‘ドラマ制作’ カテゴリーのアーカイブ
さてさて、「オフライン編集」によって
映像・音声の使いどころや、カット変わりのタイミングなどが決まると
それらを明示する「タイムコード(記録信号に付与した時間数値アドレス)」の
データを使用しながら、次の作業は「オンライン編集」。
場所は、1年程前に、大規模リニューアルを実施した「HDTV ONLINE Edit Room」です。
基本的には、PCとディスプレイなどで構成されていた「オフライン編集システム」と違って
こちらは、かなり大掛かり。この1部屋で、ワンセットの編集システムなのです。
前回の「オフライン」を含め、今回の「オンライン編集」を担当しているのは
放送技術科の、将来編集志望の学生。
数人で、役割分担をしたり交代したりしながら、編集作業を進めていきます。
授業ですし学生が主役ですけれど、授業だからこそ、すべてが学生だけではなくて
所々で、現場で活躍されている講師の方が指導したり、我々職員がアドバイスをしたり・・・。
前回から紹介している「ドラマ制作 2013」のオフライン編集では
数多くのTBSドラマなどで、プロの編集マンとして活躍されている方が、指導。
今期のドラマでは、TBS「Dr.DMAT」の編集と担当されている方でございます。
この後の、放送用のビデオテープを直接制御して編集する「オンライン編集」とは違い
映像・音声のデータを、PCのハードディスクドライブに記録して・・・の作業。
各カットやシーケンスを繫ぐ、細かな編集ポイント・タイミングは、この段階で決められるのです。
学生が作業を行い、プロの講師の方が手本を見せ、また学生が行って手本を見せてもらい。
まさに、実践指導の実践授業です。
本校の各学科の学生が参加しての、本格的な実習授業の1つ「ドラマ制作 2013」。
前回は12月31日の大晦日でした。
当ブログのページ、左下のカテゴリーで「ドラマ」を選んでいただくと
このシリーズがまとめてご覧になれますので、どうぞ、ご利用ください。
さて、その前回では「クランクアップ」の様子を紹介しました。
撮影がすべて終了したわけですが、ご存知の通り、これで完成ではなくて
この後に、映像の編集作業と音声の編集や整音作業などが続くのです。
そこで今回は「オフライン編集」。
9月の初めにクランクアップして、実際に行われたのは、9月上旬でした。
オフライン編集は、PCの動画編集アプリケーション「Avid」を使用。
ですから、手で操作するためのツールも、PCのキーボードとマウスです。
5日間に渡った、スタジオ収録やロケーションを無事に終えて、クランクアップ!
スタッフの学生より、出演していただいた皆様へ、花束の贈呈。
撮影前の立ち稽古や準備から含めますと、およそ2週間、ご協力いただきました。
上の中段の写真をご覧いただいて、写真右より
大野 俊亮さん・夷 正信さん・東 英子さん
写真左より、木村 結香さん・濱崎 大輝さん
そして主役の近江 麻衣子さん、でございます。
誠にありがとうございました。
出演者の皆さんから、一言ずつお話をいただいた後は
最後の撮影に参加した全スタッフと、記念の集合写真を。
撮影してくださったのは
劇中のカメラマン役の出演者への、カメラマン指導もご担当いただいた、豊口 隆之さんです。
撮影は終わりましたけれど、この後、編集やMAなどの作業も
まだまだ、続きます。
テレビ番組の「メイキング映像」は、比較的目にするチャンスがあって
皆さんもご覧になったことがあると思います。
ただ、本番中というよりかは、リハーサル中の様子である事の方が多いでしょうかね。
そして、スタジオフロアなど、出演者の方がいたりカメラマンが居たり、という光景が多いと思いますが
前回お伝えしたような「サブコントロールルーム」の様子は、ややレア。
増してや、本番中の、サブコントロールルームでの、スタッフの様子というのは、かなりレアでありましょう。
・・・ということで、前置きが長くなりましたけれど
今回は「ドラマ制作 2013」での、本番中の様子を動画で
お邪魔をしないように、そぉ〜っと撮影させていただきました。
ポイントは活躍する学生すべて、ではありますが
特筆すべきは、映像を切り替えるスイッチャー(動画中の手前のスタッフ)。
もちろん、学生ですけれど、このシーケンスの芝居や切り替えるべきカメラナンバー
カメラワークなどの「コンテ」、切り替えるタイミングなどなど
つまりは、カット割りの内容を頭に入れて・・・の作業。
見ているものは、常にテレビモニターである事からも、お解りいただけるでしょう。
それでは、ご覧ください。
前回は12月6日に紹介しました「ドラマ制作2013」。
屋外でのロケーションが一通り終わって、撮影最終日はスタジオ収録。
しかし、最終日のスタジオフロアの様子は、11月の初めに既に紹介しておりますので
今回は、スタジオフロアーの上階に位置している「サブコントロールルーム」を。
こちらで仕事をするスタッフは、それぞれ下の9面マルチの写真で・・・
ディレクター(上段中央に写る学生)
スイッチャー(中段中央に写る学生)
記録(下段左、ディレクターの右に写る学生2名)
音声(下段中央に写る学生2名)・ビデオエンジニア(下段右に写る学生)
その他、掲載した写真以外に、プロデューサーや、照明・CG TELOPなどのスタッフも。
