‘実習風景’ カテゴリーのアーカイブ
たとえ、明るい日中でも
2014年2月17日 実習風景,照明クリエイティブ科
トレーニングのスタートは、まずは屋外から。
例えば、日中の屋外であれば太陽光があるので、必要ないのじゃないか?
と思う方もいらっしゃるでしょう。
確かに、最近のテレビカメラは、明るく撮影できる高感度な性能を有するようにはなりましたが
それでも、逆行を補正したり、カメラを通すと見た目より濃く表現される陰をマイルドにしたり・・・
と、光を当ててあげる必要性や有効性は、常にある、と言って良いでしょう。
このブログ用の写真を撮影したのは、夕刻でしたから
さらに、と言うか絶対的に必要なのです。
どの程度有効なのかは、今後のブログで、ご覧いただこうと思っています。
さて、下の4枚の写真。一見記念写真のように見えますが
撮影・収録した映像を後でプレビューする時に、どの学生が担当したかが解るための、記録。
一様に、楽しそうですよね〜(笑)。
AL-LB-5-2!!
2014年2月15日 実習風景,照明クリエイティブ科
照明と言うと、ライブコンサートなどの大掛かりなステージ照明や
スタジオ内やロケーションでのテレビ照明を想像しますよね。
けれどもしかし、今回の上の大きな写真をご覧いただくと
この姿というか光景もまた「あっ!見た事がある!」と思われる方多いと思います。
取材やインタビューなどの撮影で、必ずと言って良いほど登場する、お馴染みの様子。
可搬型でポータブルタイプな、照明です。
先に、機材名や型式などをお伝えすると
下の4画面マルチ、上段右の写真に写るのが、その主役。
東芝エルティーエンジニアリング社製、バッテリーフォーカシングライト AL-LB-5-2。
そして「バッテリー」という事もあって、バッテリーが必要でして
それが、下段右の写真。バッテリーケース DP-2440と、収納され結線されているバッテリーです。
そして「ドライリハーサル」開始。
ドライリハーサルというのは、ごく簡単に言えば
撮影・収録に関わる機材を使用せず、関わるスタッフ全員で芝居を見る、という作業。
実際の美術セット上での芝居は、これが初めてになるので
もちろん、ディレクターが演技を付けたり、演技を深めたりする、という事も含まれます。
下の9面マルチ画像。
中段の右は、ストップウォッチを台本を手にする「記録」を担当する学生。
下段左は「スイッチャー(TD;テクニカルディレクター)」と担当する女子学生。
それ以外の写真は、ディレクターを担当する学生。
この他にも、音声のスタッフやカメラマンなどが、同様に台本を手に持ち
芝居と台本とを照らし合わせながら、所作や位置関係などを、頭に入れていくのです。
本編の、オンライン・オフラインの2つの映像編集に続き
本編の音声編集にあたるMA(マルチオーディオ)作業。
そして、もう1つ、大切な編集作業が「メイキング編集」です。
メイキング映像、テレビドラマの場合、いわゆる番組宣伝で公開される以外は
視聴者が目にする機会はほとんどないですけれど
反対に映画だと、DVDやブルーレイ内の特典映像として、見られますよね。
本編の映像編集と大きな違いは、ナンと言っても、撮影素材の多さ(長さ)。
台本や絵コンテによる撮影ではなく、撮影やその合間や、それに関する準備なども含めた
台本なしの、言わばドキュメンタリーですからね。
特にこの実習の場合、年度頭の4月から、撮影後の9月までの5ヶ月が、撮影の対象。
膨大なメイキング撮影素材から、必要な素材だけを抽出して編集して・・・という事ですから
本編の編集とは、また違う苦労や努力が伴って、完成するのです。
写真のそれぞれは、メイキング編集の大詰めの様子。
完成締め切りまでのタイムリミットが迫った、最後の追い込みでしてね
この「ドラマ制作 2013」の総指揮である、本校の倉谷顧問のチェックを経て、見事に完成!!です。
効果音を製作したり、必要な音の素材やBGMなどの準備をしたりした後は
様々な音を挿入するタイミングを決定しながら、一通りの音量を聞きやすく整えるなどをしながらの
「MA」作業が本格化。「ドラマ制作 2013」です。
普段、特に気にする事なく、過不足なく、自然にストーリーに入り込む、テレビドラマ。
映像構成も去ることながら、音声も「自然な音」創りに徹して、作業が進められているからですよね。
特に、人の耳での聴感(能力)ほど、耳の代わりをするマイクロフォンの能力は高くないですし
生の音(音源)ほど、スピーカーの性能が高くないわけですから
それをカバーしてフォローするような音創りが、絶対的に必要になるのです。
この一連の作業を担当しているのは、放送音響科の学生。
他の実習作業と同じように、担当職員や講師の方々のアドバイスを受けながら
完成度を高めるための努力に、勤しんでいます。
上の大きな写真と、下の上段2枚の写真。
水が溜まっているバケツとマイクロフォン
そして脇には、ビデオテープの中身がくしゃくしゃと。
映像の編集が終わると、次は、効果音を付けたり台詞を聞きやすくしたり・・・
という、言わば、音の編集作業「MA」です。
その中、今回は、その効果音の作成とレコーディングの様子。
たとえば、役者の所作(しょさ)によって発生する音や、環境音というものがあって
撮影時に、収録はしていますけれど、我々が自然に直に聞く音のようには、聴こえない事があります。
