プロモーション映像科で「ミュージックビデオ制作」等にて
特別講師を務めて頂いている映像監督でもあるフォトグラファー今井俊彦さんと
フォトグラファー末松正義さんによる特別講座が開かれました。
音楽が好きでアナログ盤のジャケットを撮りたくて写真の世界に入ったという今井さんと
小学生の時にプレゼントでカメラをもらってからカメラが好きになったという末松さんは、
大学時代の同級生という事で、
和やかな雰囲気で「商業写真と写真表現の違いについて」というテーマでお話してくださいました。
今井さんは
「撮りたい対象(アーティスト)が明確だったので、ライブ撮影から始めて
ミュージシャンのコンサートツアーのパンフレットやCDジャケットなどの撮影を
中心に仕事をしているけど、“何を撮っても自分の作品”と考えて撮影しているので
商業写真という意識はあまりない。」と話していたのに対し、
末松さんは
「インタビューなどの人物撮影から料理・着物などの物撮り、旅行のガイドブックなど
アシスタント時代にいろいろな仕事を経験し、そのまま“なんでも撮れます”と
仕事を受けています。」と話して下さいました。
写真ではジャンルが違うと仕事の流れが異なることもあるようで、
仕事の受注からカメラマンが行う内容、仕上げ作業等、実際に行ったパンフレットや書籍・レシピブックなどを
見ながらそれぞれの仕事について具体的に説明してくださいました。
末松さん「一度覚えたことを応用していきながら仕事をしていくが、
表現や手法などには流行り廃りがあり、媒体によっても違う。
(料理写真など)最近はWebでインスタグラマーとかが撮った“おいしそう”な写真があるので、
ライティングせずに“おいしそう”をどう表現しているのかを研究中。
プロフェッショナルとして仕事を続けるためには何か武器を持たないと。
(撮影をするときは)自分ではいろいろ出来る“職人”だと思ってやっている。」
今井さん「アーティストの写真を撮っても自分自身の表現の方に寄せていっているが、
アーティストの名前が立ってしまい、100%自分の作品ではないと感じたので、
アーティストと全然関係ない写真で自己表現として写真集を作った(今井俊彦さん 写真集 “Last waltz”)。
出版社もクライアントもなく自分で印刷所と打ち合わせをしながら、(web等で)データで流れるものではなく
重さやページをめくるといった形のあるものを残したかった。流行り廃りを追わずに自分の世界を表現したいと思っている。」
末松さん「やりたいことで挫折を何回も繰り返す人もいるけど、(例え目標を変えたとしてもそれは)成長過程の一つ。
だんだんと根を深くしていければいい。」
今井さん「いろいろやりながら核を見つけようってことだね。やりたい事があれば(それに向かって)やることは明確。」
末松さん「目的の明確さの有無は大事だよね。」
同じ“カメラマン”といっても仕事内容もやり方も違うお二人でしたが、
時間いっぱい有意義なお話をしてくださいました。
学生たちの進路は様々ですが、“仕事”と“表現”については参考になるところが
たくさんあると感じたようです。
今井さん、末松さん、
貴重なお話どうもありがとうございました!