‘放送技術科’ カテゴリーのアーカイブ

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 前回とは別日の、「ドラマ制作2012」のガイダンス、今回は、放送音響科と放送技術科が加わっての説明会です。
 前年度の島﨑顧問に変わって、今年度担当するのは、TBSのテレビドラマ「男女7人夏物語り」「男女7人秋物語り」や「3年B組金八先生スペシャル」などの2時間ドラマのTD(テクニカルディレクター)として活躍してきた、本学園の倉谷顧問。1枚目の写真です。
 
 一通りの説明の後は、ドラマ制作の、昨年一昨年の2作品を上映。
 実際の現場と違って、結果よりも、むしろそれまでの過程が重要視されるのが学校ですけれど、まずは「こういう作品を創る」という1つの完成形、つまり結果を観察する、ということも大事。
 なぜならば、「完成させる事」が目的だからでしてね、その完成のために、これから勉強したり話し合ったりして、沢山の切磋琢磨を乗り越えていく。それが学生として、大切な経験となるからです。
 
 この1年間で、かなりな成長を遂げた筈の2年生。けれどもしかし、これらの作品を観ると、完成度には驚いている様子。
 撮影・収録までは、およそ4ヶ月ですけれど、まだまだ、成長し続けるわけですね。そして、その姿を期待したい、と強く思うしだいです。

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 さて、機材同士を結ぶ付線作業が終わった後は、それらのすべての配線の確認作業。
 配られた資料と照らし合わせながら、それぞれが、どの機器とどの機器を結んでいるものなのかを、1本ずつ調べていきます。
 
 すべてのケーブルが、1つの機器から分岐しているわけではなくて、まずは1つの機器に結ばれ、その機器から、また別の機器に結ばれているものが多いですし、配線される信号の種類が様々ならば、ケーブルの種類も様々。
 言わずもがな、無用な機器はなくて、すべて番組制作に必要な機器ですし、それらを結んでいるケーブルも無駄は物は1本もなし。
 ということは、1本でも配線を間違えると、NG。当たりまえですけれどね、かなりシビアな作業なのです。
 
 実際の現場では、映像システムなどを設計したり配線をしたりして、映像技術の分野における番組製作の環境造りを担当するのは、主にVE(ビデオエンジニア)のスタッフ。もちろん、放送技術科の学生のすべてが、VE志望というわけではありませんが、カメラマンでも編集マンでも、関わる知識ですからね、全員がしっかりと勉強する必要があるわけです。

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 東放学園専門学校、1年次は各学科がそれぞれの専門分野に関しての基礎を学ぶ授業が中心。一人のスタッフとして、また、その役割についての必要な知識を、学科単位で実践し経験していく、というものです。
 それに対して、2年次になると、各学科が一眼となって、1つの作品を大勢で協力して作り上げていく、という授業が中心に。この「協力し合う」という環境の下で、他の役割についても体系的に学んでいくわけです。
 
 そこで、今回ご紹介するのは、2年次の大型実習授業「番組制作演習」の放送技術科。今後の本格的な番組制作を前に、1年次の復習的実習を。
 
 まずは、機材室より必要な機材を運び入れて、指定の通りに機材を並べていくという作業。映像制作システムの構築です。
 通常、テレビスタジオとペアになって設備されている「サブコントロールルーム」を仮設する、という作業。当然規模は小さいものですが、同じ様な環境を学生だけで作り上げるという、高度な技術です。
 
 一通りの機材が用意された後(2枚目の写真)は、各機材同士の結線作業。数十本にもなる結線を学生自身で行うのですが、可能な限り短時間で作業を完了するために、それぞれが協力しながら、着々と。
 分担したり教え合ったり、体や手が交錯しながら、急ピッチで進めていきます。

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 前回の写真にも出ていましたけれど、ステージ上の大型スクリーンに投射されている映像は、当然の事ながら、ライブで撮影し送出しているものでして、これを担当しているのが、本校の放送技術科と放送音響科の学生を中心とするスタッフ。
 一般の専門学校や大学の入学式では、外部の専門業者の方へ依頼するところ、本学園の場合は、基本的に自前。まあ、「メディア」の学校ですから、当たり前ですけれども。
 左の写真は、客席内に仮設した映像・音響送出システム。右の写真は、客席中央付近に設置されたカメラを操作する学生です。
 