そこで、弱い音や足らない音を、後で加えてあげるために
それらに近い音を発生させて、それを収めて・・・という作業が必要な事もあるのです。
写真に写るグッズは、そのための物。
さあ、どんな音が作られ、加えられたのでしょうか。
前段階のオフライン編集同様、こちらのオンライン編集も、実習授業の一環ですからね
担当職員のアドバイスが、断続的に。上の写真です。
カット変わりのタイミングは、既に確定しているとは言っても
画面の特殊な切替え方・・・特殊効果などは、オンライン編集での、オリジナルの加工。
言わずもがな、簡単便利には済まないのです。
特に作品の最後に入れる「スタッフロール」と呼ばれているスーパーテロップは
もう完全に、オンライン編集での作業。
実際の、プロフェッショナルの現場でも、非常にメジャーな
「Avid Deko」というグラフィクスシステムのPCアプリケーションを使用して
ロールスーパーを製作していきます。下の中段2枚の写真。
そして、オフライン編集との大きな違いの1つは
「ロールチェンジ」と言う、VTRカセットの差し替え作業。下段左の写真。
すべての映像・音声データをハードディスクドライブに流し込んで・・・とは違って
使用する部分が収録されているテープを、その都度、カセットレコーダー(プレーヤー)に。
隣室の「マシンルーム」での様子です。
授業ですし学生が主役ですけれど、授業だからこそ、すべてが学生だけではなくて
所々で、現場で活躍されている講師の方が指導したり、我々職員がアドバイスをしたり・・・。
前回から紹介している「ドラマ制作 2013」のオフライン編集では
数多くのTBSドラマなどで、プロの編集マンとして活躍されている方が、指導。
今期のドラマでは、TBS「Dr.DMAT」の編集と担当されている方でございます。
この後の、放送用のビデオテープを直接制御して編集する「オンライン編集」とは違い
映像・音声のデータを、PCのハードディスクドライブに記録して・・・の作業。
各カットやシーケンスを繫ぐ、細かな編集ポイント・タイミングは、この段階で決められるのです。
学生が作業を行い、プロの講師の方が手本を見せ、また学生が行って手本を見せてもらい。
まさに、実践指導の実践授業です。
本校の各学科の学生が参加しての、本格的な実習授業の1つ「ドラマ制作 2013」。
前回は12月31日の大晦日でした。
当ブログのページ、左下のカテゴリーで「ドラマ」を選んでいただくと
このシリーズがまとめてご覧になれますので、どうぞ、ご利用ください。
さて、その前回では「クランクアップ」の様子を紹介しました。
撮影がすべて終了したわけですが、ご存知の通り、これで完成ではなくて
この後に、映像の編集作業と音声の編集や整音作業などが続くのです。
そこで今回は「オフライン編集」。
9月の初めにクランクアップして、実際に行われたのは、9月上旬でした。
オフライン編集は、PCの動画編集アプリケーション「Avid」を使用。
ですから、手で操作するためのツールも、PCのキーボードとマウスです。
当てる所、当てない所を
2014年1月25日 実習風景,照明クリエイティブ科
前回紹介した「バンドア」。番組によっては使用しない場合もありますけれど
テレビスタジオに通常設備されている灯体には、付いていない物がない、というほどの必需品。
一方、普段生活している家の中などには、付いているものはほとんどないですよね。
理由は「人の眼」と「テレビカメラ」などが持つ、特性の違いによるもの。
明るくても暗くても、どちらもそれなりに見える人の眼に対して
テレビカメラ(デジカメ等も含む)は、それほどバランス良く再現できないからなんですね。
・・・という事から、光を当てる所には当てる、そうでない所には当てない、という
バランスとメリハリを表現するための操作が、必要になるのです。
中段左の写真。その中で右に見えるのは電子レンジと冷蔵庫。
この部分の「光の洩れ」をカットすると、中段右の写真のようになります。
そして、下段それぞれの写真。学生が手にしている物は「照度計」。
明るさを、数値(メーター)で表現してくれる、こちらもテレビ照明必需品でして
人の眼では解りづらい微妙な明暗を、教えてくれるのです。
「バンドア」を使って
2014年1月24日 実習風景,照明クリエイティブ科
仕込みや点灯チェックなどが終わると、次の作業は「照明シュート」。
実は、今回のテーマではここからが、言わば授業の本番。
前回説明した通り、灯体を吊るす(置く)時に、ザックリと向きなどは考慮されていますが
それをさらに調整して、細かな向きや光の広がりを、適切な状態へと決めていく、という作業です。
特に「広がり(主に光を当てる面積)」を整えるのが「バンドア」という器具。
単体で存在するものではなく、灯体の光が放たれる側に取り付けられている黒い羽でして
これが、上下左右の4枚があって、各々角度が変えられる仕組みを持っているもの。
下の写真、学生が触ったり操作している物が、そのバンドアです。
担当講師の先生が、1つずつ、細かくアドバイスなどをしながら
手段とその結果を、解説していきます。
ちなみに、下の下段中央の写真は、足に軍手を履かせている脚立。
美術セットの床上に置く時は、傷を付けないに、配慮しているわけです。