‘HD機材設備’ カテゴリーのアーカイブ


 スタジオフロア用のテレビモニター(ジープモニターとも言います)も、完成間近。モニター台車は、現有機を液晶テレビ用に改造するよりも、かなり安価で購入できるため、新たに購入しました。
 テレビモニターの下に見える、フタが開いた状態の機器も、今回特別に製作していただいた、セレクターボックス。SONY製マルチディスプレイコントロールパネル「BKS-R1617A」を前面に内蔵し、後部に信号変換装置と電源関係の機器が内蔵されています。
 アイデアと精密さ・丁寧さが伝わる造り。
 これも、世界で東放学園にだけ存在する、特型製品です。



 はい、そこで、今回紹介させていただくのは、その「細い髪の毛と細い髪の毛」を接合(繋ぎ合わせる)させる、専門の工具。いや、「機器」としたほうが相応しいでしょう。
 「古河電工社製 超小型光ファイバ融着接続機」です。光ファイバ線の被覆を取る専門の道具、そして、ファイバをカットする専門の道具の後、この機器の登場です。
   

 二枚目の写真は、融着直前の写真。この後、黄色と青色の被覆のファイバ同士が、熱によって、接合します。
 青い箱の様なものの上に、白く見えているのが、融着する光ファイバ。
 細くて撮影できないと思いきや、カメラがブレたおかげで、白く太く、撮れました(苦笑)。
 作業を一時止めてもらい、撮影させていただきました。ありがとうございました。

(写真をクリックすると、拡大表示されます)
 


 サブコントロールルーム内で、最も機材が密集しているのが、以前から何度か紹介しているVE(ビデオエンジニア)のスタッフの周り。
 VEが座る前面の、手が届く範囲内だけで、25式の機器が並びます。特に、写真上部の、SONY製マルチディスプレイコントロールパネル「BKS-R1617A」は、3式も。これらは、「どの機器にどの映像信号を送るか」を選択するためにあります。機材が沢山あるので、このような機器も沢山、ということになります。
 ちなみに、この「BKS-R1617A」は、サブコントロールルームとスタジオフロア合わせて、計12式。型式違いの、同じ目的の機器を含めると、合計18式となります。


 制作卓の前面向かって奥になる、VE(ビデオエンジニア)のスタッフが座る部分には、今回、特別注文をした機器が入りました。
 VEがテレビカメラや各信号を調整するための、マスターテレビモニター(SONY製BVM-L231)の、セレクターパネル。
 家庭用テレビの、入力切り替えボタンに相当するものになります。もちろん、1つや2つではなくて、スタジオ・サブコントロールルーム内の、すべての映像信号を選択することができる、「VEセレクターパネル」という名称の機器。
 そもそも、カタログには載っていない「特注機器」ですし、特に、左側の6ボタンは、VEが作業をしやすくするために、図面から起こして、特別に製作してもらったもの。おそらく、世界中で、東放学園専門学校Bスタジオ・サブコントロールルームにしかない、組み合わせの機器になるはずです。


 写真は、今までも紹介している、SONY製スイッチャーコントロールパネル「CCP-8000」を別アングルから。
 ボタンの数を数えてみたら、コントロールパネルだけで、668個もありました。ちなみに以前使用していたパネルは、103個。およそ6倍に増えたわけです。
 言うまでもありませんが、問われるのは、これらの最新の、高機能な機材を使って「何をつくるか」であり、結果「何を得るか」ですね。
「数」でも「倍数」でもない、定量化できないところに、「ものづくりの醍醐味」があるのです。

簡単便利

2010年2月20日 HD機材設備

 
 写真は、「ビデオジャックパネル(映像パッチ盤)」。
 さて、この「パッチ盤」ですが、映像・音声とも、サブコントロールでは、欠かせない存在となっています。
 このブログをご覧の皆さんのなかには、ご自分で、ビデオデッキやプレステとテレビなどを、RCAケーブル(黄・白・赤のプラグを持つコード)を使って映像・音声共に、結線したことがある人がいらっしゃると思います。
 けれど、わざわざ、テレビを前に出したり、ビデオデッキを引っくり返したりして、埃だらけのグシャグシャの・・・なんて面倒な思いをされた方も少なくないはず。
 この「バッチ盤」は、その面倒さを解消するべく、考えられたものなのです。

 つまり、それぞれの機器の差し口(ケーブルを差す端子)を、機材を導入した時に施しておく恒久的な結線によって、機材の前面に出してまとめておけば、そこに並ぶ差し口同士を短いケーブルで繋ぐだけで、代用できてしまう。そこに、たとえば「テレビの裏にある入力1の差し口」「ビデオデッキの裏にある差し口」と、名前をつけておけば、もの凄く簡便に、結線できるわけです。
 