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 左の写真は、在校生代表 挨拶の言葉を述べる、照明クリエイティブ科の2年生。笑顔が象徴的ですよね。
 緊張して大変だったかと思いますが、「大切な言葉」をしっかりと最後まで、伝え遂げました。
 
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 左の写真は、新入生代表の言葉の最中。同時に開催された東放学園映画専門学校に入学した学生です。
 こちらもやはり、多大な緊張の中、正々堂々と、しっかりと話を。在校生代表の学生を含めて、2人とも凄いですね。素敵かと思います。
 右の写真は、卒業式終了後の、新入生の2人。高校からの友達同士で、同じ学科に入学したのですよね。
 この日の、この笑顔と気持ちを忘れずに、充実した2年間にしていただきたいです。
 
 (一部の写真:K-Yokota)


 そして、一連の動画紹介の最後は、ドラマ実習本番中の、サブコントロールルーム(副調整室)の様子。画面手前のテクニカルディレクターの、スイッチングワークの動画です。
 テクニカルディレクターは、本学園の島﨑顧問が担当。
 
 実習授業の課題となっている「1ブロック」の収録。これを、4台のテレビカメラを使用して、カット割りに沿って切り替えて完成させるのです。
 今回のカット割り数は、全部で25カット。けれどもしかし、右手でめくる台本、確かに芝居に合わせてめくってはいますけれど、ほとんど見ていない。これが凄い。とにかく凄い!と感じます。
 しかも、2時間も3時間もかけて、何度も繰り返しているわけではありませんからね。この本番は、カメラリハーサルが始まってから、およそ15分後ですよ。この間で、切り替えるカメラをほぼ記憶して、なおかつ、役者の動きも頭に入れるのですからね。
 こうして言葉で書いても、その凄さは、あまり伝わらないでしょう(苦笑)。
 ですから、ぜひ!何度もご覧いただければ、と思います。
 そして・・・
 この動画。いろいろな意味で、大変貴重な動画なのです。


 放送芸術科の「ドラマ実習」ですけれど、今回は、滅多に観られない、貴重な動画を2本ご覧いただきましょう。
 まず1本目は、ドラマ収録のカメラリハーサル中の様子。
 中心に写るのは、2カメと、それを担当する本学園顧問の島﨑カメラマンです。
この授業のメインである「制作系スタッフ」はもちろんのこと、他のスタッフも学生が担当するわけですが、ただしかし、すべてに渡って学生だけ、ではなく、このように要所で職員、とりわけ、島﨑顧問のような、かつては本物のドラマを数えきれないほど創ってきた、超ベテランテクニカルディレクターが「やって見せる」ことも、もの凄く勉強になるのです。
 洗練された華麗なカメラワークを、どうぞご覧ください。
 
 
 そして、実際に撮影している映像が写っている動画がこちら。
 4画面マルチ映像は、左上に1カメ・右上に2カメ・左下に3カメの映像。そして、右下が、実際に選択されている映像が写っています。
 特に2カメは、島﨑顧問の映像。映像が揺らいでいるのは、カメラを移動させている時。
 次の「画」を決めるまでの「機敏さ」を中心に、じっくりとご覧ください。
 
 ※違うリハーサルの動画ですが、上の動画を先に再生し、聞こえてくるカウントダウンの声を聴いて下の動画を再生すると、大体のタイミングが合います。

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 トータルで三日間に及んだロケーション、そして今回のスタジオでの撮影と続き、いよいよ、ドラマの収録も大詰め。
 上の写真左は、サブコントロールルームのスタッフ。手前から、ディレクター・タイムキーパー(記録)そして、奥には音声(ミキサー)と並びます。
「見守っています」という言葉、まるで常套句的に使う事も少なくないわけですけれど、特にディレクターの表情は、正真正銘の「見守り」でしょうね。ミキシングを担当する2人も含め、真剣さも緊張感も、非常に伝わってきます。
 
