‘実習風景’ カテゴリーのアーカイブ

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上の写真が、当初のデザイン図。
ディレクターからのオーダーや、番組の構成・演出に即した形で、第一考として作られたものです。
そして、下の写真が、それを元に実際に建てられた美術セット。
単純に比較すると、実際の方が、ややシンプルな印象を受けなくもないですけれど
テイストはそのままに、作業にかかる時間やコスト、建て込みのスムーズさなどを勘案して
吟味され、多少、変更されている部分があるという結果。
ですから、「簡略化」というよりは「洗練化」というのが正しいでしょう。
机上の構想を具現化して実現させるために、欠かせない吟味です。

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と言うことで、2012年度「番組制作演習」の様子。
下の9面マルチ写真。例によって、クリックすると、かなり拡大表示されるので
ぜひ!そのようにしてご覧いただきたいわけですけれど
この美術セットの製作と建て込みなどに関わっている、テレビ美術科の学生
3ヶ月弱の間に、20番組の20美術セットをデザインして、製作して建て込み。
しかも、テレビ美術科2年生の全員が関わるわけでなないですからね
言うまでもなく、というか、簡単に表現できないほど
高密度の作業進行によって達成される、作品の数々なのです。

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前回の「音声」では、大切なテーマの1つとして「自然に聴かせる音」とお伝えしましたけれど
今回は「照明」。こちらは「自然に見せる明かり」が、大切なテーマの1つ。
もちろん、「光」が演出というか、デザインとして生かされる場合もあって
すべてがそうであるわけではないですが、トーク・情報などの一般的な番組の場合は
特に意味がない限り、まずはその場で肉眼で観ている見え方と同じようにテレビに写す、ということ。

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上の2枚の写真は、自然に見せるための照明。
左は、美術セット全体を、均一に明るくするための灯体を操作している様子。
美術セットが建った後は、灯体が吊らされている照明バトンが降ろせないですからね
下から、長い棒「介錯棒(操作棒)」を使って、向きの微調整をします。
一方、出演者に最も近い位置から照らす灯体が、いわゆる「キャスターライト」。
原稿等を置くテーブルに置いて、下から顔などを照らす目的。
 
それに対して、演出的照明が、下の2枚の写真。
左は、青白い色を放つ灯体の向きを変えている様子で、どのように照らすのかが右の写真。
番組の最後に、クイズの優勝者を照らすためのもので、言わば、優勝者限定ライトですからね
強調するために当てる範囲を狭くして、四角形にしているのです。
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シリーズでお伝えしている、2012年度「番組制作演習」。
なぜ?昨年の?・・・とお思いの方、多いだろうと推測しますけれど、理由は・・・
昨年一部しか紹介できなかったから(しみじみ)。
大変単純な理由で、誠に恐縮でございます。
 
さて今回は、放送音響科の学生の活躍、音声について。
番組制作には、実に沢山の技術・スタッフが関わって作業を進めているわけですが
その中でも「音声」は、一番身近というか想像に容易いとは思います。
けれどもしかし、大方の予想に反して、実際の作業は、非常にデリケートで緻密でして
テレビの向こう側の視聴者に対して、あらゆる音を自然に聴いていただく、奥の深さがあるのです。

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それらの音を収めるためのマイクロフォンは、何種類かあってですね
まずは、右上の写真で「ピンマイク」。
手にマイクロフォンを持つことなく、視聴者にその存在を目立たせることなく、収音します。
 
