‘実習風景’ カテゴリーのアーカイブ
8月が間近に迫ってきているここ数日、東放学園専門学校がある東京都では、何となく、梅雨空に戻ったような天候。
梅雨明けが早い夏は、真剣な暑さも小さく、そして分散化傾向にあるようでして、そのオウドウを突き進んでいる様ですよね。
これを書いている28日木曜日の夜、雨が凄いです。
そんな中、あえて、もう、非常に「夏〜っ!!」という雰囲気の美術セット。「番組制作演習」7月初めの模様を、ご紹介しましょう。 ・・・と言うと聞こえは良いですが、はい、ご多分に洩れず、紹介させていただきたい記事が溢れていて、遅れちゃっているのでございます(苦笑)。すみません。
うーん、浮き輪に扇子に海に太陽、祭りに風鈴 麦わら帽子・・・(しみじみ)。
さて、この「夏夏しい環境」の中、いったい、どんな番組がどんな雰囲気で完成していったのか。
今後、明らかに!
陽もすっかり暮れた、ある日の放課後。場所は、プリズム21校舎 1階ロビー。
学生が、次々と帰宅の途に就く中、1人、テーブルに向かう学生。
通りがかる僕を一瞥(いちべつ)し、そしてまた、手許の工房へと、その世界を戻す。
やや薄暗い、広くそして1人の世界。
そこに、密度の濃い、ヘッドライトの光が1つずつ規則的に、彼女の背後を通り過ぎていく・・・。
・・・とまあ、たまには違うテイストで、ドラマのト書きふうに、書いてみました(笑)。
けれど、実はこれ、全部事実でしてね、テレビ美術科の学生が、「番組制作演習」のスタジオ美術セットの図面を書いていたんですね。
人が沢山いて、明るく活気に満ちあふれている事が多い、ロビーですけれど、時間という1つの環境が変わると、そのシチュエーション全体が、大きく換わるわけです。
何と言ってもチームワークの、この業界。
しかし、その背後には、個人の不断の努力がある。それを持ち寄って、初めてチームワークが成立するのです。
はい、前回のつづき、実習授業「ドラマ制作 ロケーションハンティング」です。
前回の2枚目の写真は、都内郊外の、ある公園。担当の島﨑顧問が説明をしながら、学生と共にロケハンを進めているところ。
ストーリー中、出演者が歩くシーンに関して、適切な場所かどうか、ここを選んだ場合、どの場所を歩く事にするのか。考慮する材料は、大まかな周囲の環境から、広さ・奥行き、撮影時間や太陽の方向・影、周囲の騒音や人通り、撮影に使用する機材等の設置場所や駐車場の位置などなどなど・・・。この他にも、書ききれないほど沢山あるのです。もの凄く、奥が深い!
本日2枚目の写真は、撮影にご協力いただく予定の、都内のある学校舎内の廊下。
校舎内、とても広いのですけれど、いろいろな事項を勘案し、ほぼ決めウチのピンポイントで、想定される演技場所を決めていきます。
今回、ロケハンを行ったのは、放送芸術科の2年生。プロデューサー担当やディレクター担当の学生と、ドラマ撮影の基盤を作り上げる役割の「制作進行」の担当者や、アシスタントディレクター担当など。
もちろん、ロケハンは、この1度だけではなく、様々なスタッフが参加してのロケハンが、何度か繰り返されるのです。
それでは、2011年7/16・7/17に掲載させていただいた放送技術科ENG実習の練習風景を、今回は動画で。
静止している人をバランス良く撮る、ということ自体、実は想像よりも難しいのでして、それが「動き」になると、その難しさはさらに増します。「歩く」これは普通の何気ない動作なのですけれどね。
しかも、今回の様に、カメラに向かって進んで来る、それを同じサイズを維持しながら、フォーカスも合わせたままで、というのは、さらに難しい。
けれどもしかし、経験ですし、とにかく練習なのです。
被写体にカメラを向けるのが早過ぎて、歩いている学生長めの動画になってしまっていますが、どうぞご覧ください。
廊下を手前に向かって歩いて来る学生を、同じサイズでフォローしながらの撮影練習。
近づいて来るので、動きに合わせたズームアウトが必要ですし、距離に関係するフォーカス(ピント)も、同時にフォローしなければならないので、被写体の動きによらず、結構難しいのであります。
撮影している映像が表示されるビューファインダは、基本的に右目で覗くようにして見るもの。撮影(被写体のみ)に集中する時は、左目は瞑りますけれど、場合によっては、左目を開けます。これは周囲の状況を把握するため。状況によって使い分けます。
