2014年2月 のアーカイブ

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そして「ドライリハーサル」開始。
ドライリハーサルというのは、ごく簡単に言えば
撮影・収録に関わる機材を使用せず、関わるスタッフ全員で芝居を見る、という作業。
実際の美術セット上での芝居は、これが初めてになるので
もちろん、ディレクターが演技を付けたり、演技を深めたりする、という事も含まれます。
  
下の9面マルチ画像。
中段の右は、ストップウォッチを台本を手にする「記録」を担当する学生。
下段左は「スイッチャー(TD;テクニカルディレクター)」と担当する女子学生。
それ以外の写真は、ディレクターを担当する学生。
この他にも、音声のスタッフやカメラマンなどが、同様に台本を手に持ち
芝居と台本とを照らし合わせながら、所作や位置関係などを、頭に入れていくのです。

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前回お伝えした「美術(装飾)」は、本来であれば美術関係のスタッフが担う事ですが
この授業では、あえて、他へは託さず、自分達で。
例えば、ディレクターになれば、それらを専門のスタッフに注文する立場になるわけですから
今のうちに、少しでもそれを体得しておけば、将来の糧になるのですよね。
 
そして、3名の出演者もすべて学生。やはり、これも同様に、大切な経験です。
 
写真それぞれは、この後の「ドライリハーサル」を前に
アシスタントディレクターが、出演者と担当ディレクターを紹介している様子。
前々回にお伝えしたように、16グループの16作品なのですが
その中の4グループの写真です。

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各グループ毎に、持ち時間が決められていて
その時間内に、本番収録を終えなければならない、という制約があります。
「Time is money」という常套句が有名ですけれど
ある放送局の、そして番組によっては
終了時間が「絶対終了時間」というふうに、厳密に定められている事もあるくらい
言わずもがな「時間」は大変重要なファクターになるわけです。
 
それぞれの持ち時間の中で、最初に行われる作業が「美術(装飾)」。
自分達で用意した、「それらしい部屋」に装うための装飾品などを
グループ全員が、一致協力して。
写真はそれぞれ、グループ違いのその、一致協力!の姿です。

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誠に勝手ながら、毎年の年末というと
スタジオでドラマの実習授業を終えて、そして仕事納め、というパターン。
本校の様々な学科が、テレビスタジオで、ドラマに関わる授業を実施する時期でして
今後の何回かに分けてお伝えするのは、放送芸術科のドラマ実習の授業です。
 
この実習は、放送芸術科1年を16グループに分けて実施。
ですから、本番も合計16作品。
各グループそれぞれのメンバーで役割分担をして
ディレクターをしたり美術(装飾)を担当したり、他にも沢山のスタッフを。
上の大きな写真は、美術(装飾)を担当する学生を中心に
美術セットの完成に向けての作業中の様子です。

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本編の、オンライン・オフラインの2つの映像編集に続き
本編の音声編集にあたるMA(マルチオーディオ)作業。
そして、もう1つ、大切な編集作業が「メイキング編集」です。
メイキング映像、テレビドラマの場合、いわゆる番組宣伝で公開される以外は
視聴者が目にする機会はほとんどないですけれど
反対に映画だと、DVDやブルーレイ内の特典映像として、見られますよね。
 
本編の映像編集と大きな違いは、ナンと言っても、撮影素材の多さ(長さ)。
台本や絵コンテによる撮影ではなく、撮影やその合間や、それに関する準備なども含めた
台本なしの、言わばドキュメンタリーですからね。
特にこの実習の場合、年度頭の4月から、撮影後の9月までの5ヶ月が、撮影の対象。
膨大なメイキング撮影素材から、必要な素材だけを抽出して編集して・・・という事ですから
本編の編集とは、また違う苦労や努力が伴って、完成するのです。
 
写真のそれぞれは、メイキング編集の大詰めの様子。
完成締め切りまでのタイムリミットが迫った、最後の追い込みでしてね
この「ドラマ制作 2013」の総指揮である、本校の倉谷顧問のチェックを経て、見事に完成!!です。

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効果音を製作したり、必要な音の素材やBGMなどの準備をしたりした後は
様々な音を挿入するタイミングを決定しながら、一通りの音量を聞きやすく整えるなどをしながらの
「MA」作業が本格化。「ドラマ制作 2013」です。
 
普段、特に気にする事なく、過不足なく、自然にストーリーに入り込む、テレビドラマ。
映像構成も去ることながら、音声も「自然な音」創りに徹して、作業が進められているからですよね。
特に、人の耳での聴感(能力)ほど、耳の代わりをするマイクロフォンの能力は高くないですし
生の音(音源)ほど、スピーカーの性能が高くないわけですから
それをカバーしてフォローするような音創りが、絶対的に必要になるのです。
 
この一連の作業を担当しているのは、放送音響科の学生。
他の実習作業と同じように、担当職員や講師の方々のアドバイスを受けながら
完成度を高めるための努力に、勤しんでいます。

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上の大きな写真と、下の上段2枚の写真。
水が溜まっているバケツとマイクロフォン
そして脇には、ビデオテープの中身がくしゃくしゃと。
 
映像の編集が終わると、次は、効果音を付けたり台詞を聞きやすくしたり・・・
という、言わば、音の編集作業「MA」です。
その中、今回は、その効果音の作成とレコーディングの様子。
 
たとえば、役者の所作(しょさ)によって発生する音や、環境音というものがあって
撮影時に、収録はしていますけれど、我々が自然に直に聞く音のようには、聴こえない事があります。
そこで、弱い音や足らない音を、後で加えてあげるために
それらに近い音を発生させて、それを収めて・・・という作業が必要な事もあるのです。
写真に写るグッズは、そのための物。
さあ、どんな音が作られ、加えられたのでしょうか。 

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今回紹介するのは、珍しく「座学」の様子。放送技術科の、特別講座です。
この日の講師は、TBSや技術会社で
長年に渡り、ドラマ番組のTD(テクニカルディレクター)として活躍されてきた、島﨑孝雄 様でした。
TBSドラマの「GOOD LUCK!!」やその前の「Beautiful Life 〜ふたりでいた日々〜」などの
高視聴率の人気ドラマを、数多く手がけてきた、とにもかくにも、凄い方なのです。
  
どのような話をされたのかを、極めて簡単に言えば
具体的な撮影方法や、それらに関わるエピソード、視聴率との関係などなどなど。
 
詳細は、あえて書きませんが
どれほどの内容だったのかは、写真の学生の表情をご覧になっていただき
想像していただければ、お解りになるでしょう。
言わずもがな、真剣に聞く姿は、他にも沢山観られたわけです。