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  • 268月

    小説創作科サマーセミナーもいよいよ最終日となりました。
    午後には再集合があるため学生達も「京都タワー」や「清水寺」といった駅からアクセスの良いところが中心となっていました。

    行動範囲は狭くなりますが、短時間で効率よくリサーチすることも大事なポイントです。
    今回は「三十三間堂」を訪ねます。
    ホテルから30分ほど歩いたでしょうか、朝からの直射日光は強烈で、着く前に汗だくになってしまいました。

    これが「三十三間堂」です。
    33_01

    「三十三間堂」の正式名称は蓮華王院(れんげおういんほんどう)といい、現在まで4度の大修理を経て750年間護持されています。この名の由来は、お堂正面の柱間が33あることから呼ばれており、堂内には千手観音坐像を中央に1001体の観音像があります。

    この「三十三間堂」を訪ねるのは私自身の恒例行事です。
    理由としては、創作のヒントになるアイデアが多くあるところです。

    千体観音像の前に並ぶ、風神・雷神を含めた30体は特徴が紹介されています。
    風神を例にすると
    「半人半獣の異形で、巻雲にのり風の袋を担いだ通例の相を表わす。もとは「風天」というインドの神。半身裸形で、手は四指、足は二指に表わす」
    【国宝三十三間堂より 引用】

    インターネットで得る情報も便利ですが、実際に目の当たりにして得るモノには代えがたいものがあります。
    創作の主流といってもいい異世界モノをですが、異世界だからといって何が許されるわけではありません。
    このように先人の創り上げたモノから自分なりにアレンジし、後世に伝えること、モノを創り上げる人として是非取り組んでほしい技術です。
    それだけではありません。自分のイメージで創るのモノではなく、実在するモノを参考にすることはリアリティの追求に繋がるという一つの例ともいえます。

    期間中、サマーセミナーはリサーチに明け暮れたようですが、学生達も充実した日々を過ごしたようです。
    帰りの新幹線では、燃え尽きて寝ている学生も……。
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    あとは、課題です。
    よき材料(ネタ)は集まったかと思います。あとは、調理人の腕にかかっています。
    頑張ってください! お疲れ様でした!

  • 218月

    小説創作科サマーセミナーも3日目に入りました。学生たちに話を聞くとさすが2年生はフィールドワークの授業をこなしているだけあって、上手くスケジュールを組んで動けているようですが、1年生は少々行き当たりばったりなところもまだあるかなぁという感じでした。
    この合宿を通して、取材の必要性やその仕方を身体で感じてほしいですね。

    ということで、今回は京都を舞台にしたとある作品に登場する場所を巡り、プロの作家がどのように描写をしているかを確かめる少々マニアックな内容でお送りします。

    その作品とは、森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』、万城目学さんの『鴨川ホルモー』です。
    お二人とも人気作家のため知っている方も多いのではないでしょうか。

    では早速バスにのって最初の目的地へ出発。

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    まずはここからでしょう。京都大学です。
    作家のお二人の母校でもあり、2つの作品の主人公が通っている大学でもあります。
    ”この阿呆の祭典は、聳え立つ時計台を中心として校舎が点在する「本部構内」と、東一条通を挟んで南にある「吉田南構内」を主戦場として繰り広げられる。”(夜は短し歩けよ乙女)という描写がされています。

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    正門を通るとすぐ左にある学内レストラン「カンフォーラ」では一般人も食事することが可能です。
    ここでカレー好きの第24代尾池総長が監修したという名物「総長カレー」を食します。
    スパイスが利いていて美味! 実際にレトルトとして売られておりお土産に持ち帰ることができます。

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    京都大学を出て左へ向かうとすぐに赤い鳥居の吉田神社が見えてきます。
    ここでは、『鴨川ホルモー』前半のハイライトである”吉田代替わりの儀”が行われた場所でもあります。

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    ここであの儀式が行われたと思うと…(笑)。すごく面白い場面なので興味あればぜひ作品を読んでみてください!