笑顔が見られる事は一時的にはあっても、言わずもがな、基本的には常に真剣な表情。
今までの数ヶ月間に及ぶ準備を経て
他のスタッフと一致団結して進めてきた作品製作を、結晶化させるわけですからね。
屋外でのロケーションも、いよいよ3日目にして、最終日。
写真ではあまり表現されていませんけれど、関わった学生達
日増しに、陽に焼けていって、黒くタクマシくなっている感じ。
もちろん、タクマシさと言えば、大事な経験も、それに寄与しているわけです。
この日の朝は、学校から比較的近い、ある場所。
具体的には説明しませんが、従来に等しく
この場所も、制作担当の学生がかなりな努力をして、撮影許可をいただいた場所なのです。
上の写真のメインは、上段右で全容が見えている「ミニジブ」という機器。
これは、小型のクレーンカメラシステムでして
ドラマ撮影での必需品と言っても良いほど、非常に頻繁に使用されているものです。
そして、午後は場所を変えて、やはり学校から近い位置にある「沖縄タウン」でのロケーション。
11月7日の当ブログでお伝えしたのが「定食店」内部のスタジオ撮影。
今回は、その外観部分や、お店の前での撮影です。
沖縄タウン内にある「第一食堂」に、ご協力をいただきました。
上段中央の写真。看板を移動させていただいているのは、制作のスタッフ。
上段右は、装飾系の準備を手伝っているディレクターなど。
人手が足らない時は、どんなスタッフでも、何でも手伝います。これは常識!と言って良いでしょうね。
中段中央は、マイクロフォンをスタンバイしている様子。
下段左は、カメラに取り付けられた、小型の液晶ディスプレイを、じっくり観察しているディレクター。
下段右は、多勢のスタッフのために、制作担当のスタッフが準備をしてくれた、飲み物など。
特に、暑い時期には欠かせないもので、これも大切な環境づくり。
仕事とか役割などと言われれば、まあ確かにそうですけれど
けれどもしかし、ありがたいですよね〜!
ロケーションのベース
2013年12月5日 ドラマ制作,放送技術科,放送芸術科,放送音響科,照明クリエイティブ科
写真は沢山ご覧いただいても、あまり詳しくお伝えしなかったのが「ベース」と呼ばれる部分。
ここは、ディレクターや記録、ビデオエンジニアや照明・音声のスタッフの本拠地にあたる場所。
実際に、出演者の方が芝居をしたり、撮影をしたりする場所と
基本的には可能な限り近くに設けるのですが
今回のロケーション場所のように、見通しが効く場所で
河川敷らしい、広さを表現する場合には、可能な限り遠くに置く場合も。
上の写真、手前がベースに当たる部分、奥が撮影場所。
「ドラマ制作 2013」ロケーションの様子、続きです。
収録機器(VTR)、カメラをコントロールする機器・音声のミキシングを行う機器
ディレクターなどが、撮影収録している映像・音声を確認するための設備などが置かれている部分。
下の上段左写真だと、左からディレクター・記録、音声のミキサー
そして映像のビデオエンジニアの順に配置されています。
上の下段の写真からも解るように、この日は都内のある河川敷だけでなく
あるアパートの一室でもロケーションを実施。時間は夜です。
上段左は、ヒロイン役の出演者に、ディレクターの学生が芝居をつけている様子。
右は、記録を担当する学生とディレクターが相談をしている様子です。
今回に限った事ではありませんが、写真はクリックすると拡大表示されますので
どうぞじっくりと、観察してみてください。
実際にロケーションを行ったのは、9月の上旬。
比較的乾燥していましたけれど、暑くてですね〜、日中は34℃近く。
ただ、作業にギュッと集中すると、その時は暑さは忘れる感じですね。
上の上段中央の写真は、「カチンコ」を掲げる演出補(アシスタントディレクター)の学生。
下段左と中央は、持ち込んだ「レールドリー」を使用した撮影の様子です。
前回の写真でも観られますが、黒色の棒の先に見えるグレーの物体は、マイクロフォン。
学生を手助けている方は、現場で活躍されている、プロの音声スタッフの方々です。
そして、下の上段のそれぞれに写る、帽子を被ったスタッフが、ディレクター(演出)を担当する学生。
ちょうど、子役の出演者の方に、芝居をつけている様子。
ディレクター自らが想像しているイメージを、しっかりと伝えての演出。
特に屋外でのロケーションは、時々刻々と変化する天候や太陽光の色などに影響されますからね
丁寧な中でも、手際良く撮影を進行させる、という統率力も、必要になるわけです。
ということで、屋外でのロケーション2日目は、都内のある河川敷にて。
やはりこちらも、管理する団体・会社様に撮影などの許可をいただいての撮影です。
ご協力いただき、誠にありがとうございます。
そして、そのような許可申請などを行うスタッフが、制作進行の学生。
言うまでもなく、その役割は各種申請に留まらず、非常に多技に渡るわけでして
もの凄く短文で表現すると、「ロケーションの環境を整える仕事」と言えるでしょうか。
また、上の中段中央の写真。
出演者の方が、強い日差しに陽に焼けないように、日傘を差している様子。
こうしたスタッフの努力・活躍によって
初めて役者の方は威力を発揮でき、様々なスタッフがそれぞれの役割に打ち込めるわけです。
駐車場からロケーションに使用する資材や機材など搬出して・・・手分けをして運び・・・
準備が整うと、ドライリハーサル開始!