次に、下の写真。右から左に向かって、長い棒のような物を操作しているのが
「マイクロフォンブームドリー」。その先に付いている物が「ガンマイク」。
比較的遠距離であっても、棒状のマイクの、その先にある音を収めやすい性能を持ちます。
また、写真左の出演者に対して、下から向けられている細長い棒も、同じガンマイク。
これらもやはり、マイクロフォンを手に持たずとも、音を収めるための物。
口に近くない、持たせない、あまり目立たせない、けれどもしかし、音はしっかりと収める。
この重要命題を達成する事、そしてその巧みなテクニック。
すなわちこれが、「奥深さ」となるのです。
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「お伝えして、お願いする」ということ。
もちろん、いわゆる制作の役割として、それは他にも数えきれないほどあるわけですけれど
これが、その種の役割の根底にある、非常に大切な仕事の1つかと思うのです。
だからこそ、ディレクターになる前の、アシスタントディレクター・フロアーディレクターでは
その業務を、数多く負う。
ディレクターになって、企画を考えたり構成・内容や意図などを考えて
それを出演者に伝えて、演出する。
これらに、繋がっていくわけです。
 
ということで、2012年度「番組制作演習」。
アシスタントディレクターやディレクターを担当する学生の
「人に伝える」と言う光景の数々を、ご紹介いたします。
どの写真も、大切であり自分の仕事であると、しっかりと自分自身に取り込んで
真剣に伝えようとする姿です。
(写真をクリックすると、拡大表示されます)

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さて、次の動画をご覧いただく前に、まずは静止画で数多くの紹介でしてね
何しろ、当該の課題制作だけで12番組・12グループが取り組んでいたわけです。
すべてをご覧いただくのは難しいですか、その中でも沢山を紹介です。
 
今回の写真は、「位置決め」。
出演者や各技術スタッフが確認する中
ディレクターを担当する学生が、要領よく進行していきます。
上の写真、中央やや左に立って、台本を持っているのがディレクター。

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左上の写真は、出演者の代行(代役)を担当している、アシスタントディレクター。
細かい立ち位置などは、わざわざ出演者の方にお願いする必要ありませんからね。
そして、それらに細かい指示を出しているのが、ディレクター。右上の写真。
 
出演者の進行上の動きを容易にするため
また、カメラワークやライティング上などでは、欠かせないのでして
これを失敗すると、スムーズな制作が難しくなってしまうのです。
「位置決め」というと、その事自体は難しく感じないですけれど
もの凄く奥が深い、大変重要な作業の1つです。
 
位置決めなどが終わると、少々の各所・各役割の手直しがあって
カメラリハーサル開始となります。
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それではここで、最近アップが滞っていた動画をご覧いただきましょう。
今回と次回で紹介する動画は、2012年度の「番組制作演習」の様子。
 
この授業をごく簡単に説明すると、東放学園専門学校の全学科の2年生が参加して
およそ3ヶ月に渡り、番組制作・模擬放送を行う実習授業です。
今回の動画は、そのカメラリハーサル直前の様子。
出演者に説明するフロアーディレクター、そして出演者にピンマイクを付けているフロアー音声
その背後で、細かく修正を行っている、照明や美術のスタッフなど。
もちろん、ここに写るのは、全員が学生です。
 
ちなみに、この慌ただしさは、まるで現場の本物と同様。
各スタッフが、真剣に、あるいは合理的に仕事をこなそうとすれば
こうなるのが、むしろ必然なわけですね。 

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放送芸術科の実習授業「スタジオ番組制作」の最終課題、音楽番組制作。
シリーズの最後は、カメラマンを担当した学生達の様子です。
 
お伝えしている通り、この実習は放送芸術科の授業。
この授業の今までの課題によっては
放送芸術科の学生自らが、カメラマンを担当するということもありましたけれど
さすがに音楽番組のカメラワークとなると、相応のテクニックが必要ですしね
ディレクターを担当する放送芸術科の学生が要求するカメラワークを
しっかりと実現してあげなければならない。
ということから、放送技術科の1年・2年の学生、そして
長年に渡り現場で活躍してきた、本校の倉谷顧問や担当職員などで
交代して、音楽番組全16作品のカメラマンを、担当しました。
 
