‘雑感’ カテゴリーのアーカイブ

ビフォーアフター1

2010年3月23日 雑感



  
 さて、機材の紹介は、一休み。
 ビフォー・アフターをご覧ください。

 まずは、スイッチャー付近の写真。
 もちろん、上がビフォー、下がアフターです。

 ビフォーの写真、スイッチャーコントロールパネルが大きくなることを予想して、大きめ(広角)で撮影したこともあって、ちょっと寂しく見えますね。

Vbus-70B

2010年3月22日 HD機材設備,雑感

ビデオトロン社製
70形筐体 10モジュール
Vbus-70B
 
 
 たとえば家電製品というと、一般的に、1つの目的で1つの固まり、というか、1つの外見を持ちますよね。洗濯機とか冷蔵庫とか掃除機とか、まあ細かくは、その中にいろいろな機構が備わっているわけですけれど、概ね、1つの目的を達成するための、機器となります。
 しかし、放送機器は、そうでもない。恐らく、昔ほど、機器の内容や仕組みが大掛かりで、大きいものだったので、家電に近い、つまり、大きな1つの固まりだったのですが、技術の進歩と共に、小型化を繰り返したのですね。その結果、たとえば、信号の「質や形」を変える程度だったら、ボード(ICやダイオードや抵抗などのパーツが並ぶ基板)1枚で、できるようになったのです。
 そうして、外見として認識できる機器「箱」は、ボードのケースとして存在することが増え、しかも、目的違いのボードの収納箱という意味合いが、さらに強まった、というわけです。
 
 話が長くなりましたけれど、今回紹介する機器も、その1つ。近い目的を持つ、同じメーカのボードではありますが、それぞれ違う機能を有するものの集合体です。
 写真の3つのユニットは、それぞれに、ビデオトロン社製の、「70シリーズ」のボードを10枚内蔵できる、メインフレーム(ケース)です。


 写真は、先日のシミュレーション実習中の、サブコントロールルーム。
 CRT(カソウド レイ チューブ:いわゆるブラウン管)のテレビモニターから液晶ディスプレイになって、300ミリ程度、モニターウォールが、後退しました。そのため、同じ位置からは、より、多数のモニターが見やすくなった、つまり、広く全体を見渡せるようになったわけです。

 この「広く見渡す」「全体を見る」という行為、また、その能力は、番組作りには、欠かせないこと。それがテーマだとしても、過言ではないでしょうね。アイデアとかテクニックより、さらに大事なことかもしれません。


 シミュレーション実習中のサブコントロールルーム。
 今日の番組制作の流れは順調。学生さんも、新しい機器に対して、抵抗がない様子でした。何らかのトラブル等に備えて、念のため、工事を担当された方に、同席していただきました。
 工事作業は、こちらから依頼した「手直し」等の作業が若干残っている他は、ほぼ、終了に近い状態となっています。


 今日は、「シミュレーション」を実施。新しい機器設備・システムで、それぞれが正しく機能するかどうか、適切な仕様になっているかどうかなどをチェックするための、大切な作業です。
 初めてのスタジオ実習ということで、学生が正しく機材を使用できるかどうかや、使用方法などを学ぶという意味合いも、もちろん、あります。

ゲンロックとは

2010年3月17日 雑感

 ゲンロックユニットの説明です。

「信号を送る」というように、「信号」と「送る」という言葉をセットにして使うことが多いですよね。
そう、信号はケーブルなどを使って、伝送されることにより、初めて目的を果たすのです。

 実際には、ベルトコンベアに信号という「箱」が乗り、それが連続的に送られる、というようなイメージ。ケーブル1本が、1つのベルトコンベア。だとすれば、沢山のベルトコンベアが並んでいる、ということになります。
 沢山のベルトコンベアから運ばれてくる箱を、効率良く正しく回収するためには、ベルトコンベアのスピードと、箱が運ばれてくる間隔(タイミング)を、合わせておく必要があります。つまり、スピードの法則とタイミングの法則が必要になる。この法則そのものが、「同期信号」です。
 そうなると、それぞれのベルトコンベアに箱を送り出す機器、すなわち、映像信号を作りだす機器(たとえばテレビカメラ)や、箱を回収する機器(たとえば映像を切り替えるスイッチャー)各々に、同じ同期信号を送らなければならないですよね。
 タイミングを合わせることを、「同期をとる」と言い、同期をとることを、「ゲンロック」と言います。
 つまり、ゲンロックユニットとは、同期信号を作る(発生)する機器。オーケストラで言えば、「指揮者」にあたる、大変重要な機器となります。

静かな一日

2010年3月17日 雑感


 今日は、工事作業もお休み。誰もいない、静かなサブコントロールルーム、廃棄物もなくなり、広い床が現れたスタジオフロアーは、久しぶり。ちょっと、寂しい気分です。

 さて、この後の記事からは断続的に、機器1つ1つの説明が始まります。

※記事中の写真は、クリックすると大きく表示されます

むしろ、機材よりも

2010年3月16日 雑感


 スタジオフロア、お昼頃の写真。
 向かって手前に、比較的整然と置かれているのは、すべて廃棄する物。段ボールや発泡スチロールの量をご覧いただくと解ると思いますが、廃棄となる機材より、今回購入機材を包んでいたものが、圧倒的に多いのです。丁寧に畳んで整理していただいていても、これだけの量ですからね。
 午後は、専門の廃棄業者の方が入って、トラック1台に、これまた、高密に綺麗に、積んでいきました。 
 