前回は、11月7日に紹介した「ドラマ制作 2013」本番のスタジオ収録。
そして今回は、屋外でのロケーションの様子。
服装をご覧いただければ解ると思うのですが、実際に撮影が行われたのは
まだまだ暑かった、9月の上旬でした。
まず、最初のロケ地は、都内にある病院。
もちろん、通常業務がある中での撮影ですからね
機材などもコンパクトにしたり、スタッフも必要最低限の数にしたりして
当然の事ながら、ご迷惑を最小限に留める配慮をさせていただいての撮影。
ご協力いただいた関係者の皆様、誠にありがとうございました。
上段左の写真は、朝のブリーフィングの様子。
撮影を進めるにあたっての注意点や重要配慮項目などを、関わるスタッフ全員に周知。
手際良く準備作業を進めて、テキパキと撮影開始!
下段中央に写るスタッフは、アシスタントディレクター・ディレクター・記録を担当する学生です。
そして、下の大きな写真は、翌日の朝。
こちらは、機材車やマイクロバス数台を使用しての大掛かりなロケーションでして
まずは予告的に、お伝えいたします。
同じく、スタジオでのカメラリハーサルから本番にかけての様子。
実は、今年度のドラマ制作のストーリー
定食屋さんが1つのテーマというか、キーポイントになるのですが
その定食屋さんの美術セット、そこにお客さんが沢山来ていて・・・という場面が上の写真。
当然、定食が出てくるわけでして
今回、このメニュー、コンビニに売っている物をそのままではなくて
「消えもの(演出上必要とされる食べ物や飲み物)」の調理を、放送芸術科1年の学生が担当。
スタジオ外には、特設の調理場が設けられて、そこで必要なすべての調理を。下の上段の写真です。
ここで作られた調理は、代表となる「親子丼」を始めとして
生姜焼き定食・冷やし中華などなど、なんと合計45食分!
撮影が終わった後は、残った料理を食べて食べて・・・(笑)。
続いて、「ドラマ制作 2013」スタジオ収録、放送芸術科の制作系スタッフの様子です。
写真をご覧になると、お解りになるかと思いますが
台本を見せるなどしながらの、役者の方々に距離が近いものが多いですよね。
ディレクターやアシスタントディレクターの学生達。
芝居を、そしてドラマ全体を「演出」したり進行したりする役割ですから
こうして、事ある毎に、役者の方の近くに寄って・・・という仕事になるわけです。
直接的な演出という役割以外にも
たとえば、上段中央は、演出上の「濡れた足」を表現するための作業や
下段左の写真のように、美術セット内の「物の配置」などを整えたり
その右の写真のように、子役の方に、緊張を和らげるように、話かけたり・・・と
関わる仕事は、非常に多技に渡るのです。
流し込み、そして吸い上げ・・
2013年11月5日 ドラマ制作,実習風景,放送技術科,照明クリエイティブ科
続いて、今回の9枚は、照明クリエイティブ科の学生活躍の様子。
たとえば、音楽番組やコンサートライブのライティングの様に「時々刻々と変容する」
ということは、ドラマ収録の場合はほとんどありませんけれど
その一方で求められるのは、視聴者に意識させない自然なライティングと
演出意図に、十分に沿ったライティングの効果になるのですよね。
所々、写っている白いボードのような物が見られますが、これは「カポック」と呼ばれている道具。
灯体を直接美術セットに向けてのライティングだけでなく
カポックに当てた光・・・つまり反射光(間接光)によって
柔らい光を美術セットに流し込むようにする、ライティングのテクニックです。
そして、次の9枚は、放送技術科の学生が担当している、カメラマンの姿を。
少人数ですべて、ではなくて、多勢で交代しながらの担当。言わずもがな、授業ですからね。
カメラマンの仕事、その表現は幾通りもあるかと思いますけれど、その中の1つに言えることは
それまでの、様々なスタッフの努力や役者の方の意気込みなどを
吸い上げるように捉え、具現化させるということ。
まあしかし、触った事もない状態で入学して、およそ1年と5ヶ月。
その姿は随分と凛々しく、プロのカメラマンチックになってきました。大したものですよね〜。
ご覧になって、そう思いませんか? (笑)