‘実習風景’ カテゴリーのアーカイブ

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 削いだり細かな加工をしたりして「形」にしたら終わり、ではなくて、ここまでで全行程の半分程度でしょうかね。道のりはまだまだ続きまして、次は、塗装系の作業へと進んでいくのです。
 
 それでですね、いきなり塗装をするのではなくて、まずは、サーフェイサーの役割をする「パテ」を塗布。
 表面に沢山の気泡がある発泡スチロールの表面を、なめらかに均一化させ、塗料のノリを良くするためなのですね。
 
 まずは、パテを表面に持って、水をつけた筆で薄く塗布していくという作業。厚盛りをしてしまうと、元の形から変わってしまいますし、薄過ぎると、後にサンドペーパーで磨くときに、地が出てしまいますしね。紹介の写真の見た目ほど、簡単ではなさそうです。
 
 どのようにして全体に塗り広げるのか、と観ていると、なるほど〜、という手段。太めな針金を差して、それを持ちながらの作業。
 細かい部分を、手や指で直接塗っている様子が、3枚目の写真。
 担当の職員が、お手伝いです。 

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 包丁を使ったり、スチロールカッターで削ぎ落したり・・・と、比較的大まかな加工から、スタートしたテレビ美術科「造形制作実習」。
 加工の作業は、その「形」や「大きさ」にする事から、「それらしくリアルに」する事へ、細かくデリケートにシフト。
 
 1枚目の写真をご覧いただくと、その雰囲気は少なくとも伝わるでしょうか。
 使っている道具は、発泡スチロールを、細かく加工したりカットしたりする専用のものでして、ハッコー社「マイペン」という製品。
「はんだごて」という工具は、ご存知の方も多いと思うのですが、あれと同じ様なデザイン。
 
 加熱されている針金のようなものを、発泡スチロールにあてて、溶かしながら加工していくわけですね。2枚目の写真です。
 
 子供の頃に、溶かして遊んだことがある人には(良い子はマネしちゃいけません)解るかと思うのですが、あっという間に、溶けてしまいますよね。こちらは、専用の道具なのですけれど、やはり同様に、長い時間あて過ぎると、悲しい結果になります。ですから、言うまでもなく、非常にデリケート。失敗は許されないのです。
 
 そして、この学生は何のモデルの、どの部分の加工をしているかというと、3枚目の写真。
 絵の具のチューブの、肩の部分に入っている、文字の部分なのですね。
 見落としてしまいがちな部分ですけれども、より「リアル」に表現するには、欠かせない部分です。

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 さて、いよいよ本番直前。映画に関する情報番組を制作する、放送芸術科「スタジオ番組制作」です。
 
 カメラリハーサルから本番は、メインは出演者。
 特に、今回のような情報番組において、番組を円滑に進行する、ということは、出演者と共に、いかに一挙手一投足になれるか、が鍵となるのですね。
 1枚目の写真は、事あるごとに、今回の司会を担当する車谷絵里さんに歩み寄って、コミュニケーションをとる、フロアーディレクターの学生。
 ディレクターの意志に加えて、自分なりの判断などを、丁寧に適切に指示・お願いをする、そのような姿です。とにもかくにも、フロアーディレクターは、これが一番大事でしょうね。
 
 そして、本番開始に向けてのカウントダウン。2枚目の写真です。
 緊張した表情が伺い知れますけれど、何というのですかね、どこなく落ち着いているようにも見えるというか、サマになっているというか。
 4月に入学して、短期間ですっかり「板に着いた」というふうに観察されますよね。
 
 3枚目の写真。左から2番目の女性が、今回ディレクターを担当する学生。
 その奥には、タイムキーパーを担当する学生と、それをフォローする職員です。サブコントロールルームの様子。
 特にこのようなテイストの番組は、事前準備が制作のすべて、といっても間違いではないでしょう。ですから、本番中は、少々の指示を、ディレクター本人の、当初のイメージ通りに進んでいるかどうかの、確認作業に近いのです。 
 
 そして、写真4枚目は、終了後のミーティング。これで、一区切りですね。

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 出演者との打合せや、それに続く技術打合せなどが終わると、カメラリハーサルのスタンバイ。
 この番組制作の実習、使用するカメラは3台なのですが、実は、そのうちの2台のカメラマンは、放送芸術科の学生なのです。
 