 


 昨日、スイッチャーの専門家の方に、スイッチャーコントロールパネル等の説明と設定をしていただいたのですが、実は、こんな設定もしていただきました。

 写真の、「テンキー」のようなパネルボタン。表示している部分は液晶になっていて、数文字を表示できるようになっています。
 その中の「AUTO7」や「AUTO10」ですが、これは、「学校ならでは」という、スタジオスイッチャーシステムとしては、非常に特殊な設定。
 このボタンを押すと、1CAMから3CAMまでの3式のカメラを、7秒ずつ・10秒ずつ、スイッチャーが自動的に切り替えてくれます。
 カメラマンは、可能な限り「短時間」で、次の映像を撮影しなければならない、という場面が、もの凄く多い。スタジオドラマの撮影だろうが、スポーツ中継だろうが、報道取材だろうが、例外ないのです。
 この設定は、実習授業で、時間内に目的のアングルやサイズで撮影する、というトレーニングをする場合、とても有効。何しろ、スイッチャーが自動的に、決められた時間内で、カメラを切り替えてしまうわけですから。学生は、何としても、その時間内で、ポジションを変えたり、アングルを変えたり、サイズを変えたり、という努力をするしかありません。 


 スタジオフロアでは、工事で不要になったパーツを再利用して、ケーブルを掛ける特製の「フック」を付けていただいているところ。
 私が、「これどうしようかな〜」「こうなると良いな〜」と、何となく思っていると、担当の方が「こういうふうにしたほうが良いですよね?」「こうしてみましょうか?」と、提案してくれるのです。しかも、ほぼ思っていたとおりに、です。今回の工事作業で、いったい、このようなシチュエーションが何回あったことでしょう。
 こちらから、お願いしたこともありますが、言わば「自発的」に提案していただき、動いていただいていることの方が、多かったわけです。
 もう、本当に、大変、感謝、です。


 今までに何度か紹介している、スイッチャーやコントロールパネルを設定する、メニューパネル。
 左側に並んでいる、メカニカルスイッチが、「どこの部分の設定か」を選択するもの。
 液晶画面のタッチパネルスイッチ中の、左端に縦に並んでいるボタンが、「その中の何の設定をするか」を選択するもの。
 これ以外の、右に並んでいるボタンが、「具体的な設定項目(選択スイッチ)」と「設定状況を表示する」部分。
 GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェイス)が洗練されていて、解りやすいのですが、あちらこちらのボタンを押していくと、巨大迷路に迷い込んだような気持ちになるような、ならないような・・・。


 はい、ということで、本日は、SONY製スイッチャーコントロールパネル「CCP-8000」と、ビデオスイッチャープロセッサー「MVS-6000」の、説明とトレーニング。まるで、「SONYスイッチャーの祖」のような専門家の先生がいらっしゃって、実際の運用に即した設定と説明をしていただきました。 
 説明は、我々「ほとんど素人」向けに、ローペース。配慮していただいて、丁寧に教えていただいたのですが、先生の手の動きが多少速くて、デジカメで撮影すると、ご覧のように、手に輪郭を留めません。
 もちろん、我々には、ちゃんと見えているし理解していますよ。デジカメが鈍いだけ。・・・そう、思いたい(笑)。


 東放学園専門学校テレビジョンBスタジオ フルデジタルフルHDTV化更新工事。作業開始から、7週目に突入しました。
 機器設備は、すべて所定の場所に並び、もちろん、ケーブルの布設・配線は、すべて終了。先週からは、各メーカーによるセットアップと、各機器の使用方法の説明やトレーニングが始まっています。
 写真は、朝、スタジオに降りる前(地下にテレビスタジオがあります)に、飲んでいたコーヒーを撮影したもの。 
 じーっと、見ていると、何だか、アニメに出てきそうな「キャラクター」に見えませんか?


 写真は、VE(ビデオエンジニア)が座る前に、6式並んでいる、アストロデザイン社製、ウエーブフォームモニター「WM-3208」の1つの画面です。ウエーブフォーム・・つまり波形モニターでして、映像を客観的な数値(関数グラフ状)に表示させる装置。特にビデオエンジニアのスタッフが、映像信号を監視したり調整したりするうえで、欠かせないものです。
 ちょうど、写真右が撮影している映像、左の緑色の線のようなものが、その波形にあたります。 
 緑色のものが上にあるほど、輝度が高い(明るい)ことを示し、下にあるほど、輝度が低い(暗い)ことを示しています。
 波形は、横方向に、やや圧縮表示となっていますが、映像中の左にならぶ4つの白いボタンが、波形上の左上に、4つの緑色の固まりとして、見えていますよね。
 また、映像中、中央よりやや右側に見えている白い柱が、波形上、やや右にある、ひときわ濃い緑で、右斜め下に歪んでいる長方形のように見えています。