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    そして神社を後にして、京都大学に沿って北へ向かい百万遍交差点(写真左)を曲がり、路地を曲がるとある吉田泉殿長の喫茶店『ZACO』(写真右)。鴨川ホルモーでは、主人公安倍をはじめとした青龍会ブルースの面々が集まるところです。
    “そのとき、突然、店のドアがちりりんと鈴を鳴らして開いた。奥の席で髪の長い白人の客と音楽の話をしていたマスターが、「いらっしゃい」と低い声で出迎える。”(鴨川ホルモー)
    ぜひ低い声のマスターに会ってみたかったのですが、時間の関係上次の目的地へ急ぎます。

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    そして到着しました鴨川デルタ。
    “賀茂川はやがて、北東から流れてくる高野川と合流して、鴨川と名称を変える。その二つの川の合流地点に存在する、三角形のぽっかり空いた、だだっ広い石畳に覆われた地形。誰が呼んだか鴨川デルタ。”(鴨川ホルモー)
    森見登美彦さんの『四畳半神話体系』にも登場しますね。

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    鴨川デルタの向こうに発達している原生林・糺の森(ただすのもり)
    “京都、下鴨神社の参道である、齢を重ねた楠や榎が立ちならぶ糺の森を、広々とした参道が抜けていく。ちょうど盆休みにあたる頃だから、蝉の声が降りしきっている。”(夜は短し歩けよ乙女)

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    そして、世界遺産として登録されている下鴨神社へ到着。
    正式には「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」として東西に奉られている『ご祭神』は国宝として認定されています。
    賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと) 西殿
    玉依媛命   (たまよりひめのみこと) 東殿 ※下鴨神社webサイトより
    今年はちょうど式年遷宮の年にあたります。ちなみに式年遷宮とは一定年限で社殿を作り替えること。
    下鴨神社は21年周期で式年遷宮を行っており、いたるところで補修工事が行われていました。

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    さて、参拝をすまして糺の森を引き返すと、河合神社が見えてきます。
    『方丈記』で有名な鴨長明はここの神官の家系だったそうで、自身も神官になることを目指していたそうです。
    しかし50歳で全ての公職から身を引き、方丈記を記したとのこと。

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    なお方丈とは一丈四方,四畳半ぐらいの広さをさし、境内には実際に長明が住んでいたという方丈庵が再現されています。
    “行く人の川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。”
    から始まる冒頭の「無常」感はこの中で生まれたのでしょうか。実際見ると人が住む家としてはかなり狭く感じます。
    なんと組み立て式とのことで、解体して別の場所で組み立てることができるとのこと。
    各地を転々としていたという長明はこのポータブルハウスと共に移動していたのでしょうか。
    そんなことに思いを馳せていると、辺りは徐々に暗くなってきました。

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    最後に訪れたのは、
    “これは私が初めて夜の木屋町から先斗町界隈を歩いた、一晩かぎりのお話です。”(夜は短し歩けよ乙女)
    にて、お酒が飲みたいと、”魅惑の大人世界”に踏み入る黒髪の乙女を、先輩が追いかけるシーンで登場する通り「先斗町(ぽんとちょう)」です。

    狭い路地にたくさんのBARや料亭、レストランが並ぶ先斗町。正に大人の香りが漂う通りといった感じで、歩くだけでもわくわくする気分を味わうことができます。こういった場所の雰囲気も味わうことで神社・仏閣だけではないリアルな京都を描写するのに役立ちますね。

    いかがでしたでしょうか? 前回は歴史上でも有名な場所にスポットを当てましたが、今回は現代文学ということで作品を読んでいないと伝わらない部分もあったと思います。

    しかし、取材後に集めた資料や知識で創作をするときは、時代設定を現代に設定することが多いのではないでしょうか。
    現役で活躍している作家が何を見てどのように表現しているかを検証して、自分ならどのように描写するかを考えることは、創作にプラスとなる取材方法の一つだと感じます。

    古代から現代まで町中に様々なスポットが同化して息づいている京都は取材する場所としてピッタリなのです。

  • 208月

    うだる様な暑さが続く中、真夏の京都サマーセミナーの2日目の幕開けです。
    学生たちは、朝食を食べると早速各々のテーマに合わせた取材地へ向かいました。

    そしてこちらも小説を構成する大きな要素の一つ「キャラクター」という観点から市内取材に行ってみようと思います。

    さて、数多く京都を舞台にした物語がある中、京都を代表する誰もが知っている実在したキャラクターと言えば?
    自分自身に対するこの問いに対して、私には二つの答えが浮かびました。
    1つは、司馬遼太郎の歴史長編「燃えよ剣」やゲームやアニメで若い女性を中心にヒットした「薄桜鬼」などをはじめ、多くの作品に登場する『新撰組』の隊士達。
    そして2つめは、年中行事や暦など日本人の生活に根付いている規範の元となる陰陽道の祖として、近年文芸や映画をはじめブームにもなっている『陰陽師 安倍晴明』です。