 昨年の12月9日に紹介した「放送芸術科の学生 カメラを学ぶ」。あの内容は、このためでもあったわけです。
 しかも、カメラ2台それぞれの分担は、「間に合い(非常に短い時間で次の画を決めること)」あり、大きな移動があり、ということでして、決して「ただ、パン棒を持っていれば良い」というカメラワークではありません。正しい位置に入り、適切なアングルを決めて、フォーカスをとって・・・と、かなりデリケート。
 言うまでもなく、本気モードで取り組まないと、失敗してしまうのです。
 
 ディレクター・タイムキーパーや、作家・マネージャーへと将来進んでいく学生達ですから、卒業すれば、スタジオカメラを担当することは、ほとんどない。ほとんどないからこそ、学校の「授業の場」での経験は、大変重要ですよね。
 写真をご覧いただければ解ると思いますが、非常に真剣に、取り組んでいます。

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 さて、夜中は「大晦日イブ」。
 帰省中の方も大勢いらっしゃる中、年末年始に向けた仕事の準備をしている卒業生も、やはり大勢いらっしゃるようですね。
 当ブログは、お伝えすることが山積の中、引き続き・・・。
 
 写真は、前回は12月21日にご紹介した、放送芸術科「スタジオ番組制作」です。
 スタッフが手分けをして美術セットなどのスタンバイと同時進行で、ディレクターなどは、MCをお勤めいただく車谷絵里さんとの打合せ。
 例外ない事とは思いますが、事前の打ち合わせが、その後のスムーズさやクオリティーに繋がりますからね。言うまでもなく重要な、出演者との打合せです。
 1枚目の写真、中央に座る学生が、ディレクター。最初は緊張気味で、真剣さが際立つ表情でしたが、やがて笑顔も。2枚目の写真です。
 
 一方、スタジオでは、他のフロアーディレクターなどのスタッフが、リハーサルから本番に向けた細かなスタンバイを。
 3枚目の写真は、職員のアドバイスを受けながら、出演者のための「カンペ(カンニングペーパー)」の製作中。
 カンニングといっても、あくまでも、事前の打合せや本番進行の補完的な役割を負うもの。言葉のイメージとは、かなり違いますよね。
 
 そして、4枚目の写真。カメラで撮影する「フリップボード」の位置調整中。
 実際に撮影している映像を見ながら、角度を細かく正していきます。

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 大きいということもあって、このブログでは、スタジオカメラ(デカカメ・スタンダードカメラ)や、それを使って練習している場面が登場することが多いのですけれど、ハンディカメラ(ポータブルカメラ)も大事。「も」というよりかは、特にスタジオでの番組においては、カメラマンとしての登竜門は、まずは、ハンディカメラを担当することが多いのです。取材用のカメラもハンディスタイルですしね。
 肩に担いだり、レンズを直接操作したりするので、スタイルが重要。これが正しくないと、上手な華麗な操作は不可能ですし、体を壊してしまう事にもなりかねません。
 
 写真は、放送技術科1年生の実習授業中の様子。
 ハンディカメラを構えて、1人ずつ、構え方のアドバイスをしているところ。
 
 「肩に担ぐ」とは言いますし、間違えではないですが、「片を支えにして両手でしっかり持つ」が、少々近いでしょうか。肘を自然にシメて、背中をあまり反らせないように、右足に重心を置いて・・・という感じ。
 
 普段の生活では、あまり使わない筋力を必要としますから、最初はちょっと大変かもしれませんね。
 まあこれでも、昔に比べれば、かなり軽くなっているのですよね〜。

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 この写真は、ぜひとも載せたい、そしてご覧いただきたいと思っていたのです。
 ヤスリで、ひたすら削り続けるテレビ美術科の学生。発泡スチロールの小さい粒を、ほぼ全身に被りながらの、熱心な作業。こうして、わざわざ解説するまでもないでしょうね。これでも、実際のそれほど、写真では見えていないのですけれど。
 無心になって真剣に取り組む。「もの作り」には、どんなジャンルにおいても、少なからずこのようなシチュエーションがあるでしょうね。
 もちろん、こうして取り組んでいる学生のすべてが、将来、造形職人になったりその仕事だけをし続けるというわけではないわけですが、取り組む気持ちは、この先のあらゆる事に通用する、大切な姿勢かと思います。
 
 2枚目の写真。前回の「削って凹凸を作る」造形のモデルが、左手で持っている空き缶。
 しかも、くしゃりと潰れていて、要するに、このシワやタワミを、造形で表現しようとしているのです。
 
