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  • 208月

    うだる様な暑さが続く中、真夏の京都サマーセミナーの2日目の幕開けです。
    学生たちは、朝食を食べると早速各々のテーマに合わせた取材地へ向かいました。

    そしてこちらも小説を構成する大きな要素の一つ「キャラクター」という観点から市内取材に行ってみようと思います。

    さて、数多く京都を舞台にした物語がある中、京都を代表する誰もが知っている実在したキャラクターと言えば?
    自分自身に対するこの問いに対して、私には二つの答えが浮かびました。
    1つは、司馬遼太郎の歴史長編「燃えよ剣」やゲームやアニメで若い女性を中心にヒットした「薄桜鬼」などをはじめ、多くの作品に登場する『新撰組』の隊士達。
    そして2つめは、年中行事や暦など日本人の生活に根付いている規範の元となる陰陽道の祖として、近年文芸や映画をはじめブームにもなっている『陰陽師 安倍晴明』です。

    方針を決めたら、まずは『新撰組』縁の地・壬生方面へ市バスを利用して向かいます。

    四条大宮にてバスを降りると、徒歩7〜8分で路地裏に静かに佇む光縁寺に到着。

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    光縁寺には、新撰組・隊士とその関係者28名の墓が現存。
    寺の境内に立ち並ぶ墓石の間を進むと、明らかに雰囲気の違う一角があります。

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    手前は新撰組総長・山南敬介の墓。そのほか参謀・伊東甲子太郎、四番隊隊長・松原忠司、七番隊隊長・谷三十朗、八番隊隊長・藤堂平助なども埋葬されているとのこと。

    手を合わせて冥福を祈ると、光縁寺を出て綾小路通りを西へ。

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    新撰組の隊士が詰めていた屯所として使用されていた旧前川邸(左)・八木邸(右)がその姿を見せます。

    新撰組発祥の地・八木邸では、実際にガイドの方から新撰組がどのような名目のもと結成され、京都の守護・治安維持に奔走したか当時の時代背景を含めた説明を聞くことができます。
    また、説明を聞いている部屋は実際に芹沢鴨(新撰組初代筆頭局長)が近藤勇一派に誅された事件の現場。
    実際にその凄惨な事件現場となった部屋で芹沢がつまずいた文机や、沖田がつけたと言われる柱の刀傷などを観覧しました。

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    見学終了後、隣接する和菓子屋さんにて菓子と抹茶のサービス(見学とセットになってます)

    最後は八木邸のすぐそば、新撰組が訓練や稽古場として使用したり、沖田総司が子供たちを連れて遊んでいたという微笑ましいエピソードが残る壬生寺へ。

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    芹沢鴨の墓石など新撰組関連の史跡が残っていますが、最大の見所は、この近藤勇像でしょう。さすが局長勇ましい顔つきです。
    広い境内には保育園も入っており、子供たちの楽しそうな声が聞こえます。
    沖田総司もここで子供たちに囲まれていたのでしょうか。

    そんなことに思いを馳せながら寺を後にし、バスに乗っていざ次の目的地晴明神社へ!

    二条城の先、一条戻橋を超えると見えてくる晴明神社。
    名前の通り、陰陽師・安倍晴明を御祭神として奉っている神社です。

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    通常は奉っている神様の名前を入れる鳥居の額に、安倍晴明のシンボルマーク桔梗印(五芒星の印)が飾られ全国的にも珍しいという一ノ鳥居をくぐると、陰陽師が使役していたとされる式神の像がお出迎えしてくれます。見た感じは小さいおじいさんといった感じで、鬼神と呼ばれる怖さはあまり感じませんね。

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    二ノ鳥居をくぐると、手水舎の隣に晴明が念力により湧出させたとされる井戸・晴明井があります。
    水が出る方向をその年の恵方へ向けてあり、動かさない様にと注意書きがされています。
    また、この場所は茶道の祖千利休が自害した場所とされており、この水でお茶をたてていたのではないかとのこと。

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    本殿横に安倍晴明の像がありました。神社が所蔵している肖像画を元に制作されたとのこと。皆さんが持っているイメージと比べていかがでしょうか?

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    神社を去る際には桔梗印の由来となった桔梗の花が咲いていたのでパチリ。ちょうどこの時期に咲くということで、青色がとても涼しげで綺麗な花です。

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    社を出て南へ100mほど歩くと、堀川に架かる一条戻橋があります。
    『源氏物語』や『渡辺綱と鬼女』など、様々な伝説が残る橋の下には安倍晴明が使役していた十二体の式神を封じていたとのことで、橋の下を覗いてみると…

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    式神では無く小学生ぐらいの子供たちが座っていました(笑)
    しかし、その昔は刑場としても使われた場ということもあるのでしょうか、真昼でも薄暗くて不気味な印象でした。

    今回はキャラクターのルーツを追うという形で『新撰組』『安倍晴明』に関する場所を巡ってみましたが、見たり聞いたりすればするほどもっと知りたくなるのが不思議ですね。
    また、既に知っている物語もその場所へ行って五感で感じたことを踏まえて見返すと、また想像にリアルな描写を加えて楽しめるという副次的要素もあります。
    インターネットや文献では知ることのできない情報は確かにあって、創作のため取材に行く重要性を改めて感じることができました。

    Posted by takahashih @ 12:22 pm

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