    方針を決めたら、まずは『新撰組』縁の地・壬生方面へ市バスを利用して向かいます。

    四条大宮にてバスを降りると、徒歩7〜8分で路地裏に静かに佇む光縁寺に到着。

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    光縁寺には、新撰組・隊士とその関係者28名の墓が現存。
    寺の境内に立ち並ぶ墓石の間を進むと、明らかに雰囲気の違う一角があります。

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    手前は新撰組総長・山南敬介の墓。そのほか参謀・伊東甲子太郎、四番隊隊長・松原忠司、七番隊隊長・谷三十朗、八番隊隊長・藤堂平助なども埋葬されているとのこと。

    手を合わせて冥福を祈ると、光縁寺を出て綾小路通りを西へ。

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    新撰組の隊士が詰めていた屯所として使用されていた旧前川邸(左)・八木邸(右)がその姿を見せます。

    新撰組発祥の地・八木邸では、実際にガイドの方から新撰組がどのような名目のもと結成され、京都の守護・治安維持に奔走したか当時の時代背景を含めた説明を聞くことができます。
    また、説明を聞いている部屋は実際に芹沢鴨(新撰組初代筆頭局長)が近藤勇一派に誅された事件の現場。
    実際にその凄惨な事件現場となった部屋で芹沢がつまずいた文机や、沖田がつけたと言われる柱の刀傷などを観覧しました。

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    見学終了後、隣接する和菓子屋さんにて菓子と抹茶のサービス(見学とセットになってます)

    最後は八木邸のすぐそば、新撰組が訓練や稽古場として使用したり、沖田総司が子供たちを連れて遊んでいたという微笑ましいエピソードが残る壬生寺へ。

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    芹沢鴨の墓石など新撰組関連の史跡が残っていますが、最大の見所は、この近藤勇像でしょう。さすが局長勇ましい顔つきです。
    広い境内には保育園も入っており、子供たちの楽しそうな声が聞こえます。
    沖田総司もここで子供たちに囲まれていたのでしょうか。

    そんなことに思いを馳せながら寺を後にし、バスに乗っていざ次の目的地晴明神社へ!

    二条城の先、一条戻橋を超えると見えてくる晴明神社。
    名前の通り、陰陽師・安倍晴明を御祭神として奉っている神社です。

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    通常は奉っている神様の名前を入れる鳥居の額に、安倍晴明のシンボルマーク桔梗印(五芒星の印)が飾られ全国的にも珍しいという一ノ鳥居をくぐると、陰陽師が使役していたとされる式神の像がお出迎えしてくれます。見た感じは小さいおじいさんといった感じで、鬼神と呼ばれる怖さはあまり感じませんね。

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    二ノ鳥居をくぐると、手水舎の隣に晴明が念力により湧出させたとされる井戸・晴明井があります。
    水が出る方向をその年の恵方へ向けてあり、動かさない様にと注意書きがされています。
    また、この場所は茶道の祖千利休が自害した場所とされており、この水でお茶をたてていたのではないかとのこと。

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    本殿横に安倍晴明の像がありました。神社が所蔵している肖像画を元に制作されたとのこと。皆さんが持っているイメージと比べていかがでしょうか?

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    神社を去る際には桔梗印の由来となった桔梗の花が咲いていたのでパチリ。ちょうどこの時期に咲くということで、青色がとても涼しげで綺麗な花です。

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    社を出て南へ100mほど歩くと、堀川に架かる一条戻橋があります。
    『源氏物語』や『渡辺綱と鬼女』など、様々な伝説が残る橋の下には安倍晴明が使役していた十二体の式神を封じていたとのことで、橋の下を覗いてみると…

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    式神では無く小学生ぐらいの子供たちが座っていました(笑)
    しかし、その昔は刑場としても使われた場ということもあるのでしょうか、真昼でも薄暗くて不気味な印象でした。

    今回はキャラクターのルーツを追うという形で『新撰組』『安倍晴明』に関する場所を巡ってみましたが、見たり聞いたりすればするほどもっと知りたくなるのが不思議ですね。
    また、既に知っている物語もその場所へ行って五感で感じたことを踏まえて見返すと、また想像にリアルな描写を加えて楽しめるという副次的要素もあります。
    インターネットや文献では知ることのできない情報は確かにあって、創作のため取材に行く重要性を改めて感じることができました。

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