写真をご覧いただければ、多言は無用でしょうね。
気持ちが表情に、そして姿勢に、にじみ出ているのです。

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カメラリハーサルなどを終えた後は、いよいよ本番。
「終えた後」と書きましたけれど、各々の作業終了を待って・・・ではなくて
各グループ共に制限時間があってですね、時間になると始まる、つまりは「生放送」形式。
「ただやる」だけではなくて「効率良く進める」という力も、求められるわけです。
 
そして、出演者を担当するのも、グループ違いではありますが、同じ学科の学生達。
美術も担当して、もちろん制作全般の勉強もして、出演者も経験。
ミクロでコアな「何かだけ」ではなくて、非常に多元的に、制作を体得していきます。

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特に、前回紹介したフロアディレクターは、出演者に直接する仕事も担当しますからね
出演者という立場を経験すると、フロアディレクターに対して
「何かを望む」場面というものが、当然出現するのでして
この「望む」が、今後そして将来に役立つ気持ちに繋がります。 
 
そして、下の2枚の写真。
この2人の衣装の一部は、ナント!!スタッフの学生による手造りなのだそうで。
こうなると、出演者の学生も、気合いが入るでしょうね。
 
美術・衣装・ディレクターなどなど
威力を発揮する方法や手段というのは、沢山あるわけですが
いずれも共通しているのは、「大切な経験」である、という事。
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左上の写真は、リハーサルの合間に、出演者に進行や動きの指示をしている様子。
そして、いよいよ本番開始!
右上や下の2枚の写真は、本番中のフロアディレクター。
必要に応じて、しっかりと声を出したり
あるいは、手や「カンペ」を使って指示を出したり・・・という様子。
 
写真はいずれも、入学して1年もそろそろ終わりという時期の、今年1月頃のもの。
ご覧いただくと解りますが、随分とプロっぽくて格好が良くなって「サマ」になっていますよね。
学生によっては「生まれて初めてテレビスタジオに入った」というタイミングから、僅かおよそ3ヶ月。
しっかりと、成長しているのです。
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放送芸術科には、大別すると
ディレクター・作家・タイムキーパー・マネージャーを志す学生で構成されていて
日頃、勉強に経験に勤しんでいるわけです。
たとえば、ディレクターとマネージャーは、仕事の手段も関わり方という観点では、随分と違いますが
より良い演出を遂げること、そのために出て演ずる俳優やタレントの方々のマネージメントですから
目的は、ほぼ共通していて、すなわちそれは「より良い作品を創る事」にあるわけです。

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この実習は、放送芸術科1年生が全員履修する授業としているのは、そのため。
志望違いの全員が、番組制作に必要な知識や手段を体得しよう、ということのです。
 
今回は、その中の「フロアディレクター・アシスタントディレクター」を担当する学生を。
 
左上の写真は、ディレクターとフロアディレクター、担当職員との打合せ中の様子。
番組内で使用する物の配置や見せ方など、より良く見せるための吟味です。
右上の写真は、技術打合せ中の様子。
ディレクターをフォローするように
同じく番組内で使用する「フリップ」を、カメラマンなどのスタッフに見せている様子です。

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前回に続いて、「スタジオ番組制作 音楽番組」。
上の写真は、カメラリハーサル中の、サブコントロールルーム。
全20式のテレビモニターのうち、今回は使用するものしか映像が出ていませんけれど
全面に見えるのが、モニターウォール。
 
それに向かっているスタッフは、左下の写真。
手前から、TD(テクニカルディレクター)・ディレクター
その左には、TK(タイムキーパー)と、フォローする職員と、音声のミキサーを担当する職員です。

