‘実習風景’ カテゴリーのアーカイブ


 この写真は、番組制作実習「放送芸術科」のガイダンスの様子。
 サブコントロールルームの機材が、大規模に変わったこと、そして、スタッフに関しては、いわば「命綱」ともいえる、「インターカムシステム」とその使用方法の説明をしています。
 各学科、いろいろとガイダンスを行うわけですが、客観視していると、その学科の特徴、一番注目すべきこと、絶対欠かせないこと、これらが大変良く解ります。


 テレビ番組製作のスタッフには、大きく分けて、制作・技術・美術、この3つのセクションがあります。
 今日紹介するのは、美術や大道具のスタッフ養成学科である、「演出デザイン科(1年はテレビ美術科)」。 
 写真は、2年次の各学科による、実習授業「番組制作実習」で、演出デザイン科の学生が、床材である「リノリウム」を敷く練習とシミュレーションをしているところ。
 リノリウムは、住宅用などの建材の1つ。住宅だと洗面所やキッチン、病院や学校の床には、素地に接着されていて、恒久的な使用。テレビ番組用の美術セットとしては、いわゆる「Pタイル(プラスチックタイル)」の上に、接着テープなどを使って、仮設敷きをしていきます。
 
 スタジオ全面に敷くとなると、大きく重たいものなので、短時間で効率的に作業が行えるように、このようなシミュレーションを行う、というわけです。
 


 今日は、新年度1回目のオープンキャンパス「体験入学」がありました。写真は、そのカメラリハーサルの場面です。
 カメラリハーサル中ということもあって、写っている学校スタッフは、この撮影をしている自分1人だけ。写っている番組スタッフは、全員学生です。
 新年度1回目ということは、学生達は、当然2年生になったばかり。この3月の卒業生と比べればまだまだ、というところもあるのですが、入学して1年で、一見、プロのスタッフがやっているように見える、そういうパワーは感じられますね。


 昨日に続いて、番組制作実習のガイダンスの模様。今日は、「放送技術科」編です。
 この授業、番組のフォーマットの中に、中継部分もあります。
 実際の現場では、中継というと、大抵、専用のテレビ中継車で番組製作をしますが、中継車はいわば「動くサブコントロールルーム」なので、機器の配置やその間の配線はしない。まあ、しなくても良いように設計されているわけです。
 しかし、学校の授業となると、それだと勉強できる内容が若干限られてしまう。そのために、この授業では、中継先に必要な映像・音声機器も、学生が配置し配線する、というふうにしています。 
 この写真は、ちょうど、その勉強中の模様。基本的には学生がやる、ということで、皆さん、熱心に勉強していますね。



 さらに続いて、この2枚が、火曜日に行われた、東放学園専門学校「放送音響科」編。
 担当のスタッフが変わっても、当然のことながら、ほぼ同じ内容の説明がなされています。

 上の、サブコントロールルームでの写真は、マイクを片手に、ミキシングコンソールの詳しい説明をしているところ。 
 

 下の写真は、音声を担当する番組スタッフ用の、ワイヤレスインカム(*)の説明中ですね。
  
  

 既に、音声関係のスタッフだけで4人関わっている、番組制作実習。
 さあ、果たして、この実習授業には、合計何人のスタッフが関わっているのでしょうか。
  
  

 
 (*)ワイヤレスインカム:無線方式のインターカム。かつてのいわゆるPHSに近い仕組みになっている、デジタルワイヤレスインターカム
 


 続いての写真は、スタジオフロアでのヒトコマ。
 スタジオで使用する音声の機材としては、とてもメジャである「マイクロフォンブームドリー」。この操作方法を、担当の職員が説明している様子です。
 写真では見えていないのですけれど、実際には、延びている棒のような物の先に、マイクが取り付けられています。
 その「棒」を最長にすると、操作する人間からマイクまでは、およそ6メートル弱。プロは、まるで体の一部のように、自由自在に扱います。
 この機材、今後、詳しく紹介します。
 


 昨日に引き続き、入学式中の写真。
 「実践主義」という観点では、学校法人東放学園全体が、いわゆる「現場的な雰囲気」を持っています。もちろん、単純な「厳しい指導」ではなく、「実践を通しての指導」。だから「現場に近い」というキーワードが存在するわけです。 
 入学式の映像関係を担当した、東放学園専門学校の放送技術科も、それは同じ。カメラマンはもちろんのこと、他の比較的難しい役割も、担当しているのは全部学生です。


 この写真も、前回の記事同様、サブコントロールルーム内のヒトコマ。今回は、本番中の音声のスタッフの写真です。
 
 普段の生活において、「自然に聴こえること」とは、人間の耳の「聞き分ける能力」によって達成されている、といっても過言ではありません。限界はありますけれど、周囲がうるさくても、会話が成立するのは、そのため。
 しかし、耳の代わりになる「マイク」は、そうはいかない。周囲の「ウルサさ」も、音の「小ささ」も、そのまま、反映してしまいます。
 けれど、皆さんは、家でテレビを見ていて、スピーカから出てくる音に、不満を持ったことは、ほとんどないはず。これは、音声のスタッフが、もの凄くデリケートな仕事をしているから、に、他なりません。自然に聴こえるように、音を調整することは、難しい。映像と違って、見えないですしね。
 音量を調整するレバーに手を置いての、真剣な表情。この写真は、「やらせ」でも何でもなくて、ごく自然に撮影したもの。真剣な表情が、「必然」なのです。
  
