‘放送技術科’ カテゴリーのアーカイブ

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国際放送機器展「Inter BEE」を紹介する一連のシリーズの最後は
「TBS Smart-cast Center」のブース。
従来、番組中のライブ中継と言えば、放送専用の規格電波で、専用のパラボラアンテナを用いて
放送・通信衛星や東京タワーなどの電波中継塔を介して・・・というスタイルでしたが
いわゆるネットワークの、つまりインターネットの技術を発展させたライブ中継のシステムを
TBSのブースで紹介。
 
左上の写真。
手前に司会者のお二人が立ち、奥に大型ディスプレイがあって
その映像を製作している3名の技術者の方が見られますが
なんと! この中央に座って映像の切替えなどの作業に従事しているのが
本校の放送技術科を、今年の3月に卒業したばかりの卒業生!
右上の写真中央と右下の写真。
関係者の方にお話を伺うと、卒業生の人間性や技術が認められての大抜擢だそうで。
頼もしいですね。
 
そして、その大型ディスプレイに映し出されている女性。
中継先でレポーターを勤めるのも、同じく放送技術科の今年の3月の卒業生。
この日は雨の中のネットワーク中継でしたが、しっかりと活躍していました。

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そしてこちら、上段の3枚は、アメリカは「ARRI」製のデジタルシネマカメラ「ALEXA」。
かつては、ARRIと言えば、アメリカ映画を代表するようなフィルム形式のシネマカメラのブランドでしたが
今では、カードメモリーなどに記録するスタイルに進化。
テレビ放送用規格信号が出力される事で、こちらもテレビドラマでも活躍。
高視聴率ドラマ「半沢直樹」でも使用されました。
 
さらに中段の写真は、そのARRIと、日本の池上通信機とのコラボレートで開発されたテレビカメラ。
従来の放送用カメラシステムに、ARRI ALEXAのつまりシネマの技術が取り込まれた機種でして
一層、映画とテレビの融合が進んでいるわけです。

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実際にロケーションを行ったのは、9月の上旬。
比較的乾燥していましたけれど、暑くてですね〜、日中は34℃近く。
ただ、作業にギュッと集中すると、その時は暑さは忘れる感じですね。
上の上段中央の写真は、「カチンコ」を掲げる演出補(アシスタントディレクター)の学生。
下段左と中央は、持ち込んだ「レールドリー」を使用した撮影の様子です。
前回の写真でも観られますが、黒色の棒の先に見えるグレーの物体は、マイクロフォン。
学生を手助けている方は、現場で活躍されている、プロの音声スタッフの方々です。
 
そして、下の上段のそれぞれに写る、帽子を被ったスタッフが、ディレクター(演出)を担当する学生。
ちょうど、子役の出演者の方に、芝居をつけている様子。
ディレクター自らが想像しているイメージを、しっかりと伝えての演出。
特に屋外でのロケーションは、時々刻々と変化する天候や太陽光の色などに影響されますからね
丁寧な中でも、手際良く撮影を進行させる、という統率力も、必要になるわけです。

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ということで、屋外でのロケーション2日目は、都内のある河川敷にて。
やはりこちらも、管理する団体・会社様に撮影などの許可をいただいての撮影です。
ご協力いただき、誠にありがとうございます。
 
そして、そのような許可申請などを行うスタッフが、制作進行の学生。
言うまでもなく、その役割は各種申請に留まらず、非常に多技に渡るわけでして
もの凄く短文で表現すると、「ロケーションの環境を整える仕事」と言えるでしょうか。
 
また、上の中段中央の写真。
出演者の方が、強い日差しに陽に焼けないように、日傘を差している様子。
こうしたスタッフの努力・活躍によって
初めて役者の方は威力を発揮でき、様々なスタッフがそれぞれの役割に打ち込めるわけです。
 
駐車場からロケーションに使用する資材や機材など搬出して・・・手分けをして運び・・・
準備が整うと、ドライリハーサル開始!