そして、撮影後は、プレビュー。自分で撮影したものを確認します。これが2枚目の写真。
この「撮影後にプレビューする」が、大事でしてね、特に学校内では、これを繰り返すことが、上手くなるための、1つの手段となります。
撮影中に見えない・気がつかない「アラ」が、観察されるからです。
さあ、今日も運動会、というところで、あえてそれは一休み。出し惜しみしているわけではございません。
1枚目の写真。まるで、記者会見場に入る、チョーユーメイ俳優、それを待ち構えるカメラと記者の熱い視線の数々。
・・のようですが、言うまでもなく、そうではなくてですね、ENG(エレクトロニクスニュースギャザリング)カメラ機材の実習授業の様子なのです。
ENGとは、取材などで多く使用されるVTR 一体型カメラ、あるいはそれに付随する機材一式の名前の1つ。
なぜ、わざわざ「エレクトロニクス(電気式)」という名前がついているかというと、昔は、駆動力に「ゼンマイ」を利用(電気駆動ではない)したフイルムカメラを使用していたからです。もしかして、「ゼンマイ」もご存知ないかも、ですが。
電気仕掛けでもなく、長時間録画もできず、撮影が終わったらまず現像して、ハサミを使って編集して・・・なんていう時代から、今は随分と変わったのですよね(しみじみ)。
さあ、明日の7月12日(火曜日)は、学校法人東放学園の大運動会。
・・・で、どうして、運動会でこれらの写真なのか? というと、会場内の大型スクリーンに写る映像、これを本校の放送技術科が担当するからなのです。
写真1枚目は、今日月曜日の午後、教室での「仮組み」の様子。
テレビカメラの映像と、スーパーテロップ(画面内の文字等の情報)などの切り替えを行って、それをスクリーンに送出。同時に収録も行うので、今回のシステムも、それなりに大掛かりです。
1年生は、これが初めての、校舎外・授業外のイベントスタッフへの参加。ですから、先輩2年生に教わりながらの作業を進めます。これが2枚目の写真。
教室での仮組みが終わると、機材運搬車への積み込み。3枚目の写真です。
これもイロイロなノウハウがあるので、何でもカンでも積めば良い、というわけではありません。
そして、都内某所の、ある有名な体育館へと移動。機材も学生も到着して、早速、スタンバイ作業です。
やや暗い場所で、シャッタースピードが遅い、ということもあるのですが、それ以上に学生の「動き」も速く、作業中の学生は、すべてブレて写っています。
4枚目の写真、中央付近に、セルリアンブルーの何かがぼんやり見えてますが、これはレンズ前を通り過ぎた学生でして、もはや、まるで、写っていません(苦笑)。
梅雨明けの空と・・・
2011年7月10日 実習風景
関東地方は、昨日の土曜日、梅雨明けしました。
今年は梅雨入りも早かったのですが、このような年は、梅雨が長引く傾向にあるそうですけれど、
梅雨明けも早かったですね。けれどもしかし、暑いです(苦笑)。
写真は、「オープンキャンパス 体験入学が行われた日曜日の夕方。
濃い色の空、メリハリがあって素敵です。
左奥に見えているのは、西新宿の高層ビル群です。
というわけで、今回は写真拡大モードで、明朗闊達(めいろうかったつ)にお伝えしております。
2枚目の写真は、1枚目の構図からズームインしたもの。
行楽帰りの車なのでしょうか。首都高速4号 新宿線は、上り下りとも交通量多めです。
そしてその奥に見えているのは、東京スカイツリー。
ハッキリと見えているので近そうに見えますけれど、実際は結構離れています。
あっ、スカイツリーと言えば、地デジ化(一部地域を除く)、2週間切りましたね〜。
さて、お伝えしたい事が「山ほど」の「山積み」状態の当ブログ。
内容と紹介との日時にタイムラグで生じておりまして、大変恐縮でございます。
1枚目の写真は、いかにも!番組製作中らしいもの。特筆すべきは、写真左に見える黒色の奇妙な物体。
これは、パンダグラフに吊るされる、ベースライトで、照明機材の1つ。
「いかにも」というデザインなので解りやすいですが、パンタグラフは、ある一定の範囲内で、高さが変えられる機構を持つ道具なのです。
2枚目は、リハーサル中の様子。
正面に見える「ボード」は、ディレクターを担当する学生から、美術担当の学生へと製作発注されたもの。実際に放送されている番組っぽい雰囲気の1枚です。