 大まかな削りがある程度進むと、次は、細かいディテールの削りこみに。3枚目の写真。
 凹凸を作るために、改めて、線や模様などを書いていきます。

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 ひたすら、「切る」「削ぐ」という作業に打ち込む、テレビ美術科の学生。「造形制作実習」です。
「黙々と」という表現がありますけれど、この言葉が非常に合致する様子。そしてこの「黙々」が、もの造りの1つの醍醐味だと思うわけです。観察している側の人にとっては「だまって、ただひたすら」ですが、打ち込む本人にとっては「真剣にやり続ける」という、熱心な意気によるもの。これを持ち続けると、やがて「匠」へと歩むのでしょうね。
 
 さて、今回紹介する道具は、リョービ株式会社の製品「サンダ」です。
 つまり、「電動紙ヤスリ機」のような道具でして、紙ヤスリが付けられた平らな部分(パッド)を振動させ、削っていく仕組み。
 
 2枚目の写真は、ちょうど、その道具を使用しているところ。
 細かいスチロール片というか小さな粒が出るので、掃除機のノズルを当てて吸い取っていますが、それでも、どうしても、被ってしまうのです。
 
 3枚目の写真。ご覧いただくと、発泡スチロールの表面に凹凸があって、それを削っている姿だと思うかも知れませんが、ほぼその逆。
 むしろ、凹凸を作っているのですよ。
 何に仕上がるのか、楽しみですね。

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 本年5月頃から、断続的に紹介している「ドラマ制作」。
 当ブログ、左側にあるカテゴリーで選択していただくと、抽出して閲覧できるようになっています。
 どうぞ、ご利用ください。
 
 ドライリハーサルに続き、カメラ番号を入れる技術打合せが行われると、それと前後して、いろいろな手直し。映像・音声や照明の各セクションが、本番収録に向けて、さらに吟味の準備を着々と進めます。
 1枚目の写真は、テーブルの上の「物」の位置などを決めているところ。
 実際のテレビドラマでも、何気なく置かれている、そのように表現されている物でも、意図的に、そのように置かれていることばかりでしてね、解りやすい光景の表現は欠かせないわけです。
 カメラで撮影している映像を観ながら、「物」の位置を、細かく修正します。
 
 出演者の方に対しては、本番開始直前に、メイクアップの充実を。
 綺麗に見せる、というよりかは、「それらしく魅せる」というのが、真。
 2枚目の写真です。
 
 そして、いよいよ、撮影開始です。

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 1枚目の写真。
 写真に写る人のほぼすべてが、同じような立ち方で、同じような台本の持ち方をして、整然と並んでいる様子がご覧になれると思います。もちろん、これは、撮影用にポーズを決めているのではありません。
 それぞれのスタッフが、その目的を達成するための手段をとると、同じようなスタイルになる。必然的に、こうなるのです。
「ドラマ制作」スタジオ収録です。
 
 ドライリハーサルが終わると、カメラ番号を入れることなどをする、技術打合せ。
 スタジオでは、複数台のカメラを使用して、切り替えて収録していくことが多いわけです。台本には、この台詞のこの部分で、この演技のこの部分で、というふうに、切り替えるタイミングやカメラワークなどの「コンテ」が、あらかじめ書かれているのですが、「どのカメラがそのコンテのカットを担当するのか」これは書かれていません。
 そこで、ドライリハーサルを終えて、芝居の動きなどが確認された後に、それぞれのカットを担当するカメラを決めていくのです。
 2枚目の写真は、その技術打合せの様子。

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 1枚目の写真をご覧いただくと、ちょっと見慣れない道具を手にしている姿が。
 発泡スチロールにおける包丁とは、切断というより「削ぎ落す」というニュアンスに近いのですよね。
 表面を均一に切り落とす、というのとは違って、体積を減らす・膨らみを減らす、と言う感じに近い。美容室における「すきバサミ」みたいなものですかね(ちょっと違うかな?)。
 テレビ美術科「造形制作実習」の様子です。
  
 手にしている黄色い物体ですが、これは、白光株式会社の製品「スチロールカッター」。
 ご自分で、飛行機の模型などを造作される方にはお馴染みの、その分野においては、非常にメジャーな製品ですよね。
 3枚目の写真をご覧いただくと解ると思うのですが、電流を通してニクロム線を熱して、気泡混合ポリエチレンを溶かしながら切断加工していく道具です。
「削ぎ落し」と違って、表面の仕上げは滑らかになるわけです。
 
