合写真も。
こちらは、照明クリエイティブ科の1年生と2年生。
こちらは、放送芸術科・放送技術科・放送音響科の、1年生2年生の集合。
続いて、テレビ美術科の1年生と2年生。
そして、この秋にティーチングアシスタントを卒業して、現場の仕事に就いている女性。
この秋からの新しいティーチングアシスタントの男性。
そして、いよいよ、全員で集合写真。
この間、誰が番組スタッフを担当しているのか、というと
今年の3月に卒業し、学園祭に来校したOB/OGの皆さんなのです。ありがとうございます。
さらに、広角側の写真を。
これでも、全員写っていません。それほどの学生が集まったのです。
そして最後に、学園祭「電波祭」の実行委員。完成した、「笑顔の輪!」の前で。
(電波祭その8 写真:横田香苗)