 今日は、昭特製作所製品が搬入されました。まずは黒いハンドルから下部にあたる、ペデスタルドリー「TP-80B」。
 ところで、ペデスタルドリーとは何か、というと、ビデオカメラで言えば、三脚の「足」にあたる部分。ただ、簡単に高さが変えられる機構を持ち、下に付いている「ドリー(タイヤ)」を操舵させるためのハンドルが付いている点で、通常の三脚とは大きく異なります。もちろん、その上に乗載されるテレビカメラが大きく重たいものなので、頑丈で立派なデザインになっているわけです。
 


 写真は、アメリカClearCom社製「クリアーカム デジタルマトリクスシステム レバーキーパネルステーション V12LD」です(名前長いですね(笑))。
 クリアーカムとは、いわゆる「インターカム」といって、番組製作中にスタッフ同士がコミュニケーションをとるための機材。つまり、音質が良い電話のようなものです。
 青色に発色している文字の部分に、実際は話の相手先名称を表示。各々にレバーキーが付いていて、それをONにすると、会話ができる、という仕組みになっています。
 相手先の名称を決める目的で、雰囲気をつかむために、単体で電源を入れてもらっているところ。

一心同体的!

2010年2月18日 HD機材設備


 さて、写真の機器2つ。SONY製らしいクールなデザインですけれど、実は、これが、東放学園専門学校テレビジョンBスタジオ、特に映像システムの心臓部にあたるものなのです。
 SONY製
「スイッチャープロセッサ MVS-6000」と
「ルーティングスイッチャー IXS-6700」。
 一心同体的なこの2つの機器が、スタジオフロアーとサブコントロールルーム両方の映像システムを動かすことになります。
 具体的には、今後説明します。


 制作卓のVE(ビデオエンジニア)のスタッフが座る辺りには、SONY製マスターセットアップユニット「MSU-900」が入りました。複数台(今回のシステムでは8台)のテレビカメラの色や各種設定などを、集中的に制御するための機器。
 実習授業などで使いやすくするため、パネル全体が左右にスライドする構造にしていただきました。学生に説明する時は手前に、そうでない時は右奥へ移動。スペースと効率の良さを確保しています。


 はい、そして、1つ前の記事でのケーブルは、どこに繋がっているのか、というと、写真右の同じようなものが3式、縦に並んで見える機器。
 ビデオトロン製の、「70モジュールシリーズ」です。
 具体的な機材名がないのは理由があって、様々な目的・用途の機器(基板)の集合体だからなんですね。箱がいくつか並んでいるように見える部分があるのですけれど、これら各々が、それぞれ別の役割を負っている、つまり、機器の集合体。喩えれば、お中元などの「調味料詰め合わせセット」のようなもの。
 この集合体の中には、アップコンバータボード(SDTV※映像信号をHDTV※規格に変更する機器)や、HD VDAボード(HDTV規格の信号を増幅して分配する装置)などが、入っています。

※SDTV スタンダードディフィニションテレビジョン いわゆるアナログ放送に使用されている、走査線525本の方式)
※HDTV ハイディフィニションテレビジョン いわゆるデジタル放送に多用されている、走査線1125本の方式。「ハイビジョン」と呼ぶ場合もある)


 写真上は、1/30の記事に載せたもので、写真下は、昨日撮影したものです。ほぼ同じアングルからの撮影。およそ、半月で作業がかなり進み、随分と様変わりしました。
 あと、1週間ほどで、ほぼすべての機材が入る予定。学校の、ややタイトなスケジュールに、いろいろと協力をしていただいています。ありがとうございます。

 先日の土曜日は、特に綺麗に整然と作業が終えられていて、安全で見学にも支障がない、ということで、翌日の日曜日に行われた「オープンキャンパス」では、放送技術科の希望で来校された方々を中心に、作業途中の現場を、実際にご覧いただきました。
 次にご覧いただけるチャンスは、3/27と3/28に予定している「オープンキャンパス」。完成後の初公開です。もちろん、見るだけでなく、使うのですけれど(笑)。


 スイッチャー周りの写真。機材の大半が組み込まれて、この一部分だけでも、かなり、それらしく本格的になってきました。
 写真のやや右側にある、スイッチャーメニューパネルの左側の空間には、番組音声を出力するスピーカーが入ります。
 


 今日は日曜日。BスタジオのHD化工事作業もお休みです。
 ということで、しっかりと養生されているカバーをめくらさせていただき、サブコントロールルームで写真を数枚撮影。
 写真は、「VE(ビデオエンジニア)※」のスタッフが座る辺りの、制作卓です。まだ、サブコントロールルームで、最も高精細高画質なマスターテレビモニターなどは設置されていませんが、かなり機材が増えてきました。
 穴が空いている場所には、テレビカメラのリモートパネルが入ります。
 
 ※VE(ビデオエンジニア):テレビカメラの色や明るさの調整、放送機器全般のメンテナンスなどをする、「縁の下の力持ち」的な職種