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通常、サブコントロールルーム(サブ)で仕事に従事する、制作系のスタッフとは
数多くのスタッフの頂点に立つ、ディレクターのみであることがほとんど。
けれどもしかし、この授業は少々違いましてですね
解りづらい写真で恐縮ですけれど
出演者の名前や歌詞など、画面上の文字情報を送出するCG(TELOP)のスタッフ、左下の写真
そして、BGMや歌の部分の楽曲を送出するSE(サウンドエフェクト)のスタッフ、右下の写真
これらも、技術系ではない放送芸術科の学生が担当。
本来の志望職種ではない、様々なスタッフの仕事にチャレンジすることで
各スタッフの役割を理解して、視野を広げる事に繋がるのです。
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あの〜、タイミングを逸したシリーズというわけではないのですけれど
まあ、それに準じた内容ということで(苦笑)。
「ドラマ」で終わっていた、放送芸術科1年生の「スタジオ番組制作」。
今年に入って1月には、最終課題の「音楽番組」に突入しました。
 
上の写真は、全16グループそれぞれの16作品の中の、あるグループの本番中の様子。
音楽番組と言っても、単純に歌手が歌うだけではなくて
司会者と出演者とのトークのコーナがあったり、バラエティー的なコーナーもあったり。
学生それぞれが、試行をこらして、番組内容を考えていきます。
 
そしてこの授業のハイレベルなところは
美術セットの細かな部分も放送芸術科の学生がデザインして、自ら、作っていくというところ。
まずは、それらの学生の活躍の模様を、ご覧いただきましょう。

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少々説明させていただくと、上段中央と右の写真。
これは、歌手の立ち位置と、背景や美術セットとのバランスをとっている様子。
カメラ位置に立って、つまりはカメラ写りを気にしながら、調整していきます。
 
下段左の写真。これは、トークのコーナーで使用する紹介グッズのレイアウトを決めている様子。
これも、ただ並べるだけではなくて、カメラ写りとその縦横比を考慮しながら、綺麗にカッコ良くです。
  
そして完成した美術セットが、下段中央と右の写真。
16パターンの美術セットがありましたが、寒色系と暖色系のデザインを代表して、2つを紹介です。

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そして、いよいよ、本番直前で「開場」。
沢山のお客様、プログラムのような物に、目を通している様子。
男女も年齢もそれぞれまちまちで、スーツ姿が目立つかな?という感じですね。
 
右上の写真。これは本番中に撮影したものですが
よく見ると、カメラマンを担当している、スタッフの学生もスーツ姿です。
ここまで来ると、「いったい、何のイベントなのか」何となく解るでしょうか。
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前回までのスタンバイでは、ほとんどの写真が、機材の背後での作業風景でしたけれど
当然の事ながら、本番中は、機材に正面から向き合って、の光景。
左上の写真は収録音声を調整するミキサー。右上は、映像を切り替えるスイッチャーです。
 
さて、いったい何のイベントなのか、というと、下の写真。
2013年度「学校法人東放学園 入学式」!!
ステージ上にある、スクリーンへの映像送出と、映像・音声記録を
放送技術科と放送音響科の2年生が、担当していたのです。
 
新入生の皆さん、ご入学、おめでとうございます!!
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さて、前回の内容でも登場した、黒色の四角い箱。
側面には、「・・・88」と書かれていますけれど、これが何か?
右上の写真をご覧いただくと、お解りになるでしょうね。
これは実は、高倍率ズームレンズでしてね、そのズームの倍率が88倍。
88倍の威力を言葉では容易に説明できないわけですが
テレビスタジオで通常使用されるレンズは、26倍前後ですからね、大したモンです(笑)。
いずれにしても、小型化が進むテレビカメラ本体と比較すると
明らかに、レンズの方が大きいですよね。
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そして、また、機材を沢山並べて、結線作業。
ただ、場所は変わっていて、都内の、ある有名なホールの中。
実は、前回お伝えした、教室でのあの様子は、言わば予行演習でして、こちらがつまり本番。
特に学校外の環境では、配線設計のミスも忘れ物も、絶対にあってはならないですからね。
綿密なシミュレーションを経ての、現地スタンバイが必須なのです。
 
場所は変わっても、どちらも共通しているのが
「学生が主体的に、学生が積極的に」
作業を進めている、ということ。
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