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前回は、11月7日に紹介した「ドラマ制作 2013」本番のスタジオ収録。
そして今回は、屋外でのロケーションの様子。
服装をご覧いただければ解ると思うのですが、実際に撮影が行われたのは
まだまだ暑かった、9月の上旬でした。
 
まず、最初のロケ地は、都内にある病院。
もちろん、通常業務がある中での撮影ですからね
機材などもコンパクトにしたり、スタッフも必要最低限の数にしたりして
当然の事ながら、ご迷惑を最小限に留める配慮をさせていただいての撮影。
ご協力いただいた関係者の皆様、誠にありがとうございました。
 
上段左の写真は、朝のブリーフィングの様子。
撮影を進めるにあたっての注意点や重要配慮項目などを、関わるスタッフ全員に周知。
手際良く準備作業を進めて、テキパキと撮影開始!
下段中央に写るスタッフは、アシスタントディレクター・ディレクター・記録を担当する学生です。
 
そして、下の大きな写真は、翌日の朝。
こちらは、機材車やマイクロバス数台を使用しての大掛かりなロケーションでして
まずは予告的に、お伝えいたします。

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出演した歌手は5組。
すべて照明クリエイティブ科の学生が、この日のために練習を重ねて熱演。
山中湖セミナーハウスでの、3泊4日の合宿形式で
睡眠時間以外のほぼすべてを、本番に向けた作業に費やしてきた「野外ライブゼミ」。
周囲を沢山の山々に囲まれて、天候が急変する事も多い場所でもありますけれど
今年は、雨に降られず、好天のまま無事に終了。
最後は、照明クリエイティブ科と共に参加した放送技術科の学生全員で、集合写真の撮影です。
お疲れさまでした!
ただしかし、まだ完全におわりではなくて
この後、撤収作業、そして、翌日校舎へ戻っての作業へと続きます。

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照明を照明クリエイティブ科が担当し、映像・音声収録・会場音声を放送技術科の学生が担当。
そして、出演者も照明クリエイティブ科の学生が受け持つ「野外ライブゼミ」。
特に、照明クリエイティブ科の学生は、会場となる山中湖の学校寮に3泊していて、本番は、3日目の夜。
写真で見える、華やかなライティングとそのデザインは
学生自らが考え、そして、スタンバイ。
入念な準備による結果が、まるで、夜空に舞う打ち上げ花火のように、花開くのです。

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最初の9枚の中央縦に、次の9枚の下段左、下の9枚の中央などに写るのは
仮設された映像・音声収録システムでの、本番中の様子。
特に最初の9枚中の中段中央と下段中央の写真に写るのは、VE(ビデオエンジニア)と担当する学生。
それぞれが両手で触れているのは、レンズのアイリス(絞り)をコントロールするダイヤル。
たとえば、同じアングルの同じ被写体でも、画面のサイズ(写っている範囲)によって
また、照明のデザインによって、そして出演者の動きによって・・・などの要因で
適切なアイリス値は時々刻々を変移しますから
2人で分担して、ずっとフォローをし続けるわけです。

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なるべく沢山の授業の、なるべく多勢の学生の活躍の姿をご覧いただきたい
そう思っているわけですけれど、その理想通りにはいかない。
それだけ、学校の2年間が盛り沢山!だからでして
ただ、紹介するからには、しっかりと深く・・・とも思っているのでございまして
実際とここでの紹介とのタイムラグが随分と生じる、のであります。恐れ入ります。
 
ということで、実際に行われたのは8月末。前回は、10月30日の紹介。
照明クリエイティブ科と放送技術科のコラボ実習「野外ライブゼミ」。
いよいよ本番開始です!

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少し暗めになっていて、眩しく見えるライトが置かれていて・・・
と、一見照明クリエイティブ科の授業のように見えますけれど・・・。
自分の仕事も、それに直接的に関わる知識や技術をだけ持っていれば良い、のではなくて
他の、役割違いの仕事も理解しながら仕事を進める事は、もの凄く大切。
特に、カメラマンや映像エディターの仕事は
照明や音声などの技術的な要素が、かなり関わってきますからね。
 
ということで、放送技術科の、照明の実習授業。
基本的なライティングプランや、カメラマンなども将来使用する可能性が高い機材を中心に勉強。
そして、非常に大事な知識になる「色温度」に関しても、学びます。
ちなみに、下の下段の中央と右の写真。
中央の写真は、白く見える外光と、室内側の照明の色温度が、ミスマッチ。
右の写真は、外の光が室内にも回り込んで見えているように、マッチ。
・・・というような説明を受けている様子です。

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続いて、今回の9枚は、照明クリエイティブ科の学生活躍の様子。
たとえば、音楽番組やコンサートライブのライティングの様に「時々刻々と変容する」
ということは、ドラマ収録の場合はほとんどありませんけれど
その一方で求められるのは、視聴者に意識させない自然なライティングと
演出意図に、十分に沿ったライティングの効果になるのですよね。
 
所々、写っている白いボードのような物が見られますが、これは「カポック」と呼ばれている道具。
灯体を直接美術セットに向けてのライティングだけでなく
カポックに当てた光・・・つまり反射光(間接光)によって
柔らい光を美術セットに流し込むようにする、ライティングのテクニックです。

