そして、その中継車内の見学・実習風景。
前回の内容で言えば、学生2人が立っている辺りが、広がる前の壁面の位置ですから
左上の写真の、およそ中央から右の部分が、広がっているスペースとなりますね。
ということで、上の写真2枚は、日頃、中継技術業務を担当されているスタッフの方から
放送技術科の学生が、「ビデオスイッチャー」の使用方法の説明を受けている様子。
一様に、楽しそうですね。まあ、滅多にないチャンスであり、体験です。
ところで、下の2枚の写真。
ほぼ同じアングルからの写真ですが、よく見ると、白く丸い時計の位置が移動していますね。
実は、時計は、液晶ディスプレイに表示されているもの。
大きなディスプレイ6式に映し出される、映像情報は
簡単に自由自在に、そのレイアウトを変更できる仕組みになっているのです。
さて、「中継車見学」「実習」と書いておいて、今まで触れなかったわけですけれど
まあ、出し惜しみさせていただいたしだいでございます(笑)。
ということで、いよいよテレビ中継車の紹介。
株式会社 東通 様が所有している、中継車や電源車のグループショットからです。
5台のうち2台について、学生が見学させていただきましたが
その中でも、今回のメインの中継車が、左上の写真。
昨年の10月に完成したばかりの、最新のテクノロジーが詰った、ピカピカ!の中継車です。
しかも、この中継車の一番の特徴は、右上と左下の写真
ナント!実は、1メートル程度、部分的に幅が外側に広がる仕組みになっているのです。
ここまでの仕組みを持った中継車は、日本には、ごく僅か。
室内を広げて、制作環境を充実させる、本格的な中継車です。
そして、その広がった部分にあるのが、右下の写真。
ちょうど、学生が観察している様子の写真ですが
数十台のカメラの映像や、送出する映像素材などが映し出される「モニターウォール」と
映像を選択する「ビデオスイッチャーシステム」です。
2月27日までの数回に分けて紹介しました
「株式会社 東通」様にご協力をいただいていの「中継車・中継技術倉庫 実習・見学」。
実際に現場で使用されている、最新のテレビカメラシステムの操作実習や
中継技術倉庫にある、様々な機材などの見学・説明に続いて、今回は、第二弾!でございます。
たとえば、バレーボール中継をテレビで観ていて、選手の一挙手一投足に注視し
まるで選手の一団に自分が融合したように、盛り上がる・・・
これには、選手の掛け声・サーブやレシーブの音・コートを叩く足音、それに
会場の歓声や解説者の声などなどなど
映像に加えて、それらの「音」が、さらに助長するように作用しているわけです。
というわけで、セットアップしていただいた音声に関わる機材も、実体験!!
右上の写真は、解説者席に模した部分でして
学生が、解説者が使用している物と同じ、「接話型マイクロフォン」でのトークを。
左下の写真が、ミキシングコンソール。
数々の中継制作において、実際に使われている物を目にすると、ちょっと興奮しませんか?(笑)
そして、頻繁に使用される、代表的なマイクロフォンも、使用できるようにしてくださいました。
大気圏外と、スモークマシーン?
2013年3月2日 実習風景,照明クリエイティブ科
2月28日に紹介した、右下の写真。「スモークマシーン」。
それが、何のために?というのが、今回の写真。
光の筋や光の広がりなどを表現しているのが、スモークマシーンからの「煙」です。
大気圏外の宇宙が、常に夜空の様に見えるのは、ごく簡単に言えば、媒介物質が少ないから、でしてね
水蒸気やチリが漂う大気圏内だと
太陽に照らされれば、光が反射されたり拡散されたりして、「青空」となるわけです。
けれど、スタジオなどのある一定の空間だと、それらの影響を受けづらいので、このように、煙をたく。
すると、媒介物質が密になって、それが光を見せてくれる作用に繋がるのです。
まあ、話長くなりまして恐縮ですけれど(笑)
空間に光や色を表現してくれるのは、スモークマシーンの威力によるもの、ということ。
担当職員による説明は、今回デザインされた数々のシーンに対して及びます。
ただ、説明を受けるだけではなくて
左上の写真のように、さらに綺麗な光になるように、学生に修正を促しながらの、実習授業です。
「綺麗」を達成させるには
2013年3月1日 実習風景,照明クリエイティブ科
魅せる見せる光
2013年2月28日 実習風景,照明クリエイティブ科
2月18日に続く、照明クリエイティブ科の実習授業「テレビ照明実習」です。
必要な灯体を集めたり、それらを照明バトンに取り付けたり、点灯チェックを終えた後は
本格的な「照明シュート」へと進行。
灯体の位置・光の広がり方・灯す角度などを、細かく調整する作業でして
演出の1つとして、灯体そのものを見せたり、光条効果として「光の筋」を表現したりする場合は
特に欠かせない、デリケートな調整作業です。
そして、左下の写真。
煙が、写真の左に向かって吹き出している機器が「スモークマシーン」です。
ウォーターベースの特殊な専用の液体を加温して、煙を発生させる装置。
もちろん、安全・無害な煙です。
右下の社員をご覧いただくと、目的がお解りいただけると思いますが
音楽番組やライブコンサートで見られる光の筋は、このような機器で創られるのです。
ご存知の通り「テレビ中継」と言っても、番組(作品)のジャンルは沢山。
情報系の番組中の、カメラ2台程度の比較的小規模なものもあれば
10台前後を使用するスポーツ中継、これが有名アーティストのライブコンサートになると
20台を超えたり、40台を超えるカメラ台数で収録したりすることもあり。
もちろん、それらを達成しているのは、テレビカメラだけではなくて
非常にたくさんの機材や設備、そして大勢のスタッフが活躍しているわけです。
ということで、この中継技術倉庫には、沢山の機材などが整然と並べられていて
それぞれが何のための物なのかを、スタッフの方々が説明してくださいました。
特に右上の写真、ケーブルのコーナー。
写真では収まりきれていませんけれど、それぞれの目的の、1本が100mを超える
数えきれないほどの様々なケーブルが沢山。
非常に大規模な、中継技術倉庫です。
学生全員に対して、丁寧な説明をいただいた後は
いくつかのグループに分かれて、実習・見学を開始。
お忙しい中、株式会社東通のスタッフの方々が、カメラや音声の機材をセットアップしてくださっていて
各機材の目的や操作方法の説明をしてくださいました。
右上や下の写真は、最新のテレビ中継車で使用される、最新のテレビカメラ。「SONY HDC2000」など。
説明の後は、撮影実習です。
学校のスタジオで、普段の実習授業で使用している機材と大きく違うのは
やはり、ズームレンズの性能。
スタジオの27倍に対して、用意していただいたレンズは、95倍。
スポーツ中継や、ライブコンサートでは、被写体に対して、カメラが遠距離ですからね
その分、望遠撮影を可能にする高倍率(長焦点)レンズが必要になるわけです。
95倍の高性能を、学生が堪能します。
さあ、今回の1枚目の写真は、これ!!