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 そしてこちらは、スタジオフロア。右の写真は、「マイクロフォンブームドリー」を操作するフロア音声の学生でして、左手で操るダイヤルの先には、ガンマイクが取り付けられています。
 暗くて解りづらい写真で恐縮なのですが、純粋にカッコ良い!と感じますね。何よりも、その真剣さの気持ちが、素敵なのです。
 

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こうして撮影は全て終わり。「クランクアップ」を迎えました。
最後は、関わった学生・職員なども含めて、集合写真の撮影。
楽しそうな表情も、沢山見えますけれど、
記念写真というよりかは、この作品に手向けた、責任感の表明。
「私たちが責任を持って、しっかりと作りました。よろしくお願いします」
と、言うことなのです。
けれどもしかし、素敵な写真ですよね〜。

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2月15日に続いて「ドラマ制作」スタジオ収録の様子。
 ちなみに、何度かお伝えさせていただいていますが、左下のカテゴリー「ドラマ」を選んでいただくと、関係する記事が、まとまりますので、どうぞ、ご利用ください。
 
 さて、撮影もラストスパートに突入。写真はそれぞれ、カメラリハーサル中のカメラマン。言うまでもありませんが、もちろん、すべて学生です。
 そして、その姿は、まるで写真撮影用に、表情を作ってポーズを決めて・・・ではなく、ごく自然でリアルな姿。「凛々しさ」が伝わってきます。
 真剣に取り組む気持ちが、表情や格好を、そうさせるのですね。
 
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 一見すると、1枚目の写真、赤い内装の部屋に、手前に男性、奥に女性。それぞれ、真剣に何かに取り組んでいる2人。
 毎年、この時期になると観られる、恒例の様子といえば様子。
 卒業生の方でしたら、すぐにお解りになる方も、多いと思いますが、そう、実は、卒業祝賀会に向けた、あの作品!の編集作業中の光景なのです。
 
 毎年、京王プラザホテルでの学校法人東放学園のグループ4校(東放学園専門学校・東放学園音響専門学校・東放学園映画専門学校・専門学校東京アナウンス学院)の卒業祝賀会では、卒業する学生達の2年間を記した、想い出ビデオ上映をしているのです。
 写真は、専門学校東京アナウンス学院の想い出ビデオの編集作業中のもの。
 奥の女性は、アナウンス学院の職員で、ディレクターを担当。手前の学生は、本校放送技術科の1年生でして、表情からして、優秀そうですし、真剣さが伝わってきますよね。
 
 そして、3枚目の写真。暗くて恐縮ですが、プロデューサーの役割も負う、編集指導の職員も。
 編集作業を、しっかりと見守っています。

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 レンズには、「最至近距離(MOD:Minimum Object Distance)」というのがあってですね、これは要するに、通常の使用方法において、フォーカスが合う、レンズと被写体の距離。
 レンズの性能によって異なるのですが、本校のテレビスタジオで使用している「キャノン」社製の最新機種は、およそ60センチ。つまり、これ以上近づくと、フォーカスが合わなくなるわけです。
   
 しかし、先日お伝えした、バックフォーカスの調整に使うツマミを回すと、理論的には、ほぼ“0”センチまで近づいて撮影することができるのです。ただし、「ズーミング」は不可能ですけれどね。これを「マクロ撮影」と言います。
 
 そこで、「カメラワーク実習」では、そのバックフォーカスと共に、マクロ機能(使い方)の説明も。
 1枚目の写真、解りづらくて恐縮ですが、レンズの直近に花のモデルを置いての説明中の様子。
 2枚目の写真が、実際に撮影された花。テレビモニターの画面を撮影したものです。
 
 ちなみに、昨年度に導入したテレビカメラのレンズには、オプションで「電動マクロ機能」を搭載。
 あのツマミを操作せずとも、手もとで簡単操作が可能なのです。

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 はい・・・、ということで、答えは、③の、いわゆる「ひきボケ」の調整でした。
 ただしく表現すれば、「ひきボケ」にならないように調整すること、でしてね、通常、被写体にフォーカスを合わせると、レンズとの距離が変わらない限り、どこのズームのポジションでもボケは生じないのですが、「ひきボケ」となると、レンズをズームアウトさせるにつれて、しだいにボケが生じ、ワイド端(ドン引き:最広角)でボケが最大になってしまうのです。
 従って、そうならぬように、カメラ側に最も近いレンズを動かして、調整する、というもの。
 「バックフォーカス(フランジバック)の調整」と言います。
 