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そして、次の9枚は、放送技術科の学生が担当している、カメラマンの姿を。
少人数ですべて、ではなくて、多勢で交代しながらの担当。言わずもがな、授業ですからね。
 
カメラマンの仕事、その表現は幾通りもあるかと思いますけれど、その中の1つに言えることは
それまでの、様々なスタッフの努力や役者の方の意気込みなどを
吸い上げるように捉え、具現化させるということ。
 
まあしかし、触った事もない状態で入学して、およそ1年と5ヶ月。
その姿は随分と凛々しく、プロのカメラマンチックになってきました。大したものですよね〜。
ご覧になって、そう思いませんか? (笑)

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紹介の内容は、一回空いて、再び「野外ライブゼミ」。
実際には、8月の下旬に行われた、合宿形式の2学科コラボレート実習です。
 
今回の写真は、それぞれカメラリハーサル中の様子。
出演者は、照明クリエイティブ科の学生。
照明のオペレートは、もちろん照明クリエイティブ科の学生。
そして、映像・音声収録と、会場音声のミキシングを、放送技術科の学生が担当します。
 
言わずもがな、このカメラリハーサルでの取組みが、本番の完成度に直接作用しますよね。
明るいうちに、学生の表情を捉えた写真を多めに・・・という感じですけれど
共通しているのは、その真剣な目つきだと思うわけです。

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当ブログで掲載している写真はすべて、クリックすると拡大表示されますので
ぜひ、そのようにして、よーく観察していただければと思います。
 
さて、上の9枚の写真。それぞれ放送技術科の作業中の様子ですけれど
特に上段をご覧いただきたいのですが、スコップを持って削ったり掘ったりという姿ですよね。
これはですね、横方向に移動しながら撮影するための、レールを敷く作業。
砂利を取り除いた後にレールを敷いて、水平水準器や小さな木材片を使って
レールを水平な状態に維持。
これは、スムーズなカメラワークを達成するための、大変重要な作業です。
 
下の9枚も、写っているのは、放送技術科の学生。役割分担して、ほぼ同時進行で行われている作業です。
仮設の映像・音声収録システムを構築したり
カメラケーブルや連絡回線のためのケーブルを布設したり
照明クリエイティブ科の学生と、打合せをしたりという様子です。

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前回紹介したのが10月3日ですから、まあ随分と間が空いてしまったのですが
照明クリエイティブ科と放送技術科の、合同の合宿の実習授業「野外ライブゼミ」。
今回は、本番日の朝から。
放送技術科の学生は6時過ぎに起床して、まず、散歩。上の上段の写真です。
前日もおよそ14キロメートルを歩いたわけですけれど
この実習「体力づくり」も1つのテーマですからね。
朝食後の少々の自由時間は、これまた自発的なスポーツ。上の中段の写真。
バドミントンをしたり、バスケットボールをしたり・・・と、さらに体を動かす事を。
そして、いよいよこの日の実習作業開始。上の下段の写真です。
 
一方、照明クリエイティブ科の学生の様子が、下の写真。
よーく見ると、同じ学生がステージ上にいたり、機材に向き合っていたりしていますよね。
これは、交代でライティングのシーンチェンジなどの練習をしたり
また、歌やダンスの練習をしたり・・・ということのためなのです。
スタッフとしても出演者としても、本番に向けた様々な作業に、余念がありません。

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上の写真。これは、放送技術科1年生の授業。
放送技術科というと、機材やいろいろなケーブルと共に・・・という実習が多めですけれど
この写真は、教えてくれる人とロープと、それを観察する学生・・・とちょっぴり違うテイスト。
実はですね、この授業は、テレビ中継に関する授業で、この日は「ロープワーク実習」なのです。
 
ゴルフに野球にサッカーに、ライブコンサートなど
中継放送などの業務は、機材も沢山ですし、それをスタンバイする作業も必要としますし
たとえば1キロメートルもの長〜〜いカメラケーブルなどを通線したり、という作業も必要となりますが
ロープワークも、意外に重要な作業の1つとなるわけです。

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今回は、それら、機材を安全に固定したり
重量物の機材を、数十メートル上に引き上げたりする際の、ロープの確実な引っかけ方法などを
実際の現場で活躍されているプロのスタッフの方が、教えてくれる、という内容。
テーマは「安全確実に簡単に、そして、ほどきやすい」。
就職して現場に出て、すぐに求められるテクニック。まさに実践!の実習でございます。

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