‘雑感’ カテゴリーのアーカイブ
写真は、何かというと、「剪定ばさみ」の3つ。植木や生け花などに使うハサミですよね。 で、なぜ?と疑問に感じているかと思います。
各種ケーブルを適切な長さに切断し、BNCなどのプラグを付けるために加工する、という説明を以前しましたが、その作業を、これらの剪定ばさみでやる、というわけです。しかも、3つ並べましたが、1人が3つのハサミを使い分けるのではなく、1つでいろいろな加工をするのです。つまり、3人それぞれの愛用ハサミを撮影させていただいたのです。
作業を担当されている方々曰く、「本当は邪道なんですよ」と謙遜し苦笑いされてましたけれど、邪道なんてとんでもない。専用の工具があるなか、使いやすさを追求して、手際良く、道具を使いこなす姿は、格好良いと思いますし、いわゆる「職人気質(かたぎ)」を感じます。
職種に限らず、愛用する大切な道具を、そしてそれを華麗に使っている姿、憧れますね。
今回の、フルHD化・フルデジタル化更新工事ですけれど、それを達成しているのは、「高速化」「集積化」。いずれも、デジタルの技術が下支えになっているわけです。そして、この更新工事作業も、特に映像関係に関しては、すべて、それらの技術が盛り込まれた、最新の機器を選択しています。
そうした沢山の機器を生かす環境を作るには、デジタルのように量子化できない、ベテランの職人の方々の「目に見えない経験値・技術」といった、言わばアナログ的な、過去から途切れのない「技」が、絶対欠かせないのです。
「デジタル」の語源でもある「ディジット」。これはそもそも「指」という意味。付帯的に、「長さ」を意味します。「アナログ(連続)」と、そう大きく変わりありません。
東放学園専門学校では、このたび、開設10年を迎えるテレビジョンBスタジオのすべての映像機材を入れ替え、HDTV化・デジタル化します。
導入する機材は、すべて新規に購入するもので、総額数億円規模。
これは、過去から今までの、多くの学生・保護者の皆さんの学費によって実現するものですし、また、東放学園を日ごろから暖かく見守ってくださっている、沢山の方々の協力によって、成り立っているものです。
誠にありがとうございます。
・学生の方が使いやすい機材
・実習授業等で扱いやすいシステム
・実際の放送現場に即した仕様
・無駄を省き、必要なものにコストをつぎこむ
これらを主なコンセプトとして、計画を進めてきました。
工事は、明日1月29日より開始し、3月初旬をめどに完成。トレーニングやシミュレーションなどを経て、3月27日の「オープンキャンパス」より本格的に運用開始となります。
このブログは、関係する方々の了解を得ながら、普段、ほとんど目にすることがない、テレビスタジオ・サブの工事作業の様子や機材の説明、そして、実際の使用風景を、ご覧になる皆さんに紹介するものです。
よろしくお願いします。
(写真は、完成予想パースです)