3枚目は、カメラとパンプレットを手にして、探検隊ふうな3名。ちなみに2枚目の写真左の女性は、添乗員役なのです。
この回のテーマは、東放学園専門学校 各学科の紹介番組。出演者はすべて放送芸術科の学生でした。
東放学園専門学校 全学科合同の実習授業「ドラマ制作」。
ここで紹介するのは、ほぼ1ヶ月ぶりなのですが、授業自体は毎週実施です。
ただ、時間割的にある一定の人数が集まるのは週に1度ですけれど、関わる学生の「動き」としては、ほぼ毎日。今年9月のドラマの完成に向けて、毎日少なくとも何名かの学生が、準備に勤しんでいるわけです。
授業を履修するのは2年生ですが、1年生も何名かが、お手伝い。しかし、それは表面的な部分でして、要するに勉強しにきている。多少傍らでもどんな関わり方でも、経験すれば勉強になるのですよね。
というわけで、写真1枚目は、その1年生が2年生の前で自己紹介、の様子。
その後は、完成が近づいている台本によって、進行状況の報告や、関わる様々な事への注意点やアドバイスの話。
たとえば、ロケーション候補地の選定や相手先への交渉方法、撮影に使用する機材や道具について、タイトルバックやスタッフロール部分の事にについて・・・などなどなど・・・。
2枚目の写真、授業を担当する「ドラマの達人」島﨑顧問が、学生にアドバイスをしているところ。
学生の表情も、極めて真剣ですよね。
1枚目の写真、学生2人は一体何をしているのか、というと、映像音声無線送受信装置のアンテナ方向調整です。
「番組制作演習」番組内の入り中継部分。この中継先は、テレビスタジオがある校舎から、少し離れた場所にあります。
その場所とテレビスタジオを無線で繋ぐ大事な役割を担うのが、この装置。
これと同じ装置は、写真のスタジオ側の屋上と、中継先の屋上にも設置しているのですけれど、お互いの装置、すなわち両方のアンテナが、向かい合うように調整する必要があるわけです。
この向きが正しく調整されていないと、映像と音声を送受信できない。番組としては、そりゃもう「大騒ぎ!」になってしまうのです。
2枚目の写真。これが送受信装置のレベルメーター。お互いのアンテナの向きが「ビターン」と合っていると、レベルは最大値。
赤い針が、右方へと振れるのです。
特に、番組を製作する実習授業では、4台から5台のカメラを使用。1枚目の写真でも、3台のスタジオカメラと、手前に写るフロアディレクターの学生の右手の辺りに、1台のハンディカメラで、4台。見えていませんが、もう1台のクレーンカメラも使用しています。
さあ、もう今日は前置きなしで、ドンドン進んでいきますが・・(笑)。
各カメラには「1カメ」「2カメ」・・・というふうに「カメラナンバー」がついているのですが、この番号の順番に関係がない、適当な配置ではなくて、基本的には、出演者に向かって「下手(しもて:左側)から順に「1・2・3」と配置する、という1つの法則があります。
ですから、2枚目の写真では、一番左に1カメで一番右に3カメ。
カメラ位置を決めないで、機動性重視とする4カメと5カメの配置は、この法則に関わりありません。
もちろん、カメラワークによっては、これらの順番が入れ替わることもありますよ。
別にですね、「節電」のために、暗くしているわけではないのです。
3枚の写真とも、テレビスタジオの上、スタジオフロアとセットというかペアーで存在する「サブコントロールルーム」。そして、3枚とも、VE(ビデオエンジニア)のスタッフが、作業をするスペースです。
そもそもビデオエンジニアの仕事とは、もの凄く多義に渡るのですが、サブコントロールルームでは、テレビモニターや測定器などを使用して、テレビカメラの「色」「画質」「明るさ」これらを監視したり調整したりする仕事も、担当するわけです。
となると、それらが見やすいような環境が大事。そのために、サブコントロールルームの、特にビデオエンジニア周りは一段と暗くしているのです。もちろん、VE以外のスタッフも、暗い環境の方が、画面に集中しやすいですしね。
1枚目の写真、中央の上に見える、大きめのテレビモニター。これはVEマスターモニターといって、サブコントロール内の「王様!」的存在。最も高精細であり、映像を忠実に再現してくれます。
ちなみに価格も「王様!」(笑)。
2枚目。VEを担当している学生スタッフ。
3枚目は、各テレビカメラの、色や明るさ、そして画質を調整するための、コントロールパネルです。