大自然の呼び声に導かれ、足は更に島の奥へと。
今回で鎌倉江ノ島探訪記も三回目。これが最後の更新です。
前回の記事へはこちらから飛ぶことができます。
残り二つの学生の作品を掲載し、〆となります。
青銅の鳥居をくぐり、参道を上ると江ノ島神社に到達します。
観光客の合間を縫うように進み、神社を抜け更に島の奥深くへと。
相模湾を横目にしつつ林の中を歩きます。
傾斜のある坂道を登っていくと、いつしかずいぶんと高い場所へ着いていました。
④
そびえ立つ塔は、なにを思っているのだろう。この島を見下ろしているのか見渡しているのか。
はたまた塔はこの島のことなんて、なにも考えちゃいないのかもしれない。
島より遠くの方を見渡しているのかもしれない。
もしかしたら、それよりも遠く、自分よりも遠い、空の向こうを見ているのだろうか。
いや、そんなこと考えたって、わかるわけない。あれに心があるのかさえ怪しい。
逆に島の人たちがあの塔をどう思っているのかも、まったくわからない。
だけどこれだけはわかる。今は昼どき。
「おなかすいた」
こちらが第4のスポットです。
写真の右手に移っているのが江ノ島展望灯台。
空模様が怪しくなってきました。
少し前までは青空が広がっていましたが、今は雲に覆われています。
今度は階段を下っていきます。すると、海に出ました。
目の前には開けた岩場、稚児ヶ淵です。
隆起した岩肌に打ち寄せる波の様子は、見ていて圧倒されます。
晴れた日には、ここから伊豆半島や富士山が一望できる名所だそうです。
しかし曇り始めた今の空模様では、それもかないません。
さらに少し歩くと、最後のスポットに到着しました。
⑤
夢がある。世界を旅する夢だ。海の向こうの、遠く離れた大地。
そこで見えるたくさんの景色、生き物。それはきっととても大変で、とても楽しいものだと思う。
出来れば、友達と行きたい。
ひとりで気ままに旅をするよりも、二人、三人と多い方が賑やかで、助け合うことも出来るだろう。
ひとりでいるよりも、その方がいいに決まっている。
だけど今はまだ、海を眺めるだけ。遠く異国の地には行けないから。
果てない夢を抱いて、これからも生き続ける。決して、海の暗きに沈むことなかれ。
場所は江ノ島岩屋へと続く岩屋橋の入口です。
相模湾を一望できる、名スポットです。
この先に進むと、波の浸食で作られた江ノ島岩屋があります。
しかし、そちらはまた別の機会に。
さて、これにて全行程が終了。
今回は指定した五か所のスポットの写真を撮り、学生に創作を行ってもらいました。
これらのスポット、実はアニメ『TARITARI』の聖地巡礼でした。
アニメロケ地への聖地巡礼はそう珍しいものではありません。
しかし、そこで実際に創作をするというのは、あまりない機会ではないでしょうか。
今回の課題で、また新たな経験を積むことができたように思えます。
これにて鎌倉江ノ島探訪記も終了となります。
鎌倉や江ノ島で歴史や大自然を肌に感じたことで、新たな創作の芽が出ればと思います。
自らの足で歩き、目で見て、手で触れ、肌で感じることが、感性を豊かにする第一歩です。
フィールドワークは一度で終わらせず、回数を重ねることでより確かなものになります。
もし、今回で足りない、もっと興味が湧いたとなれば、また足を運ぶのもよいでしょう。
おまけ
フィールドワークは授業です。
しかし、生物、人間である以上腹は減るものです。
せっかくこうして足を運んでいるのですから、どうせなら美味しいものが食べたいですね。
江ノ島の名物を言えば、シラス。特に獲れたての生シラスは絶品です。
ご飯の上にたっぷりとシラスの乗せ、サッと醤油をかけておろしたショウガを一つまみ……。
暑い日には、こうしたさっぱりとした昼食が恋しくなります。