いすゞ自動車株式会社製の大型トラック「GIGA」。
限界を目指した燃費効率、世界最高水準のセーフティテクノロジーなどの最新技術・・・
いや、これが言いたい事ではなくてですね(笑)
実は、この車、テレビ中継車なのでございます。
今月のある日
テレビ放送・メディアの総合技術プロダクションである「株式会社 東通」様にお邪魔して
昨年の10月に完成したばかりの、最新の中継車や
オリンピックなどの大規模テレビ中継などを実現する、中継技術倉庫の見学をさせていただきました。
もちろん、主役は、我々教職員ではなくて、放送技術科の学生。
今後の数回に分けて、その見学・実習の様子をご覧いただきましょう。
学生のほとんどは、作業のコスチュームである「つなぎ」を着ているので、解りませんが
作業は、2週目に突入。今回は、主に塗装作業に勤しんでいます。
水彩絵の具だと、12色24色・・・と揃っていて、少々調合するくらいですが
このような作業で使う塗料は、加色・減色混合原色に白色が加わる程度の、数色のみ。
ほとんどの彩色は、各色の混合によって、造るわけです。
しかも、たとえば失敗するなどして、混ぜ直していくと、量ばかり増えてしまって無駄になりますからね
効率良く混ぜ合わせるということも、そう簡単ではありません。
そして、右上と左下の写真。
細かい部分は、筆や刷毛を使わずに、手や指を使って、描いていきます。
次に、下の2枚の写真。
ただ単純な塗装だけではなくて、より「リアル」に表現するために、「汚し」の塗装も。
太陽光が当たるだけでも、変色していきますし、空気に当たれば酸化していきますし
水が当たれば、水垢が付いたり色が変わって見えたり・・・
原色のままを維持する物は、この世にほとんどないですからね
「それらしさ」を出すためには、「汚しの技」が必要になるのです。
2月9日に続く、テレビ美術科「遠藤ゼミ(大道具操作実習)」。
学生自身でテーマを考えて、デザインして設計して製作する・・・最終課題に打ち込む様子です。
写真だと一見して解りづらいですけれど、製作は2週目に突入。作業は順調に進行中していますね。
特に右上の写真、まだ途中ではありますが、これは既に完成系が明らかなっていて、ベンチ。
左下の写真。インパクトドライバを使って、規則的に木材を固定。さあ、これは、何でしょうか。
作業を観察していると
細分化した役割で一人で行えるものと、数人で同時に行うべきもの、の2つがあるだなと解るわけです。
これは、当たり前の事ではありますけれど
そのような進行方法というか分担方法というか、いずれかの切替えが、作業効率に繋がるのでして
周囲を観察して、自主的に手伝ったり1人で進めたりという判断も、大切なノウハウなのでしょうね。
右下の写真。描画用の、塗料の調合がスタートしました。
このドラマのストーリーですが、ごく簡単に言えば、男性1人に女性2人の「三角関係」。
ただ、三角関係と言っても、単純に「取り合い」によるものだけではなくて
様々な複雑なシチュエーションもあるじゃないですか〜(笑)。
まあ、細かい説明は抜きにして
・・・後から入室してくるスーツ姿の女性が、なぜか別の女性と2人で居る男性を怒る・・・
ディレクターなどを担当する学生が、この話の詳細なストーリーボードを考え
キャラクター設定を考え演出をしていく、という実習です。
ということで、各グループ毎の本番中の様子を、ご覧いただきましょう。
写真をご覧いただくと解ると思うのですが
演じる表情も、とても真剣。頑張っています!
カメラリハーサルが終わって、いよいよ!本番スタート。
上の写真は、本番中のサブコントロールルームの様子。「スタジオ番組制作 ドラマ」です。
写真中央が、ディレクターを担当、左が記録(タイムキーパー)を担当する、共に放送芸術科の学生。
そして、右が、このグループのテクニカルディレクターを担当する、本学園の倉谷顧問です。
下の写真は、本番中の役者の様子。
自分が関わるグループでは、それぞれのスタッフを担当して
別のグループの本番時は役者を担当する、というシステム。
「出る側」「演じる側」となって「逆の立場」から、作品制作を経験するわけでして
これぞ学校の授業での、貴重な経験と言えるでしょうね。
ということで、実習16グループのすべては無理なのですけれど
グループ毎の、各々の本番の様子を、2回に渡ってご覧いただきましょう。