  
(ブログ掲載の許可を得ての撮影ですが、写真の転用はしないでください)

大移動の技

2010年3月31日 実習風景


 写真は、先日の「Welcome東放」の一場面。
 歌手が立つセットの隣にある、いわゆるトークのセットに、カメラが5台向いています。
 生放送という設定なので、15秒のCM中に、5台のカメラが「大移動」。当日の出演者は3名でしたから、カメラ3台あれば十分なのですが、もうはっきり言って、トレーニングのため、ということ。
 カメラマンは、まもなく2年生になる学生。入学してから1年間で、その「大移動の技」を身につけるのです。


 サブコントロール、制作卓で仕事をする学生スタッフ。手前から、
TK(タイムキーパー)<放送芸術科>
ディレクター<放送芸術科>
TD(テクニカルディレクター)<放送技術科>
VE(ビデオエンジニア)<放送技術科>
が並びます。
 さすがに、これらのスタッフを背後から撮影しても、役柄をあまり表現できないので、本人それぞれに許可を得て、回り込んで、撮影させてもらいました。
 機材や環境がもの凄く変化を遂げても、これらのスタッフの動き、仕事の方法・手段は、ほとんど変わらない。現に、写真を見ただけでは、デジタルもHDTVも、伺い知れませんよね。
 この変わらなさに、もの創りのテーマが隠されているのです。
 
 


 続いて、スタジオフロアにある、マルチモニター(4画面マルチ)の写真。
 4つに分けられた「小窓」には、それぞれ、カメラマンが撮影している画面が入っています。
 これは、「その瞬間で何を撮っているのか」が、とても解りやすく表現できるので、Bスタジオが開設されたおよそ10年前から設置していました。ただ、スタジオの一カ所に、テレビモニターを4式並べての使用。
 それが、今回は、システムを完全にデジタル化することで、サブコントロールやスタジオフロアのどこでも、4画面マルチ表示が可能ですし、誰でも簡単に4画面の中身も簡単に入れ替えれようになり、また、HD化し、画面も大型化したことで、かなり高画質で表示できるようになりました。こういうわけで、今回の「フルデジタル化フルHDTV化更新工事」で、大きな恩恵を受けた1つでもあります。
 
 
(前後の記事の写真を含め、被写体になっている本人の許可を得て撮影していますが、写真を転用しないようお願いします) 
 
 


 さて、引き続き、27日28日に開催されて「Welcome東放」の写真。
 かなり暗い部屋のように感じると思いますが、実際はもう少し明るいです。テレビモニターの明るさに合わせて撮影したので、相対的に暗く写ります。「人の眼」は、暗い所でも明るい所でも、比較的それなりに、しっかりと見えますが、デジカメだと、そうはいきません。暗いものはかなり暗く、明るいものはかなり明るくなるのですね。
 この特性は、テレビカメラでも一緒。そのために、照明のスタッフが丁寧に照明を作り、VE(ビデオエンジニア)のスタッフが、丁寧に映像を調整します。故に、たとえば、テレビドラマの夜のシーンでも、夜らしく、それなりにしっかりと出演者が見られる、と、こういうわけです。
 
 写真のモニターウォール、テレビモニターそれぞれがサイズアップし、各々との隙間も減りました。こうして見ると、かなり迫力ありますね。
 テレビモニターのすべてが液晶ディスプレイ。一部を除くほとんどが、アストロデザイン社の製品。
 


 この写真も、「Welcome東放」中のもの。カメラ3台、カメラマン3人を横から。もちろん、全員学生スタッフです。
 右手で触っているのは、レンズのフォーカスダイヤル(フォーカスデマンド)。ダイヤル自体は、カメラ本体カメラマン側についていますが、レンズと有機的に繋がっていて、電動式で遠隔操作しているわけです。
 このフォーカスダイヤルの位置も、特別注文で改造設置してもらったもの。通常は、フリクションヘッドから専用の棒を出して、取り付けることが多いのですが、学生が触る・操作することで、無用な凹凸やケーブルを減らし、怪我を防止したり機器破損を避けたりするための対策。
 ちなみに、このような「カメラヘッド埋め込みタイプ」は、放送局導入のカメラに、多い仕様です。


 これもリハーサル時の写真。普段、あまり目にすることがない、出演者側からのアングル。
 写真手前側より、スタジオ(スタンダード)カメラ「HDC 1000R」の1CAMから3CAM。横並び次いで、ポータブル(ハンディ)カメラ「HDC 1500R」の4CAM。その左側よりクレーン装置のアームが手前に延びて、「HDC 1500R」の5CAM。
 4・5CAMは、その特性上、位置関係が定まりませんけれど、スタンダードカメラの1〜3CAMは、出演者から見て、原則的に、この位置関係になります。