見えづらくて当然

2010年7月1日 実習風景

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 写真は、「番組制作実習」の美術セットで、床の部分。ちょうど、出演者が使うテーブルが、右端に少し見えています。
 一見、見づらいのですが、写真右隅のあたりから斜め左に、折り返して斜め上の方向に、膨らんでいる線のようなものがあります。見づらくて当然、わざと見えづらくしているからです。

 これは何かというと・・・
 出演者が使うテーブルには、マイクロフォンが置いてあるのですが、そうなると、音声ケーブルをテーブルから床にかけて、布設しなければならないですよね。音声ケーブルは、大抵が濃い灰色。これを奇麗にデザインされた床の上を直接布設すると、汚く見えてしまいます。
 そこで、演出デザイン科(本年度1年次よりテレビ美術科)の学生が、床材と同じ色に加工した専用のテープで、音声ケーブルを隠してくれている。それが「膨らんでいる線」として、わずかに見えているわけです。

 テレビドラマでもない限り、実際に放送されている番組でも、ここまで、徹底した手の込んだ作業は、あまり行われていない。かなり丁寧な作業なのです。
 まさに、可能な限り奇麗に見せる、という拘りによるもの。隠そうという発想も、実際に隠す行為も、大切な意気込みだと思います。