 2枚目の写真。まさに加工中の学生の様子ですけれど、非常に真剣な表情。
 素直に、カッコ良い、と思います。 
 

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 テレビ美術科は、主に「デザイン」と「製作」がテーマ。今回紹介しているのは、製作系の実習授業の1つでしてね、絵を描くデッサン系の授業から、ヘルメットを被っての授業まで、実にモリダクサン!なのです。
 さて、「造形制作実習」、寸法が入れ終わったら、いよいよ造形作業の開始です。
 
 切断したり整形したりするのには、いろいろな道具を使用するのですが、まずは、大きくザックリには、「包丁」なんですね。
 怪我をしないように、慎重な作業です。
 
 それぞれがそれぞれのスタイルで、黙々と。たまに、楽しそうな雑談も散見されますけれど、手は動いている、という様子。当然の事ながら下を向いての作業ですからね。背中とか頭という光景になりますね。
 ちなみに、白い袋が見えますが、これは、発泡スチロールから出る、切粉対策。基本的には、この袋の中で切断などをしていくわけです。
 
 ある程度、切断が進むと、モデルの物と対比させながら、再び寸法を図って確認。
 足らなければさらに切り進めば良いのですが、過ぎてしまうと、どうしようもないですからね。確認に次ぐ確認をして、丁寧に進めていきます。

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 放送芸術科「スタジオ番組制作」ですけれどね、この実習授業の特徴は、学生の役割がディレクターや作家などの少数のいくつかに、留まらないこと。代表的な役割は、交代で、何でも自分達でやってみよう!、というわけなのです。
 
 前回は、学生がデザインした、提供会社の商品ディスプレイをいくつかご覧いただきましたが、今回は、MCを担当してくださっている、車谷絵里さんの背景。この組み立てや造作・配置の様子を、紹介しましょう。
 
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 この作業の一番の難しさは、限りある「時間」でしょうね。慣れていない作業だからと、時間配分が長めになっているわけでもないですし、役割の学生が大勢いるわけでもないのです。
 その環境の中で、手際良く手分けして作業を進める。そのための事前準備を重ねる。これは、どんな仕事でも通じる、大切な事ですよね。
 
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 上の1段目左の写真。これは、1つ1つが風船。可愛らしいです。
 1段目右、トラス構造の美術セットは「あり物」ですが、それにデコレーションをしているところ。
 上の2段目。左の写真は、背景だけでなく、MCテーブルにも飾りをつけているところ。
 右は、映画らしく「カチンコ」を配置。もちろん、これも手造りです。
 
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 上の3段目左の写真。こちらのグループは、トラスの美術セットにいろいろなお酒の瓶を並べて、アダルトな雰囲気に。もちろん、全部空ですよ(笑)。重ねてもちろん、学生が空にしたわけでもありません。
 右は、「冬」がコンセプト。雪だるまの質感、柔らかそうですね。
 4段目、左の写真、エレガントな、エンターテイメントっぽいテイストのデザイン。
 そして右の写真。まさに、サクサクテキパキ、手分けして作業をしている様子です。

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 ・・・ということで、いろいろな学生達が作ったディスプレイ。
 全部で16セットのデザインがあったのですが、今回はその中の代表ということで、6セットの写真を、一挙にご紹介しましょう。
 
 この実習が始まった頃は秋本番という時。ですからデザインも、始めの頃は、「秋」をモチーフにしたものが多かったのですね。読書にコーヒー。個人的には、よくやります(笑)。
 
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 商品を中央付近に置かないのは、提供会社のスーパーインポーズが、そこに入るから。
 完全には避けませんけれど、まる被りはNGということになります。
 上の左の写真。コーヒー豆が溢れ出ていますけれど、この袋は、どこで見つけたのですかね〜。雰囲気出てます。そして、デザインは、徐々にクリスマスモードに。
 
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 そして最後の2枚は、本格的なクリスマスデザイン。
 最初に紹介したディスプレイも含めて、「ただ、配置すれは良いということではない」ということが解りますよね。デザインを吟味しながら、作り込んでいくわけです。
 右の写真は、実際にスーパーインポーズされている、テレビモニターの撮影写真。被りすぎることもなく、避けすぎることもなく、安定的なデザイン。本番時には、コーヒーカップにコーヒーが注がれます。