 2枚目の写真、大型レンズのバックフォーカス調整ネジ。3枚目の写真、ポータブルレンズの調整ネジ(リング)。 
 やはり共に、カメラ本体の近くにあるのが、お解りいただけると思います。
 
 学生全員が、2〜3回、繰り返し、バックフォーカス調整の練習。
 華麗な巧みなレンズ操作よりも前に、まずは、この基本動作の徹底が、求められるからなのです。

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 さて、前回の「へルタースケルター」の撮影、そしてカラフルな「ケーキ」に変わって、今回は、ググっと黒い、機材の様子でございます(笑)。
 
 1枚目の写真の、この体勢ご覧いただくと、映像技術系な卒業生の方だったら、すぐに「何の授業なのか」は、すぐにお解りいただくでしょう。放送技術科1年生の実習授業「カメラワーク実習」です。
 
 続いて、2枚目の写真。
 1枚目のスタジオカメラ(スタンダードカメラ)だけではなくて、ハンディカメラに対しても、やはり同じ事をするわけです。
 体勢というか操作方法は異なりますけれどね。

 さらに、それらの動作に必要なのが、この一見、不可思議な模様の台紙(チャート)です。3枚目の写真。
 
 ここで、もの凄く久しぶりのクイズと行きましょうか。
 <問題>
 さて、いったい、何をしているのでしょうか。
 
 ① 目もレンズも錯覚しないための調整 
 ② カメラの「ホワイトバランス」調整 
 ③ レンズのいわゆる「ひきボケ」の調整 
 ④ たまには、いつもちょっと違った体勢的な・・
 
 (答えは・・・)


 
 随分と久しぶりの動画は、「ドラマ制作」のあるシーンの、ある1カットの様子。
 ドラマのスタジオ収録では、3台から4台前後のテレビカメラを使用して、それらを切り替えながら、1つのブロックをそのまままとめて撮影していく、ということが多いのですが、演技やカメラアングルなどの都合で、「別撮り」を行うことも、非常に頻繁にあります。
 
 今回紹介している動画の部分は、ご覧の通り、ハンディカメラをセットの上に置いて、出演者の近くの回り込んだ位置からのアングル。
 この距離では、他のカメラの画面に、ハンディカメラが入ってしまうので、このカットだけを別撮りする、・・・というわけです。
 
 演技の邪魔にならない位置から撮影した動画なので、石井七海さんの表情が見られなくて恐縮ですけれど、本番直前から、本番中の雰囲気をご覧いただいて、その「空気」を感じていただければ、幸いでございます。

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 1つのブロックの撮影が終わると、次のブロックの撮影。それが終わると、また新たなブロックの撮影・・・というふうに進めていく、ドラマの撮影。
 もちろん、経過時間による、一定の法則や決まりがあるわけではなくて、演技上、あるいはそれらの設定上、分けてやるべきところは分け、続けてまとめるべきところはまとめて撮影をしていくのです。
 前回、2月7日の内容に続く、「ドラマ制作」スタジオ収録の様子。
 
 リハーサル中は、1枚目の写真のように、担当する職員がアドバイスを。
 僅かな「サイズ」や「アングル」の違いなどで、「あがりの画(え)」は、随分と違ってきます。言うまでもありませんけれどね。
 ただ、時間は、余りあるほど沢山はないので、「さっさっさっ」と、合理的に修正。後で指示するだけでなく、その場ですぐに!が大事なのです。
 
 同じ光景は、音声を担当する学生へも。
 2枚目の写真、マイクロフォンブームドリーを操作する学生と、音声の担当職員。
 左手で握るダイヤルでマイクの向きを操作する、という方式なのですが、マイクが目的の方向に合っているのかどうかを、違う角度から見てあげて、アドバイス。
 これこそ、後で説明しても、あまり意味がありませんよね。